台湾が購入した韓国製通勤電車が7ヶ月で684件の故障

 

台湾が導入した韓国 現代ロテム製の通勤方車両・EMU900型電車の故障が頻発しているため、台湾鉄路管理局(台鉄)は検査を強化し、メーカーに改善を促すとの考えを示した、と台湾メディアが伝えている。

EMU900型電車は2018年に台鉄が現代ロテムと52編成520両を253億台湾元(約1050億円)で購入する契約を結び、昨年4月から5編成が営業運転に投入されている。ところが、営業運転開始から水漏れ、コンプレッサーやブレーキのトラブルなどが頻発し、約半年で684件の故障が発生し、その内安全運行に影響する可能性のある故障は177件に上ると確認されている。

それでも台鉄としては、これらが「故障」では無く「瑕疵」だ、とか言って欠陥車両を導入してしまったと言われるのを必死で止めようとしているが、まあ、彼の国の電車を買ったのが運の尽きだったのだ。

実は台湾は、1990年代に韓国大宇製EMU500型通勤電車344両、現代精工製E1000型特急車両445両を導入していたが、その後故障が頻発していた。しかし製造元の合併などによりメンテが出来ない状態となっていた。

そんな痛い目にあったのに、何故に懲りもせずに韓国製車両を導入したのだろうか?

実は韓国以外に台湾の通勤電車の入札に参加する企業が存在しなかった、という悲劇があったようだ。

日本の場合、英国では高速鉄道を始めとした日立製車両の独壇場で、日本製車両の海外輸出は盛んなのだという認識もあるが、実は通勤電車の海外輸出は車両メーカーの生産余力も無い事から、全くやる気が無い状態だという。

しかも今の日本では、通勤型車両は設計の標準化が進んでいて、納入先の複数の鉄道会社に対して、標準化した車両を納入するようになっている。例としては、JR東日本のE231やE233を元にして、小田急4000形・東急5000系・相鉄10000系などが製造されていると状況になっている。

以前は特に私鉄各社ではそれぞれ個性的な車両が走っていたが、最近はどれも皆同じような形になった、と思っていたが、成程こういう事情があったのだった。

そしてJR各社は自前の車輛製造工場を所有し、上記のJR東日本は1994年10月より自社で新津車両製作所という車両製造部門を保有していたが、2012年には東急車輛製造から鉄道車両製造事業を組み入れ総合車両製作所とするなど、自前での製造が行われている。

従って、海外用の通勤車両の入札なんて全く眼中に無いのは当然だ。

他に通勤車両を製造しているメーカーは日立製作所、川崎重工、日本車両製造があるが、これらも国内向けで手一杯の状況で、海外向けに手を広げる余裕は無いのだという事だ。

結局、台湾は韓国製を導入するしか無かったのだった。

日本の鉄道は今やダントツ世界一。しかし鉄道車両というのは現地の事情による仕様に合わせるために多くの労力が必要となり、高速鉄道など金額の大きいものは別として、通勤車両ではメリットが無いということのようだ。

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