Suzuki Swift Sport (2018/1) 前編 その2

  

フロントヘッドライトの形状は多少変化しているがこれはよく見ないと判らない程度だ (写真21) 。なお新型のヘッドライトは LED 方式で、その下にあるのはスズキではマルチリフレクターハロゲンフォグランプと呼ぶ補助ランプが標準装備される。先代のヘッドライトはキセノンがオプションで LED の設定は無いが、これは流石に年代の違いと言う事だ。それにしてもここ数年であっという間にヘッドライトが LED 方式になってしまったが、確かに電気は食わないが LED ランプの照射は決して見やすいとは言えず、キセノンの方が肌に合うような気もするしより明るくも感じる。

リアのバックドアには ”SWIFT Sport" のエンブレムが貼ってあり、まあ如何でも良い事だが新旧同じものに見える。排気管は新型の方が少し太くて厚みも厚くメッキも輝いている‥‥まあ見掛けだけだが (写真22) 。

写真21
新型は LED ヘッドランプが標準となった。

 

写真22
排気管は新型の方が少し太くて厚みも厚くメッキも輝いている。
”SWIFT Sport" のエンブレムは同じものに見える。

ドアを開けて室内を見ると、第一印象はよく似ていて変更点が判らないくらい (写真23) だが、しかしよく見れば新型のシートはヘッドレストが一体となったハイバックシートで、両端のサポートの峰もより高い。それでもブラックのシートに赤いステッチ、バックレストの上部には ”Sport" の赤いエンブレム (写真24) など共通点は多く、極力イメージを変えないようにしているのが判る。

そのシート表皮は欧州調のスポーツファブリック (とトヨタは呼んでいる) とでも言うべきもので、このクルマの車格や用途には合っている (写真25) 。シートの調整は全てレバーによる手動式 (写真26) で、これもこの手のスポーツシートでは定番的であり、これが同じスイフトでもコンフォートモデルの上位グレードではパワーシートの標準設定は‥‥無い。しかし当然ながらオプションでは設定されて‥‥無いっ! って、まあBセグメントでは当然かもしれないが、それでもバリエーションの中には英国のバンデンプラプリンセスのような本革シートやウッドパネルのモデルがあっても良さそうだが。

写真23
第一印象はよく似ていて変更点が判らないが‥‥。

 

写真24
フロントのスポーツシートは新型の方がサポートの峰も高くヘッドレストと一体のハイバック化など、"スポーツ度" は向上している。

 


写真25
新型のシート表皮やステッチは先代と同じイメージを引き継いでいる。


写真26
シートの調整は全て手動式となる。

ここでリアシートに視線を移すと、先代ではフロントと同じスポーツファブリックにレッドステッチというものだが、新型では低位グレードと共通の安モノファブリックとなり、勿論ステッチなどある筈も無い (写真27) 。これは、まあ、コストダウンなのだが、この手のクルマを選ぼうというドライバーならリアシート何て興味は無いだろうからこの変更は正解だ。えっ、リアに乗る女房・子供がゴチャゴチャ言わないか、って? シート表皮何て判る訳無いだろう! 何しろ未だに 9・11 の高層ビルはジェット燃料の熱で崩壊したと思っているんだから。あっ、そういえば何処かの評論家のアホ先生はジェット燃料は強力だからビルぐらい崩壊させるとマジに言っていたが、その甲斐あって今では参議院議員の大先生だっ!

次にドアトリムについては、一見すると新型の方が幾分 (あくまで幾分だが) 高級そうに見える (写真28) 。その最大の理由はアームレスト先端のパワーウィンドウスイッチ周辺にレッドのカーボンファイバー風 (あくまで "風" だが)トリムが付いている為だ (写真29) 。それでもう一度ドアトリムをよ〜く見ると、やはりBセグハッチなりのプラスチッキーな質感全開だが、それでもドアノブにはメッキが施してある。


写真27
新型のリアーシート表皮はフロントと違い安っぽいものが付いているが、先代ではフロントと同じモノだったから、ここはコストダウンされている。


写真28
ドアトリムも新型の方が多少高級そうに見える。


写真29
新型が多少でも高級そうに見えるのはアームレスト先端のレッドトリムがあるからだ。

新型のダッシュボードは先代とはデザインが大きく変わっているのは時代にマッチさせたからだろう(写真30) 。特にダッシュボードに赤い水平トリムを使うなどスイスポらしさでは先代を凌いでいる。センタークラスターも近代的にはなったが基本的は配置等は変わらず、1DIN のオーディオスペースは標準がオーディオレスのために本来はブランクパネルとなる (写真32) 。まあ常識的に考えてBセグメント車ならこれは極普通だが、その面ではディスプレイまで含めた統合システムを標準としているマツダ車は立派だが、それ以外のメーカーは似たようなモノだからスズキが特に劣っている訳では無い。

ステアリングホイールは何れも革巻きにレッドステッチという点では変わりは無いが、これも新型の方が洗練されている。メーターも大きく変わっているが、これについては後編 (走行編) にて詳細にレポートする (写真31) 。

写真30
新型はダッシュボードに赤い水平トリムを使うなどスイスポらしさでは先代を凌いでいる。


写真31
何れも革巻きにレッドステッチのステアリングホイールだが、スポークやセンターのホーンボタン等も新型の方が洗練されている。


写真32
センタークラスターの機器類の配置は基本的に変わらないがデザインは良くなっている。

さてここまでのところでは新型はそれなりに洗練されていたが、このような車種こそ走って何ぼだから評価は試乗してからということで、後編に進む。

続きは後編にて。

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