Porsche Macan (2017/5) 前編 その2 |
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それでは室内を見回すためにドアを開ける事にする。 この状態で一番目に付くのは勿論シートの形状と表皮であり、実際に両車を比べるとシートの形状は殆ど同じに見える。シート表皮は両車共サイドは人工皮革で、これは 911 やボクスターでも同様であり、このポルシェの人工皮革は一見すると本皮と区別がつかないくらいに出来が良い。そしてセンターはというとマカンがアルカンターラでカイエンは本皮という違いが有るが、これまたボクスターと 911 の関係と同じであり、これもポルシェのヒエラルキーとして下位モデルはアルカンターラという仕来りに従っていて、これはアルカンターラ=人工皮革=低グレードという考えだろう。勿論実際にはアルカンターラは決して安い素材で無い事は言うまでもない。 シートのポジション調整はマカンでも電動式を採用していて、まあ今時このクラスで手動式というのは殆ど無いが‥‥。なお写真ではカイエンのシートポジション調整スイッチにシートクッションの長さおよびランバーサポートの位置調整が付いているのが確認できるが、これはオプションのコンフォートメモリーパッケージ (29.2万円) が装着されていたためで、標準ではマカンと同じタイプとなる。またマカンでも同様のオプション設定があるが価格は何故か26.8万円とカイエンより少し安い。 ドアを開けると見える部分としてはもう一つ、ドア枠の底面、すなわちサイドスカットルにあるプレードで一般にスカッフプレート等と呼ばれているものだが、ここに高級車ならクロームメッキなどで加飾された車名のロゴが誇らしげに付いている。そこでマカンはと言えば成る程 ”Macan" のロゴが見えるが、このプレートがメッキなどの加飾処理の無いプラスチックの素材色という質素なものだった。なおマカンでも "S" と ”Turobo" も調べてみたらば、クロームメッキが施されていたし、当然ながら ”Cayenne S" も同様だが、さて素の ”Cayenne" はというと‥‥残念ながら手持ち写真では見つからなくて判らなかった。 |
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写真11 |
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今度は何時ものようにドアのインナートリムを比較すると、これはやはり上級モデルであるカイエンの方がデザインとしても凝っているし 911 との共通点も感じられる。しかし 718 ボクスターではドアトリムを殆ど 911 と共通化している事を考えると、SUV では逆にしっかりと差を付けているという思想の違いを感じ取れるが、若しかするとそれ程の意味は無くて単に開発時期の違いだった、ということも有るかもしれない。 なお写真ではカイエンのドアノブの隣にシートポジションメモリーのスイッチが見えるが、マカンでも同様のオプションを付けた場合にはやはりドアノブ付近にこの手のスイッチが追加される。今度はアームレスト付近を拡大してみると、その質感の違いがよく判るだろう。えっ? マカンだって上級のインテリアを選べば似たようなものじゃねぇの、という意見も有るかもしれないが、それは無いっ! |
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フロントダッシュボードの全景を比べると基本的には同じコンセプトだが、911 とボクスター程の共通感は無い。 なお見方によっては両 SUV 共 911 やボクスターなどポルシェのスポーツカーとも共通点は多いが、流石に目いっぱい背の低い 911 と、乗用車と比べれば圧倒的に背の高い SUV だから高さ方向のデザインが異なるのは当然だ。 なおポルシェのナビゲーションシステムは以前から評判の悪かったクラリオンの市販品のポン付けから最近ようやく専用品となったが、写真17のカイエンは以前のものが付いている。その新しいマカンのナビを最新の 718 ボクスターと比べると‥‥同じモノだった。実は最初は少し違うように感じたのだが、何の事はないマカンでは取り付けパネルを少し広げて一見すると違うように見せているだけだった。 |
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写真17 |
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ここまでのところでは、見た目ではやはりカイエンの方が高級に見えるのは価格の違いから当然だが、それでもマカンだって決して安っぽい訳ではない。まあ価格を考えればマカンのベースグレードでも世間一般からすれば充分に高価ではある。 それで、本命の走行性能については後編にて。 |