今や大学進学率が50%を超えたという現状では、下位の大学を出ても大卒らしい就職が出来ないのが現状だ。
大企業の従業員に於ける大卒者の割合は、以下の資料から約40%。
そして国民全体に於ける大企業労働者の割合は30%というから、大卒で大企業に勤務するのは12%となる。
そこで上位12%の偏差値はというと、61くらいで、、私立文系、いわゆる「私文」ではMARCH以上、もしくは日東駒専の上位という事になる。
これって世間で言われている学歴フィルターと一致するような気がする。
という事は、偏差値50以下の私文に行くくらいなら、いっその事、高卒で大企業に入ってしまうというのは如何だろか?
大企業で高卒を正社員で採用するのか、という疑問もあるが、これは業界により異なり、銀行や商社、証券会社などの典型的な文系エリートの職場では、そもそも高卒の仕事が無い。
ところが、製造会社、とりわけ今でも力仕事でこなす自動車の組み立てラインは、季節工等の非正規も多いが、正社員も採用している。それ以外でも大企業とは言え現業も多いようで、前述のデーターでも60%は高卒者だったくらいだ。
因みにトヨタ自動車の採用区分と初任給を調べてみたら‥‥
新卒給与
・総合職(事務職・技術職)
高専卒 18万1,000円
学部卒 20万8,000円
修士卒 23万円
博士卒 26万4,000円
・一般職(専門卒・大卒)
2年制大卒(短期大学・専門学校) 16万6,000円
4年制大卒 18万6,000円
・生産関係職
高卒 未発表
という事で、確かに新規高卒も採用している。
この場合、業務は製造ラインの組立工だから、次から次へとコンベアに流れて来る半製品の自動車に、一日中同じ部品を取り付けるという単純業務であり、シートなどの部品は結構重いから体力も必要となる。従って、これに耐えられる肉体と精神が必要となる。
とは言え、これにジッと耐えて真面目に働き、高い評価を得れば班長などに昇進してラインでの組み立てからは解放されるし、生産支援部署、すなわち資材とか設備などに転属できれば、これまた流れ作業の組立工から解放される。
そうなれば、日東駒専クラスの大学から一般職として入社した同年代と同じ仕事ができる。しかも、大卒よりは給与が多少少ないとはいえ、正社員だから中小企業に比べれば確実に給与は高いし、しかも福利厚生も充実しているから、表向きの給与差以上の差がついている。更に長年勤務して目出度く定年退職となった時の退職金は、中小企業に比べて圧倒的に高い。
ただし、大企業に於ける大卒と高卒の何とも言えない壁があるのもまた事実。
結局結論は本人次第ということだ。
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