クルマ試乗記の裏話43 【ボルボって高級車なのか?1】




ボルボは日本ではベンツ・ビーエムに次ぐポジションの高級ブランドと思われているが、欧米ではドンガラのデカい割には買い得のクルマ、という認識だという。

日本のプチセレブが高級車と勘違いしているボルボだが、辛口で評判のカー雑誌は1万キロも走ればガタガタになる程にボディ組立技術が低い事を暴露したり、「間違いだらけ‥‥」で有名だったこれまた辛口自動車評論家も、ボルボは決して高級車では無い事を繰り返し著書で発信していた。

という訳で、そのボルボも実際に試乗してみなけらば判らないという事で、ディーラーを探して試乗したのだった。この結果が悲惨だった事についてはクルマ試乗記の裏話9 【プレミアムブランド一気乗り】で軽く触れたが、ここではもう少し詳しく述べてみる。

試乗したのは2000年に発売された2代目V70で直列5気筒という、どう考えてもバランスの悪そうなエンジンを搭載し、しかもこのデカいボディにも拘わらす前輪駆動だった。試乗したのは2.4L 170psの「2.4」(460万円)と、同じく2.4Lながらもターボで加給されて200psの「2.4T」(510万円)の2車種だ。
ボルボ V70(2002/05/25)
ボルボ V70-2.4T (2002/05/25)

これらは初期の試乗記の為に写真は無いし内容も薄いが、それでもどうしようもない程のダメグルマというのは判るだろう。

このV70は動力性能や操安性の悪さと共に信頼性にも難があったようで、当時一部では話題になっていたが、交差点などで減速するとエンジンがストールしてしまうという不具合があり、とあるオーナーは左折中に突然のエンジンストールでパワステのアシストが止まってしまい、ステアリングが重くて切れない状態で道路から逸脱して障害物に突っ込んだという事故があったようだ。

オーナーは怒り狂って不具合を指摘したが、ボルボジャパンはドライバーミスを譲らず、決着が付かない状態でディーラーは両者の間に挟まり、しかたなくオーナーに代車を出していたが、決着の付かないまま時は流れて、代車貸し出しが1年以上にも及んだところで、突然代車の引き上げと使用中の損傷による損害賠償を請求するなどに出た。

結局裁判沙汰で大騒ぎしていたが、その後どうなったのだろうか?

という訳で、当時のボルボはフォードの傘下だった事で、利益第一主義の悪影響で、設計品質も最悪の状態だった。