米大統領選挙で永遠に勝ち続ける民主党法案が阻止される

 

バイデンの初期の重要議題である連邦選挙法案「For the People Act」は、米大統領選で民主党が永遠に勝ち続ける事が出来るためのものであり、これが通ってしまったら米国は完全に終わってしまう。

しかしこの法案の成立は上院で何とか阻止されて、やれやれ、というところだ。

ところが、その否決が50対50と言うのだが、その場合上院議長、すなわち副大統領の票で決まる事は周知の事実であり、要するに最後はお釜ハリスの票で決まる。だとしたら、法案成立の筈だが何か変だ。

そこで、これを伝えている米国の記事を確認してみる。
Republicans Block Democrats’ Sweeping ‘Voting Rights’ Legislation
共和党は民主党の「抜本的」「投票権」法案を阻止する

上記記事によれば、共和党は法案を阻止するためにフィリバスターと呼ばれる議事妨害を使用したのだった。議事妨害といえば日本でも野党が法案成立阻止に使う牛歩戦術などがあるが、日本の場合は結局時間稼ぎのパフォーマンスで、成立そのものを阻止できるものではない。

ところが米国のフィリバスターは200年の伝統のある手法で、上院規則で議員の発言時間が無制限となっていることを利用し、長時間にわたり討論を続けることで議事進行を意図的に遅延させるものだ。

このため議会会期終了まで審議を引き延ばせば法案を廃案に追い込む事が出来るのだった。とは言えそれを阻止する方法もあり、これは全議員の5分の3以上、すなわち60議席以上の賛成を得られれば、討論を終了させて議決に持ち込む事が出来る。

今回もこの投票を行ったが、結果は50対50、すなわち60票を取れなかった事から、事実上法案の成立が望めないために、民主党も諦めた、という事だった。

元々現在の上院は50対50であり、共和党の議員が10名以上寝返らないと採決に至らなかった訳で、流石に今回は共和党内に裏切り者はいなかったという事だ。

それにしても米国の立法システムというのは奥が深くて、我々には想像もつかない事が度々起きている。

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