Mercedes Benz A180 (2018/12) 前編 その2

  

エクステリアについては新旧Aクラスを比較したが、インテリアについては一つ上のCクラスと比較してみる。何故なら、今回 W177 の内装を見ての感想はヤッパリ300万円代のクルマだからチョイとショボいんじゃあないか?という気持ちもあったので、それならCクラスと比べてみようという事になった。

そして比較相手のグレードはC180 Adbangald で価格は489万円だから、A180 Style の362万円と比べるとその差は127万円となる。また同じく "180" ではあるが A180 の 1.4L (実は1,332cc) ターボ 136ps に対して C180 は 1.6L ターボ 156ps とこれも1クラス上のエンジンが載っている。

なお C180 Avantgarde の詳細については下記の試乗記にて‥‥
⇒ Mercedes Benz C180 & C200 試乗記 (2014年9月)

それではドアを開けて室内を見回してみる。写真11では判り辛いが実物はやはりCクラスの方が内装材に金が掛っている雰囲気が伝わってくるが、まあ硬い事を言わないとか、質感に対して感受性の無いユーザーには判らない程度だ。そこでシート表皮を拡大してみる (写真12) と、どちらもセンターがファブリックでサイドが人工皮革だが、ファブリックの材質も何となくCクラスの方が質が高い感じで、更に人工皮革については大いに異なり、Aクラスでは如何にもフェイクというか昔のビニールレザーを思い出すようなモノなのに対して、Cクラスでは結構本革と見間違いそうになる出来の良いものが使われている (写真12)。

次にドアを開けて下を見ると視線に入るスカッフプレートはどちらも同じ質感のモノで大きな違いは無い (写真13)。しかしAクラスはこんなところに金を掛けているところを見ると、やはり想定ユーザーはブランド趣味の小金持ち夫人なのではないかと推測してしまう。確かにこれに乗ってテニススクールやスポーツクラブに行けば結構見栄を張れるだろう。

と書いてからもう一度写真を良く見たらば、Cクラスのプレートは分厚いのに対してAクラスのそれはペラペラだった。

写真11
Cクラスの方が内装材に金が掛っているが、この写真では判り難い。


写真12
シート表皮はどちらもファブリックと人工皮革だが、その質感は見るからにCクラスの方が高級感で勝っている。


写真13
スカッフプレートは一見すると似ているが、良く見れば厚みがマルで違う。

次にドアのインナートリムを比較するが、この部分は運転中に視界に入らない事から何処のメーカーでもコストダウンが必要な車種では大きく手抜きをするのが普通だが、さて両車は如何だろうか? 第一印象ではこの部分は大いに違い、CクラスにあるシルバーのトリムもパワーウィンドウのシルバーメッキもAクラスには無い。またアームレストはAクラスの樹脂一体仕上げからCクラスではレザーにステッチの入ったものとなるなど、やはりこの部分で大きな差を付けていた (写真14) 。

写真14
ドアトリムは両車の違いが一番判ることろで、素材の質がまるで違う。

ダッシュボードについては丸いエアアウトレットなどは同じ様なデザインだが、Aクラスは最新設計のモデルだけあってセンタークラスターからドライバー正面のメータークラスターまで一体となったディスプレイが目に付く。これはEクラス辺りから始まったので、それより少し早い時期に開発されたCクラスでは採用されていなかったものだ。

そこでセンタークラスターを比較すると上記のような理由からAクラスは横長のディスプレイをトップに置いている。その下のエアアウトレットは同一デザインだが、更にその下はAクラスではエアコンの操作パネルのみだが、Cクラスではその下に CD (&DVD) のスロットを持つナビやオーティオへの切り替えスイッチ、そしてアナログ時計などのパネルが付いている。なおCクラスよりも設計時点が新しくメーターもフル CG 化されているEクラスのこの部分は何とCクラスと共通化されている。という事はAクラスの場合のこの部分は、より新型というよりも廉価版としての簡易化が施されているということだろうか。

写真15
ダッシュボードについては流石に設計時点の新しいAクラスの方が多少先進的だ。


写真16
エアアウトレットは同一デザインだが、その下はAクラスではエアコンの操作パネルのみとなっている。

写真17
Cクラスではエアコン下にナビやオーティオへの切り替えスイッチ、そしてアナログ時計などのパネルが付いている。これはEクラスと共通だ。

コンソール上には両車ともに AT セレクターは無く、その場所には入力デバイスや各種のスイッチが配置されていて、機能的には両車共に同じようなモノだが、見た感じの質感はやはりCクラスが勝っているし、Aクラスの安っぽさも目立っている。

そしてそのセンターコンソールの後端にはどちらも丸いエアアウトレットが配置されていて、これについては車両全幅に起因する幅以外は似たようなモノだ。因みにEクラスではCクラスと殆ど同じものが付いているから、この部分はA〜Eクラスまであまり差を付けていないようだった。


写真18
入力デバイスや各種のスイッチは機能的には両車共に同じようなモノだが、質感は大分違う。


写真19
センターコンソールの後端の丸いエアアウトレットは車幅に起因する幅以外は似たようなモノだ。

ここまで比較したところでは、やはり価格差なりの質感の差はシッカリ存在していた。

では一番気になる走りはどうだろうか? 続きは後編にて。

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