クルマ試乗記の裏話18 【BMWのSUV】

 

SUVといえば車高の高さから、運動性能についてはサルーンよりも劣るのが世間の常識だが、2004年に発売されたBMW X-5は、BMW製ということでもしかしてサルーン並みの安定性を持つのではないか、という期待を抱かせていた。

そこで、馴染みのBMWディーラーに尋ねたら、別の支店に試乗車があるという事で、そちらに連絡をしてもらい、早速試乗に出かけて行った。
BMW X-5 4.4 (2004/03/13)

X-5が発売されたのは2000年であり、2004年にはMCにより後期型となった。試乗したのはこの後期型、と思ったら、どうやらそれ以前の「売れ残り」だったようで、バリエーションは4.4iで価格は860万円という中々のものだが、それでもMC後のモデルは911万円と行き成り50万円も値上がりしている。

当時はSUVといえば高い重心から不安定な挙動のクルマで無理は禁物、というのが常識だったが、X-5はBMWのサルーンと同等なレベルに達している事もあり、その後セレブの間では大いなる人気を博していた。

これぁ金持ちがヨットハーバーに乗りつけるには正に打ってつけだった。

X-5は一般サラリーマンには厳しい価格帯という事で、それならX-3はどうだろうか、と考えるのは当然で、X-5試乗の4カ月後に試乗するチャンスが巡って来た。
BMW X-3 3.0 (2004/07/04)

X-3には2.5Lと3.0Lがあり、試乗したのは上級モデルの3.0であったために、価格は530万円と決して安くはないし、オマケに試乗車にはオプションが満載されていたために総額は680万円にもなっていた。とはいえ、それでもX-5よりは現実的ではあるが‥‥。

試乗した結果は、未成熟というべきで、しかもスタイルも良くない。実際にセレブに大人気だったX-5に比べてこちらは不人気車種だった。

この当時から約20年が経過した今、世界的なSUVブームは続いている。その礎を築いたのは間違いなくX-5だったが、そのX-5は何の事は無い、傘下に収めたレンジローバーとして開発されたものが、同社の売却によって行き場が無くなり、結局BMWブランドで発売したのだったが‥‥。

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コメント

“クルマ試乗記の裏話18 【BMWのSUV】” への1件のコメント

  1. kenのアバター
    ken

    思い出のX5が出ましたね。前モデルを3年乗っていました。2mの全幅も視野の高さから全然気にならず、Mスポでも乗り味が柔らかく1000万のオーラに包まれる毎日でした(3年落ちでしたがw)
    現モデルが出た直後に、どこぞの半グレがX5で煽りまくった大事件のせいで…乗っていると、かえって品性が疑われる雰囲気で売却しました…..涙

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