Mercedes Benz C200 & C300 (2007/9/2) 後編 ⇒前編 |
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最初はC200から試乗することにしよう。走り出しての第一印象は、この手の4気筒ベースグレード車としては、思いのほかトルクがあり、加速も良いのが意外だった。それも、国産車のようにスロットルの特性に細工をして、少し踏んだだけでも実際には結構な量の燃料をブッ込んで、如何にも十分な動力性能と誤解させるような特性とは違う。その証拠に、停止からブレーキを離しても、殆どクリープがないし、そこから少し踏んだだけではグンッと出ることはない。以前程では無いにせよ、重めのスロットルべダルを国産車よりは多少多めに踏むと、1.8ℓコンプレッサーは十分な動力性能をもたらし、しかも、更に踏み込めば、4気筒としてはスムースに加速を続ける。 加速中の排気音も気にならない程度に低いし、何より1.8ℓスーパーチャジャーが登場した頃のような耳障りな過給音 も、今では気にするほどではないレベルまで下がっている。とはっても、トヨタのハイオーナーセダンに慣れていて、それが当然と思うドライバーには煩いと感じるかもしれない。ライバルであるBMW320iが、400万円のクルマにしては、その動力性能に不満があるのに比べて、C200は十分 な性能を持っていて、感覚的には325iに近いものを感じた。そこで、両車のエンジンスペック(最高出力/最大トルク)を比べて見ると、 320iが150ps/200Nmであるのに対して、C200は184ps/250Nmと明らかに勝っている 。特に最大トルクに至っては25%増しで、3シリーズの場合ならば323iの174ps/230Nmをも上回り、325iの218ps/250Nm と同等だ。このスペックは、トップエンドこそ325iには敵わないものの、実用上で重要な4000rpm程度までのトルク感では、325i並と感じたことを裏付けていた。 |
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最初にディーラーの駐車場内から公道に出るまでの低速時は、速度感応式のパワステのお陰で操舵力は相当に軽いが、40〜50km/h程度の速度になると、操舵力は適度になる。この時、何よりも意外なのは、歴代のメルセデスとしては最もクイックというかスポーティーな味付けで、ライバルのBMW3シリーズに近いフィーリングだった
ことだ。
いや、現行3シリーズがランフラットタイヤ(RFT)により操舵感という面では不利なこともあり、新Cクラスは寧ろ先代3シリーズ(E46)的な素直さまで持ち合わせている。ただし、E46程には路面状況を伝えてこないのは、最後の一線はメルセデスのポリシーを残したのだろうか。 |
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Cクラスのブレーキ、特に先代(W203)は独特のフィーリングだった。すなわち、踏み始めから重くて、普通のクルマにある遊びが殆ど感じられない。そして、その重い踏み始めから既にブレーキは効き始めているという、言ってみればガッチガチのフィーリングで、ストロークが短いのは剛性感があっていいのだが、これではいわゆる板踏みというか、殆ど踏力のみで制動力を調整するようなフィーリングだった。ところが、新型C200のブレーキペダルを踏むと、最初の遊び部分では極めて軽く、その後にガツっと当たる位置では、軽い踏力でガンっと食い付くように効き、そのフィーリングはマルでBMWとそっくりだった。 |
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今回の新型Cクラスの出来は確かに良く、雑誌でのベタ褒めも、あながち嘘ではない。特にC200については、戦略的な価格をだしているようで、これは誰が考えてもライバルであるBMW320iからの奪還を狙っているのは間違いない。まあ、BMWだって、当然何らかの
対抗策を考えてくるだろうが、この戦いで一番利益を受けるのは我々ユーザーであることは間違いない。
BMWに対する優位さは判ったが、それでは他車に対しては如何かといえば、上の表を見てのとおりで、レクサスIS250もちょっと(いや、かなり)辛いが、メルセデスとはBMW以上にユーザー層が異なりそうだから、今更大きな影響はないかもしれない。スカイラインの場合は、更に価格帯が違うし、ユーザーも重ならないだろうから、影響はなさそうだ。それにしても、こうして比べてみれば、スカイラインの買い得感は実に高いが、その割には街中ではあまり見かけないし、首都圏の郊外ではむしろ3シリーズのほうが目に付くのはどうしたことか。
ニッサンさん、もう少し何とか戦略を立て直す気は無いのですかね。
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