朝鮮日報によると、韓国の四年制大学に通う3~4年生と卒業生2,713人に対するアンケートで、回答者の65%が就職断念の状態にあることが分かった、という。
それじゃあ10人中3人以上は就活を行っているかと思ったが、実は積極的に就活を行っているのは10人中わずか1人! また就職断念者中の34%が最初から就職活動はほぼやっておらず、22%は形だけの就職活動を行っていて、8.4%は何もやっていない、という事だった。
就職を断念する理由は「自分の実力に比べて就職のハードルがあまりにも高い」事であり、就職活動を行っていない理由は「能力・技術・知識などが足りないからもっと準備するため」という。
実は韓国の大企業は新卒採用の80%以上を理科系出身者としていて、それ以外の専攻学生は極めて厳しい状況のようだ。しかも、IT分野での採用を狙ってコンピューターを活用する能力を高めたいと思い、データ分析関連や電子商取引管理士などの資格も取ったが、工学部専攻の学生とは最初から競争にならなかった、という話もある。
実はこの傾向は日本でも同様で、しかも半世紀前から同様なのだった。我々の受験生時代も、文系で人気企業に就職するには最低でも早慶、それも特定の学部出身者のみ。具体的には早稲田理工と慶應経済という定番学部のみ、と言うのが常識だった。
そして今でもこの傾向は同様だが、出身大学については人物本位という流れもあるために、半世紀前程にはブランド重視でも無い事と、当時に比べれば東証一部に上場する企業も圧倒的に増えた事もあり、多少は緩和されてはいるようだ。
その出身大学だが、文科系の場合、いわゆるMARCH程度は必要、とも言われているが、そのMARCHでも上場企業に就職できる学生は決して多くない。それに対して理科系、取り分け工学部の機械、電子、情報関係の学科なら大いに有利になるが、研究開発系の場合は大学院修士課程修了が必要となり、何の事は無い、事実上の6年制という事だ。
なお多くの受験生が勘違いしているのは、文科系と理科系の偏差値をゴチャ混ぜにしている事で、特に私立では両者の受験科目は全く異なる訳で、これを同一に比較するのは無意味となる。また、偏差値というのは相対的なモノだから、文系受験者の平均学力と理科系のそれでは全く事なるという事だ。
要するに、青山学院大学文科系の偏差値65と、東京電機大学の55は比較できないし、電機大の情報工学系で修士課程を修了すれば、一流メーカーの研究開発部門への就職も夢ではないが、青学の文系では‥‥同クラスの企業に営業総合職で入社するのは相当に厳しい。
別に青学に恨みがある訳では無いし、他のMARCHも似たようなものだ。
という事で、結論はもう見えたと思う。
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