クルマ試乗記の裏話36 【高性能モデル目白押し】




2007年末にレクサスIS-Fと日産GT-Rが発売されたが、それに前後して10月にはランサーエボリューション(ランエボ)とスバル インプレッサ WRX STIが発売された。何れも2Lターボにより280psおよび308psを発生する高性能車であり、車両重量はそれぞれ1,520及び1,480㎏で、パワーウェイトレシオは5.4及び4.8㎏/psという高性能ぶりだ。

因みにレクサスIS-Fおよび日産GT-Rは出力423及び480psに車両重量1,690及び1740㎏で、パワーウェイトレシオは4.0及び3.6㎏/psという桁違いの高性能ぶりだ。まあ、、排気量が5.0LNAおよび3.8Lターボで、価格的にも2.0LターボのランエボやSTIの2倍だから当然でもあるが。

さて、ランエボの試乗をするに当たってはちょいと困った事が起こった。実は三菱ディーラーには全く面識が無く、しかも発売したばかりのランエボの試乗車があるディーラーとなると探すのは大変だったが、自宅から1時間程の場所に試乗車があるらしく、電話で確認したらば試乗できるという事だったので早速ディーラーに行ってみた。

着いたところは小さくて汚らしい店舗で何やら不安になったが、さて出て来た営業マンらしき人物が、これまた結構な年で、どう見ても定年後の「第二の職場」的で、しかも営業職とは程遠い不愛想なオッサンで、マルでメーカーの工場で部品の発注をやっていた、なんていう雰囲気だった。

それで少し離れた駐車場に案内されて、そこには確かに新品のランエボがあった。ドアを開けて乗り込んだ瞬間に、あれっ、センタークラスタ上部のナビのディスプレイの位置がボコッと開いていて、ブランクパネルさえかけてなく、ダッシュボード内の配線などが丸見えだった。

まあ、それはそれとして、エンジンを始動したら何やらアイドリングが不安定だ。走り出してみれば明らかに整備不良だし、営業マンは全く知識が無いし、オマケにディーラーの付近をチョイと走ってハイ終わり。

後日勤務先の後輩にこの話をしたら、以前ランサーを買ったことのあるディーラーを紹介するという事で、勤務が終了後にディーラーに飛び込む事に成った。こちらの営業マンは本人もクルママニアというタイプであり、試乗中の話の成り行きからハンドリングが判り易い場所に移動したりと、結構な長時間試乗になった。
MITSUBISHI LANCER EVOLUTION 試乗記 (2008/3)

スバルディーラーについては、別会社で輸入車販売も行っている事から結構顔が効いた事から、インプレッサ STIの試乗についてはスンナリと実施できた。
SUBARU IMPREZA STI 試乗記 (2007/11/3)

STIが365万円、ランエボが350万円と何れも3百万円台中ごろでこれだけの性能が手に入るのだから、若いクルマ好きからすれば大いに現実的な憧れとなるのも当然だ。そして新車でこの価格という事は中古車なら150万円程度で入手できるから、そこらのアンちゃんでも頑張れば買えるだろう。

しかし、そんな価格帯で購入出来れば、レベルの低いユーザーが多くなり、そんな連中が手に入れれば、中古とは言えフルスロットルを踏めば容易にリミッター速度(180㎞/h)に達することが出来る。軽く一千万円を超えるような高性能輸入車なら、オーナーはそれなりの社会的地位や収入があるから、それをパァにするような無茶は普通はやらないから何とかなっているのだが、150万円ではねぇ。

元々、偽善左翼は高性能車を親の仇のように忌み嫌う習性があるから、この手のクルマの存在を知れば大騒ぎで問題視するだろう。尤も、マスコミとしては番組の大口スポンサーである三菱自やスバルの怒りを買う事はしないとは思うが。