Mitsubishi Eclips Closs (2018/3) 前編 その2

  

エクステリアの次はドアを開けてインテリアを見る事にするが、インテリアの場合どのメーカーもグレードによって素材などを差別化するのが普通だから、比較に当たっては極力同一レベルのグレードで実施する必要がある。しかしそうは言っても各社によりグレード設定も格差も様々で中々難しい問題もあるが。そんなことを言っていては比較にならないので、兎に角極力同一条件となるべく努力はするが、最終的にはあくまでも参考という事にしてもらいたい。なおインテリアは原則としてエクリプスクロス G (4WD:292.2万円) 、CX-5 XD プロアクティブ (4WD:322.9万円) 、C-HR S-T (4WD:251.6万円) を使用している。と書いてみて気が付いたが、C-HR は他の2車よりも数十万円程安く、そりゃあ売れる訳だ。

それで第一印象は3車共最近のクルマらしくどれも似たような雰囲気で、ボルボ XC60 のように一見して「おおっ、これは違うぞ」というモノは無い。着座位置も似たような高さであり乗用車よりは多少高めという程度で、本格的なオフロード車のようにステップがあるという事も無い。まあ、そもそもフロアは低く殆ど乗用車と変わらないからステップは必要無いが。

シート形状も3車共にフロントにはバックレストの左右端を盛り上げたスポーツシート的なモノを使用しているのも最近の流行通りだ。シート表皮はグレードによって異なるのは当然だが、今回は中級グレードで比較すると何れも欧州車的なファブリックで、しかもダークグレーの表皮に白やブルー等のステッチを入れているのも最近のトレンドに従っている。


写真11
3車共最近のクルマらしくどれも似たような雰囲気で着座位置も乗用車よりは多少高めという程度だ。


写真12
シート表皮は中級グレードで比較すると何れも欧州車的なファブリックで、しかもダークグレーの表皮に白やブルー等のステッチを入れている。

ドアのインナートリムについては3車共中間グレードの為に結構シンプルというか質素というか‥‥。しかし廉価 (ベース) グレード程には安っぽくは無く、ドアノブやドアハンドルにはシルバーの表面処理が施されたり、パワーウィンドウスイッチのパネルはピアノブラックの車種もあるなど、多少は気を遣ってはいる。


写真13
インナートリムは3車共中間グレードの為に豪華では無い。


写真14
拡大して見ればベースグレードでは無いためにある程度の表面処理や素材を使ってはいる。

ダッシュボードについては三車三様というところだが、エクリプスクロスの場合はグレードによりディスプレイやシステムが異なっている。すなわちGではセンタークラスター上部に2DINのブランクパネルを持つオーディオレスが標準で、写真ではここにオーディオ一体ナビが装着されている。これが G Plus Package では欧州車のようなディスプレイがトップボードより上に飛び出していて、更にはナビもオーディオもその他走行関係の設定と共に統合システム化されている。

CX-5 の場合はマツダに共通な統合化されたシステムでナビは数万円のメモリーカードを挿入すれば、これこそ欧州車と同等のシステム化が可能となるから、エクリプスクロスの G Plus Package と同等の装備が全グエードで標準化されていると思えば良い。

そして残る C-HR はといえば、これはエクリプスクロスのGと同じで2DINのブランクパネルを持つオーディオレスとなっていて、市販品の後付けとなってしまうという3車の中では一番遅れた状態だ。トヨタはクラウンクラスでも最新と言えるシステムでは無くて、レクサスでないとこれらは装備されない。もしかして日本の一般庶民はシステム化されたナビ&オーディオを求めていないのか、それともそんなモノを教えてもメーカーにメリットが無いからやらないのか?

写真15-1
Eclips Cross のインパネはダッシュボード下端からセンタークラスター、そしてコンソールに繋がるシルバーの加飾ラインが多少目を引くが、それ以外に大きな特徴は無い。


写真15-2
CX-5 と C-HR ではダッシュボードのデザインが全く異なっている。


写真16-1
Eclips Cross は G と G Plus Package でセンタークラスターのディスプレイが異なる。


写真16-2
CX-5 はトップボードからディスプレイが飛び出した欧州調、C-HR の最上部はブランクパネルで市販品の後付で、
この点では CX-5 の圧勝。

フロアコンソール上の機器はエクリプスクロスでは直線パターンの AT セレクター、電気式パーキングブレーキスイッチ、そして4WD 車ではその関連スイッチ等常識的だが、 G Plus Package では統合システムの入力用デバイスとしてタブレットと関連スイッチが追加される。ところがその位置が G ではパーキングブレーキスイッチの場所に強引に配置した為に、レイアウトが変更されている。幾ら最上位モデルとは言え、その為にコンソールのパネル自体に別部品を用意する等、コストダウンの思想からすれば致命的だ。まあ次回のモデルからは日産のチェックは厳しくなるから、こういう事は出来なくなるだろう。それにしても今まで散々威張りまくっていた三菱のお坊ちゃん社員たちは、今後は日産からの出向者に頭を下げるのだろうか? いやぁ、これぁ楽しみだ。

CX-5 は統合システムを装備するので当然ながら入力デバイスがあるが、最初から標準装備が前提だから上手く調和するように配置されている。そしてオーディオレスの C-HR は勿論 AT セレクターとパーキングブレーキスイッチ以外は何も無い。


写真17-1
G Plus Package ではコンソールにディスプレイと共に使用するコマンドスイッチが追加されるために電動式パーキングブレーキスイッチの位置がGとは異なっている。


写真17-2
センタークラス ンは良くなっている。

ここまでのところでは三車三様というところだが、マツダの先進性とトヨタの大衆路線、そして三菱はと言えば‥‥まあ厳しい状況の中で結構頑張っているというところだ。

続きは後編にて。

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