訪米中の岸田首相は日本時間12日早朝に、日・米・フィリピンの3か国による初めての首脳会談を行った。フィリッピンは中国の攻撃的な活動によって圧力を受けている現在、中国が海洋進出の動きを強める南シナ海情勢が話題となるのは当然の事だ。
中国はフィリピン沖の南シナ海を自国の領土だと主張し、ここを通過するフィリッピン船に中国海警局の警備船で放水するなどの妨害を行っている。
写真上の中国船「3305」は、ヘリコプター搭載哨戒船で、3,000トン 長さ110m 30mm機関砲×1(RWS)を備えている。
これに対する、フィリピンの沿岸警備隊(PGG)は日本の海上保安庁をモデルとしており、対中国の面から、日本の援助により40m 級多目的船(ジャパン マリンユナイテッド建造)10隻が2016年-18年に引き渡された。
しかし、この船は日本の180トン型巡視船をベースにしており、中国海警局の警備船(3000トン級)と比べて何とも心許ない。そこで、同じく日本の円借款によりテレサ・マグバヌア型巡視船2隻が建造され、2022年に引き渡された。
同船は三菱重工業下関造船所で建造された、全長96.6m、総トン数2,260トンの巡視船で、これなら中国海警局の警備船と十分に渡り合える。
とはいえ、現在の2隻体制ではどう考えても不十分であり、日本から5隻の大型巡視船の追加供与を受ける見通しになっている。
次期米国大統領はトランプ氏となる事はほぼ間違いなく、そうなればアジア諸国の中国戦略は日本が中心となる事を要求してくるだろう。トランプ氏からすれば、アジアの為に米国の税金で軍事援助をするなんて飛んでもない。アジアは日本が主体になって自分達で防衛せよ、という事だろう。
ところで、岸田首相が米国に行って、一体何ができるんだ、と思われていたが、何と英語力抜群だった。
それもその筈で、官僚の父の米国赴任により小学校1~3年を現地のパブリックスクールに通っていた、というから、何の事は無い、帰国子女だったのだ。3年というのはちょっと短めだが、一番言語を習得する勢いのある年頃に米国の現地スクールに通ったというのは、英語力に於いて大きな強みだろう。
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