文科省が2023年、300億円の基金を活用して大学の理工農系分野を拡充する支援事業に、国公私立の大学・高専述べ118校を選んだ。公立と私立大の計62校が理系の学部を新設する計画で、大学の理系転換の動きが一気に加速する。
これらの大学と学部については以下の資料が発表されている。
⇒文部科学省の理系拡充支援事業の初回公募で選定された大学(支援1)
工学部といえば誰でも脳裏に浮かぶのが、機械系と電気・電子系であり、これらはガチな工学系で、就職にしても多くの業界で必要とされる王道的なものだ。他に工学系でメジャーなものに土木・建築系があるが、これは特定の業界には潰しが効くが、一般の製造業では必要とされない。
そこで、上記資料の大学名を見ると、中央大や立教大、青学大、東洋大など、一般にも名が知られていて、既に理系学部を持っている大学もあるが、多くは無名大学が占めている。しかも、新学部(学科)の多くが「データーサイエンス学部/学科」や「情報学部情報学科」などの、何やら情報系というか、「理系もどき」が多く目に付く。
文科省もデジタル人材の育成を後押しするというが、結局手を挙げたのは多くが底辺大学で、しかもナンチャッテ理科系だった。「情報」という名が付いているから、ITの専門家になれるのかといば、ハテ? 結局は現在専門学校が受け持っている底辺プログラマーやコーダーを育てるのが関の山だろう。まあ、そいういう人材も必要ではあるが‥‥。
何度か指摘しているが、本当に潰しが効いて大手製造業が欲しいのは、中堅以上の工学部の電子系の情報専攻とか、情報学部といっても電子工学のシステム系を分離独立したような学部の、しかも大学院を修了している人材だ。
そうは言っても、これらマジな工学部は、高校の数学や物理を十分に理解している必要があり、いわゆる理系人間を入学させないと、結局は付いていけず途中退学となってしまう。
という事は、文科省として一番必要なのは高校の理科系教育を充実させて、工学系の大学に対応出来るような受験生を育てる事だと思うのだが。
えっ、理科系苦手のド文系は、DNAの問題だ、って?
それを言っちゃあ、お終いよ!