中共 台湾侵攻に民間船活用

 

中共では人民解放軍が台湾侵攻時に海軍の揚陸艦の数量不足を補うために民間の大型船舶を活用する計画を行っている、と産経新聞が伝えている。

軍事演習では実際に数十隻単位での活用が確認されていて、それも後方支援ならとも角も、上陸作戦用に改修された船が確認されている、と米・台の軍事研究者が述べている。

米国の電子雑誌「チャイナ・ブリーフ」によると昨夏に広東省で行われた上陸作戦の演習に民間の貨客船「棒棰島 (Bang Chui Dao 、ぼうすいとう)」が参加したという。この船は総トン数15,560t、全長134.8m、巡航速度は19ノットで、車輛が自走で乗り降りするローロー(ロールオン/オールオフ)船と呼ばれるもので、日本でいうカーフェーリ―と同等のものだ。

しかし、通常カーフェリーはランプ(傾斜路)を岸壁に下ろして車両を出し入れするが、演習では同船から直接海面にランプが下され、水陸両用歩兵戦闘車が船内から洋上に発進し、ランプを支える支柱が強化されている事が映像で確認されたという。

このタイプの揚陸では直接砂浜に乗り上げるビーチング方式という戦法をとるが、棒棰島の場合はそれすら出来ずに手前で降ろすようにも思う。

何れにしても所詮は民間船であり、多少の補強をしたとしても軍艦とは根本的に造りが違うのだが‥‥。

では自衛隊でこのクラスの輸送艦はといえば、大きさとしては全長178mの「おおすみ」型が近いが、おおすみは後部のウェルドッグからエア・クッション型揚陸艇(LCAC)を発進させる事で、世界の海岸線の70%が利用できる。対するビーチング方式では15%であり、民間カーフェリーなんか転用しても使用できる海岸は限定されるだろう。
おおすみ型輸送艦って、ぶっちゃけドック型揚陸艦だった

なお、中共も今年の4月に初の強襲揚陸艦「海南」が就役しているが、例によってまともに使い物になるとは思えないが(笑
中共のエアクッション揚陸艇

ところで、自衛隊にも人民解放軍にもビーチング方式の揚陸艦は存在するが、これについては項を改めて取り上げる事にする。

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