破綻の道を突き進んでいる中国の大手企業と言えば「恒大集団」だが、実はそれ以上にヤバいのが碧桂園(カントリー・ガーデン)で、同社は中国の不動産開発では恒大を凌ぐ最大手で、その碧桂園が経営悪化に陥っている。
そして碧桂園の手がけるマレーシアの巨大開発計画、その規模は15兆円という「フォレストシティ」の先行きが危機的となっている。
フォレストシティーは碧桂園が2015年からマレーシア王室や州政府の支援を受ける地場企業と共同で開発を進めているもので、マレーシアとシンガポールにまたがる4つの人工島を埋め立てて造成し、住宅やオフィスビル、商業施設などを建設する巨大開発計画だ。
ところがこの巨大プロジェクトは最終的に70万人が居住する筈が、現在の住民は僅か9000人であり、20棟を超える高層ビルは夜になっても明かりが灯る窓は殆ど無い。地上階はシャッター街と化し、滞納金の支払いを催促する裁判所の文章がドアに貼られたままで、店内はゴミが散かっているなんていう店舗もあるという。
このフォレストシティ、計画当初はシンガポールと目と鼻の先という好立地に加え、好調な中国経済にも支えられて中国富裕層が挙って購入していた。これは投資物件と共に、中国本土の政情不安に対する緊急避難先としてのニーズもあったという。
ところが、キンペイの海外投資規制の強化に加えてコロナの影響もあり、販売は不調に転じてしまった。
こんな状況だから当然ながら、碧桂園の経営状態は危機的であり、今年上半期の決算では約1兆円の赤字となった。このため、9月が期限の23億円の利払いが出来ずに、10月18日までの猶予期間に支払えるかが焦点だったが、結局利払いが出来ずデフォルトを債券保有者に通知している。
今回のデフォルトで即座にグループが破綻する訳ではないようだが、2021年の恒大集団の債務問題よりも影響は大きい。考えてみれば、十数兆円規模のプロジェクトを進めている巨大企業が、僅か23億円の利払いが出来ずにデフォルトするなんて、余程資金繰りが悪いのだろう。
しかし、こんな状況でも経済が完全崩壊しない中国ってのは、我々から見ると何とも不思議な世界だ。
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