Volvo XC60 (2018/2) 後編 その1 |
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ドアを開けてホワイト (ボルボではブロンドと呼ぶ) のインテリアカラーと独特のモダーンテイストの室内にあるドライバーズシートに乗り込みベルトを締めると、パーフォレーテッドレザーの座面中央部は多少滑りやすさを感じ、まあこれは何処のメーカーでも同様であり、その面では寧ろファブリックの方が適しているくらいだから下位モデルの Momentum も良さそうだ。しか〜し、下位モデルでは内装色はダークグレー (ボルボではチャコールと呼ぶ) のみなのが辛いところで、結局 Momentum でブロンドの内装色を得るにはオプションのブロンドレザーを選ぶ事になり、それなら Inscription を選んだほうが話は早い事になる。 シートポジションはフルパワーで調整スイッチはシート側面のオーソドックスな位置だから悩む事も無く、ステアリングの位置を調整してシートベルトを締めて、さてエンジンのスタートはというと、ダッシュボード上には無いようなのでコンソール上を探すが如何にもそれらしい丸いボタンは見当たらない。しかし良く見ると AT セレクターの手前の四角いツマミに "→ START ENGINE STOP" という表示があり、要するに ”右回りに回せ” と解釈出来るから試しに右に回すと目出度くエンジンがスタートとした (写真41) 。なお旧型ではセンタークラスター上部のキースロットに電子キーを差し込んでから、その上にある小さな長方形のボタンを押すという、これも初めてだとチョイと戸惑うが、まあそこがドイツ車とは感覚が違う訳で、これぞ北欧テイストと思えば腹も立たないし、オーナーになればそれが当たり前になるから問題は無い。 AT セレクターは新旧とも直線パターンで奥からP→R→N→DでDから左に倒してマニュアルモードという所謂ティプトロパターンだが、旧型はシャッター付きのゲートで新型はレバー根元にブーツを被せたタイプと、要するに時代の流行に合せたという事だろう (写真43) 。このレバーをDに入れて、さてパーキングブレーキの解除はと言えば、新型ではコンソール上のスタートスイッチの手前に電気式パーキングブレーキスイッチと一目で判るものがあるから、これを押せば解除できる。因みに旧型ではダッシュボード右端底面にあるスイッチを押してオン、引いてオフとなる。 いよいよ発進して駐車場内をユックリ走行し公道手前で停止してクルマの流をやり過ごす。そして切れ目が来たところで発進し左にステアリングを切り少し加速して見ると、そのトルクは充分で結構パワフルだ。それもその筈で XC60 のエンジンは 2.0L ターボとしてもハイパワーの部類に入る 254ps で、これはライバルであり同じく 2.0L ターボである BMW X3 xDrive 20i の 184ps よりもハイパワーで、X4 xDrive 28i の 245ps と同等であり、実際に走ってもそんな感じだ。 | |
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途中からは片側2車線の国道バイパスに入り速い流れに乗ってみるが、ここでの加速性能も充分だ。そこで今度はスポーツモードに切り替えてみる。モード切り替えスイッチはコンソール上のスタートスイッチとパーキングブレーキスイッチの中間にあり、これが横長のローラー状になっていて、このローラーを前後に回す事でモードを選択してローラー自体を押す事によって切り替わる。しかしこれが結構操作し辛くて真っ直ぐに押さないとモード選択が変わってしまったりと、結構慣れが必要となる。まあこれもドイツ車とは全く違うモノを求めてオーナーになる分には寧ろ快感かもしれないが‥‥。 スポーツモードになると更にパワフルになり、スロットルレスポンスも向上する。それにしても 10年前の常識ではボルボ=重くてパワー不足というのが一般的な印象だったが、この面でも随分と進化したものだ。と、気を良くしたところで例によってフルスロットルを踏んでみると、加速中のエンジン音も適度な音量だし、5,000rpm 位までは簡単に吹け上がってくれる。XC60 のトルクはカタログによると1,500-4,800rpm という広い範囲で 350N-m を発生するようで、成る程 5,000rpm では最大トルク発生範囲に近い領域で、そりゃ充分に加速する訳だ。 ここでチョイと正面のメータークラスターに視線を移すと、旧型の如何にもメカメカしいものか現代風のカラー液晶ディスプレイを使用したモノに変っている (写真44) 。そしてメーターは CG によるもだから、モードによっては左右の大径メーターが少し小さくなって左右に広がる事でセンターのスペースが確保されるという独特な動きをする (写真45) 。加えてフロントガラス越にはヘッドアップディスプレイが組み込まれていて走行速度と制限速度がカラスの向こうに浮き出てくる (写真45) 。これは慣れれば全く視線を移動せずに前を見つめたままで速度を確認できる訳だから安全性には大きく貢献するだろう。流石は安全のボルボ、と言いたいところだが、最近は BMW を始め他車でも採用車両を増やしている傾向にある。さて数年後にこの装備が多くのクルマに標準採用されているのかといえば、ハテ? |
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つづきはその2にて。 |