Mercedes Benz A180 (2018/12) 前編 その1 |
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最近は街中でもボチボチ見かけるメルセデスベンツのボトムとなる A クラスだが、初代モデル (W168) が発売されたのは1997年で、この時は現在よりも一サイズ小さいBセグメントだった。このボディは電池を使用する電気自動車 (EV) もしくは燃料電池車 (FCV) 用として設計・開発されていた。当時のメルセデスの読みとしては早い時点でより高性能なバッテリーや燃料電池が開発されて、これをAクラスで使用する目論見だったが、これら電池の開発は思うように進まない為に、床下に電池搭載スペースを設けた構造は無駄となってしまった。 しかもこの構造から重心が高いと言う欠点があり、これが原因となりエルクテスト (高速レーンチェンジテスト) で転倒の危険が発覚してしまった。この為に販売開始早々にリコールされ、サスペンションとタイヤサイズを変更し、ブレーキ制御のプログラムを大幅に改良するなどで何とか乗り切ったが、メルセデスの絶対的な信頼性は大きく揺らぐ事になった。 2代目 (W169) は2004年に発売され、クラスこそBセグメントだがボディは多少拡大され、初代で問題となった転倒の危険性に対して本格的に対策をしていた。そして大きな特徴としてトランスミッションにはメルセデス初の CVT を採用していた。 実はこの2代目を友人が購入して、是非乗ってみろと言うので試乗した事があるが、終了後に友人いわく「なっ、酷いだろう」と言って、要するに如何にしょうもないクルマかを体験させたかったのだった。そしてその友人は購入後10カ月で手放していた。しかし友人は何故にAクラスを購入したかと言えば、ファーストカーのCクラスを購入した時の営業マンから大幅値引きするので是非ともセカンドカーに購入して欲しいと言う事で買ったみたらこんな結果だったという事だ。要するにヤ○セとしては売れ残りの処分に困って叩き売ったという事だったのだろう。 付け加えるなら初代〜2代目までのスタイルはミニ・ミニバン的な、お世辞にもカッコ良いとはいえず、とてもではないがメルセデスのクルマとは認められないような代物だった。 |
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まあそんな事もあって 2012年に3代目 (W178)が発売された時もAクラスと聞いただけで全く興味が湧かなかったが、実はこのモデルはクラスがCセグメントとワンサイズ大きくなっていたし、エクステリアも全く異なっていた。 そして最近はチョッと高級なスーパーの駐車場ではプチセレブのマダムらしき女性ドライバーが乗っているところを結構目にするし、そのスタイルも特にフロント側から見ると結構カッコも良い。という事で興味を持ち始めたところに FMC が実施された事で早速この試乗記で取り上げてみた。 本題に入る前に今回の新型に至るまでの歴代Aクラスのスペックを一覧表にしておく。こうして見ると成る程3代目 (W176) からサイズが大きくなっているのが判る。なお車両の名称は2代目からはどれも A180 だが、エンジンの出力は 116 → 122 → 136ps と着実にアップしている。しかしそれに連れて価格も徐々にアップしていて、初代の200万円代中頃というメルセデスとしては前代未聞の低価格も、今では BMW やボルボのライバル達と同等の 300万円代となっている。 |
ここからは何時ものとおりに内外装写真から始めるが、例によって既に日記でよりサイズの大きい写真を掲載しているので、こちらでは趣向を変えてみるのも何時も通りだ。 それではここでは何を比べるかと言えば、まずエクステリアについては新旧モデルの比較を行う。その前に新型のエクステリアをもう一度見て見ると、う〜ん、Cセグハッチとしては中々格好が良い。 |
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そして新旧比較として先ずは真正面 (写真4) から比較すると、新型は全幅 1,796 x 全高 1,423o で旧型は全幅 1,780 x 全高 1,435o と殆ど同じであり、それでもデザイン自体はヘッドライトやグリルなどが少し変更されている。とは言えこの差を見極める事が出来るのはAクラスオーナーくらいだろう。いやオーナーでも特にクルマが好きな訳でも無く、単にブランド商品として買う手のユーザーなら判らないかもしれない、という程度だ。 サイドビュー (写真5) でのサイズは新型が全長 4,419o x 全高 1,423o ホイールベース 2,729o 、旧型は全長4 ,300o x 全高 1,435o ホイールベース 2,700o と僅かながら新型が大きいが、一見しただけでは判らない。 リア (写真6) ではサイズはほぼ同じでもリアコンビネーションランプやバンパーが全く違うから、こちらは識別は容易だ。 |
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という事で、まあ大した違いは無いから、W176 ユーザーは慌てる事は無い。 ではインテリアはと言えば、続きはその2にて‥‥。 |