近隣窮乏化政策とは

 

最近ネットで話題の言葉に「近隣窮乏化政策」というのがある。

これは経済政策のうち、貿易相手国に失業などの負担を押しつけることによって自国の経済回復と安定を図ろうとするもので、具体的には政府が為替相場に介入し、通貨安に誘導することによって国内産業の国際競争力は増し、輸出が増大するし、国内経済においても国産品が競争力を持ち、国内産業が育成され、やがて乗数効果により国民所得は増加し、失業は減少する、というものだ。

何故に今、近隣窮乏化政策が話題になったのかといえば、ネット上で経済学者の高橋洋一氏が『円安上等。1ドル300円でも誰も文句言うはずない』と言った部分を切り取って、某掲示板の創設者でインフルエンサーのHが絡んできた事で、高橋氏が円安(自国通貨安)は日本有利(自国有利)なのは、近隣窮乏化として古今東西知られている。これに文句があるなら、ノーベル賞クルーグマンや国際機関と議論したら、と切り返した事で、この言葉がネット上に拡散された、というものだ。

実際に1ドル300円になんてなったらば、輸出企業はぼろ儲けであり、利益爆増で法人税収も大幅アップ。確かに一時的に低所得者層には厳しい状況にもなるが、それは政府が先取りして豊富な税収を使って消費税の停止や各種の援助などを行へば良いだけで、それが出来ないのは政治家と役人の無能さが原因、という事に成る。

要するに、Hは無知な庶民の意見を代弁しているだけであり、高橋氏は高校の教科書に出て来る「近隣窮乏化政策」も知らないのか、と逆に切り返していた。ただし、実際に高校の授業で近隣窮乏化政策ついて教えているかといえば、ハテ?

要するに、Hのやっているのはネットに巣食う境界知能の連中相手に商売をしているのだが、所詮経済の知識が無いのに、経済の専門家に難癖付けたのが失敗だった。経済学というのは、文系に分類するのが果たして正しいのか、と思うくらいに数学を多用する。経済指標の解析は、多次元の方程式の羅列であり、ド文系の数学音痴には歯が立たない分野だ。

早稲田大学の政治経済学部、通称「早稲田の政経」では、私立文系にも拘わらず入学試験で数学を課している。尤もこれは、東大狙いの受験生を優遇するという面もあると思うが。

昔から、私立文系のトップといえば、「早稲田の政経」と「慶應の経済」と決まっていたし、私文でエリートと言われるのもこの学部であり、今でも企業の評価は変わらないようだ。

結局、今の円安は日本国にとっては美味しい事だらけなので、こんな事を許している米国政府がどうかしているのだが、トランプ氏が大統領に復帰すれば、あっという間に円高に転じる事は明らかだから、円安で美味しい思いが出来るのは長くて今年一杯という事だ。

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