クルマ試乗記の裏話42【レクサスのMスポ】




2010年8月、トヨタはレクサス ISのバリエーションとしてFスポーツというグレードを発売した。

Fスポーツって、何やらMスポーツのパチもの臭いが、まったくその通りでMスポーツそのもののコンセプトだった。前回取り上げたように、MスポーツはBMWの高性能車ブランドであるMモデルの雰囲気をもったナンチャッてMであり、レクサスの場合もBMWのMに相当するF、すなわちISの場合はIS-Fのナンチャッて版がIS Fスポーツという事になる。

ところで、このFの称号は何に由来するかといえば、トヨタの所有する国際サーキットの富士スピードウェイ(Fuji Speed Way)の頭文字をとったもので、「レース直系のDNAを宿すモデルだけに冠することを許されたハイパフォーマンスの証だ」という事だ。

IS FスポーツにはIS250(V6 2.5L 215ps)とIS350(V6 3.5L 318ps)があり、本物のIS-FのV8 5.0L 423psと比べてIS250のパワーは約半分。その面ではM3の3分の1のパワーしかない318Ci Mスポーツ程極端ではない。

そのIS Fスポーツの試乗については、発売と共に以下の試乗記がある。
LEXUS IS250 F Sport 試乗記 (2010/12)

この試乗記では本物のIS-Fとの違いを写真で比較するなど結構真面目な内容になっているから、クルマ好きの読者は是非とも参照をお勧めする。

.なお、GSのFスポーツについてはISより遅れて2012年1月に発売された。試乗記は1年ほど後にGS350に試乗している。
LEXUS GS350 F Sport (2013/1)

現在、BMWではMスポーツとは縁遠いイメージのSUVにまでMスポーツが設定されているが、レクサスも同様で、RXやNXにもFスポーツが設定されている。

.結局、マルで商売になりそうもないFモデルも、Fスポーツの為のイメージリーダーとして美味しい商売をするには無くてはならないものだったのだ。