韓国自動車メーカーの労組と言えば賃上げとストで会社の業績を悪化させるという最悪の組織であり、その中でもヒュンダイ自動車と言えば、社員は組み立てラインでスマホを見ながら作業は(現代自動車工場内ではスマホを見ながら組み立て作業している!)するし、過剰人員と高賃金に効率の悪さから、今や世界一の高コスト体制となってしまった事で有名だ。
そのヒュンダイ自動車の労組組合が何と賃金凍結を検討しているという。流石の韓国労組も新型コロナウイルス感染拡大による産業界の危機的状況を理解して、この際賃上げよりも雇用の安定に焦点を合わせる事にしたという。
まあ宿主を殺したら寄生しているバイ菌も一緒に死ぬ運命だから、ここは一つ何とか共存を考えるのは労組もバイ菌も同じ事だ。
ただしこれはどうもヒュンダイのドイツ法人の話のようだ。とはいえ、韓国の労組だってこのままでは倒産の道を歩む事くらいは判るだろう。尤も時すでに遅しという感じで、巷ではヒュンダイ自動車は来月まで持たないとまで言われている。って事は後10日の命か?
さて、韓国経済で危機的なのは自動車業界だけではなく、NOジャパンを機に業績が大幅に落ちた上に新型コロナウイルス感染で今や瀕死の韓国航空業界は、業界第2位のアシアナ航空が「持って2ヶ月」と言われるくらいの状況に至っている。同社は昨年産業銀行が支援した1兆6000億ウォンを使い果たし、今月初めには3000憶ウォンの短期借り入れを公示している。
また韓国の精油会社では製品需要の減少に伴う流動性危機に対応するために社債に続き、企業手形(CP)まで拡大発行しているという。このCP(commercial paper)とは企業が直接金融で資金調達するという点では性格は社債と同じだが、社債の償還期間は通常1年以上で、有価証券取引法上の有価証券として規定される一方、CPの償還期間は通常1年未満で、30日以内のものが多いという。
実はこのCP、日本では殆ど使用されて無いのでどうもピンと来ないが、まあ相当にヤバい状況には間違いない。こんな状況だから、第1四半期の主要石油会社の営業損失額の合計が3兆ウォンを超えると予想されていて、信用格付けも着実に下がり資金調達環境が悪化しているというから、もう魔のスパイラル状態のようだ。
信用格付けが下がれば増々資金の調達コストが上がり、CPを発行する程にキャッシュが無い企業の取っては更に痛手となるが、もう何が何だか判らない状態だ。
このような状況だから韓国の四月危機は増々深刻になってきている。
⇒韓国企業4月は社債返済で恐怖の死月
前述の航空会社に再度注目すると、実は2位のアシアナ航空どころか1位の大韓航空も今月末で資金が切れると予測されていて、その場合償還不能になった社債やCPは全て紙くずになる事で投資家は甚大は被害を被り、それが元で連鎖的に企業倒産が続く事になる。
また雇用も更に悪化し正に国が破綻する事になるが、これを避けるには中央銀行はウォンを印刷しまくり、市中銀行は莫大な現金を企業に供給して何とか資金を回し続ける必要があり、ようするにハイパーインフレまっしぐらという事か?
それにしてもこのような内容を書いている現実が何故かピンとこないくらいに現実離れした危機ということだろうか。
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