BMW 118i (2017/9) 前編 |
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9月5日の日記から4回に渡って連載した Subaru Impreza vs BMW 2 er Active Turer での結論はインプレッサ 2.0i との価格差が75万円まで迫っている 118i が一番の買い得、という思いもしない結論になってしまった。その 118i の現行モデルは 2011年に発売された F20 だが、実際には2015年に MC された後期モデルとなっている。なにを隠そう、この後期モデルについては未だこのサイトでは取り上げていなかった。という事で遅ればせながら今回、1シリーズのラインナップでもボトムとなる 118i を取り上げる事にしたた。 118i のエンジンは3気筒 1.5L ターボという、これまた BWM の中でもボトムとなるもので、少し昔ならシルキーシックスが代名詞だった BMW が事もあろうに3気筒とは!なんて嘆きたい気持ちもあるが、これも時代の変遷ということで前向きに考えてみよう。このエンジンは 118i 以外に 318i にも全く同じモノが搭載されている。更には 218i アクティブツアラーもエンジン自体は同じだが型式の中央桁が 118i の "B" に対して "A" となっているのは駆動方式が FWD でエンジンの搭載が横置きであるために補機類等に違いがあるからで、更にトランスミッションは RWD の 8AT に対して 6AT という相違点がある。 ということで先ずはこれら3車種を比較するがこれにもう一つ、118i に相当する前期モデルである 116i についても比較してあるが、旧型エンジンとはいえ排気量が僅かに大きい事もあり、出力およびトルクは殆ど変わっていないが、何故か "118" ではなく"116" だった。その前期型エンジンの違いによる相違点はといえば燃費性能であり、後期 118i では 10%程向上している。しかし車両重量は後期型の方が 30kg 重く、これってエンジンがより重いということだろうか? また下表には入れていないが、2シリーズではアクティブツアラーの他にグランツアラーも同じエンジンを使用している。 なお下表での比較車の試乗記は |
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今回の試乗車は 118i M Sport で価格は377万円とスタンダード (118i) よりも67万円も高い。本来ならば最近値上がりの顕著な国産車に近い310万円のスタンダードを選びたかったが、残念ながら試乗車どころか展示車も見つからなかった。因みにディーラーによるとこのグレードは殆ど売れないそうだ。まあこの辺が BMW を買おうというユーザーの傾向なのか、どうせ買うなら内装の良いモデルが欲しいという事なのだろう。考えてみれば 67万円差といっても10年乗るなら年に6.7万円であり、月に約 6千円だから、チョッとしたスマホより安いくらいだ、という考えも出来る。ところがここでもう一つ悩ましい問題がある。というのは3シリーズのエントリーグレードは 318i (スタンダード、446万円) ではなくて、318i SE (409万円) で、これは 118i M Sport との価格差が32万円しかない。装備はショボいと言ってもボディはれっきとした3シリーズだから、やはり1シリーズよりも上位モデルの良さはあるだろう。まあ、この価格体系こそ BMW の戦略なのだが‥‥。 なお、例によって既に日記にてより大きな写真で各部を紹介しているので、そちらも参照願いたい。 ということで、こちらでは日記とは別の視点、すなわち MC 前の前期モデルとの比較をメインとする。ところが前期の 116i M Sport の丁度良い写真が無かった為に、それと殆ど同じ M135i を使用する。そのためにホイールが異なっている事は考慮する必要がある。 |
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BMW の MC は一見すると前/後期の区別が付かない程僅かな場合が多いが、この1シリーズ (F20) の場合は判り易い。先ずフロントはヘッドライトの形状が明らかに変わっている。前期型は三角形の独特な形状をしていて、これは他のシリーズとは全く異なるものだった。言い換えれば一目で1シリーズと判ってしまうものだったし、このスタイル自体も個人的には好きになれなかった。それでも先代 (E87) と比べれば安っぽさは随分と解消された F20 だったから、あのヘッドライトさえもう少し何とかなれば‥‥と思っていが、これが後期型では見事に解決された事になる。また、お馴染みのキドニーグリルとそれに繋がるボンネットフードもよくよく見ると微妙に変更されている。 前期型はフロントのみならず、リアでは小さくて如何にも安モノっぽいリアコンビネーションランプが気になっていたが、これもトランクリッドにまで及ぶ他のシリーズと共通のデザインに変更された事で、これまた前期型の安っぽい雰囲気が一掃された。このように一目で違いが判るフロント/リアビューと比べるとサイドビューは殆ど違いが判らない。ただし写真では初期型が M135i のためにホイールが異なっているが、M Sport では後期型と同じホイールが使われている。 |
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ドアを開けて見える室内は前期モデルとの差が判らない程で、要するに変更は無いという事だ。試乗車は M Sport のためにお馴染みのアルカンターラと専用ファブリックのコンビシートが実に良い雰囲気を出しているが、レザーシートを好むユーザーには M Sport ではオプションでダコタレザーが選択できる。なおグレード (デザインライン) が Style の場合はレザー/クロスのコンビのみでダコタレザーはオプションにも無さそうだ。BMW のデザインラインといえばレザーシートをメインにして高級装備を施した Luxry が思い浮かぶが、1シリーズには設定が無かった。ところで参考のために3シリーズ M Sport の内装をみたらば、その雰囲気は1シリーズに限りなく似ていた。 次にドアのインナートリムについては‥‥いやこれも全く変わり無し。もうこれ以上コメントのしようが無い。まあ、BMW の M Sport の内装はそれだけ完成されているから MC で変更する余地も無い、という解釈も出来る。 |
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フロントダッシュボードはセンタークラスターの最上部から更に突き出たディスプレイや極力上方に纏めたエアコンやオーディオの操作ユニットなど最近の BMW の標準的なものだ。そしてこれも見事に前期型から変わっていない。それでここでも3シリーズと比較して見ると、助手席側のグローブボックス上部のインテリアトリムが丁度逆転している以外は、雰囲気としては実に共通点が多い。まあ、これは BMW としての統一感という事で、流石というか芸が無いというか‥‥。 ここまで前期との変更点が殆ど無いという事はコンソールについても全く同じだろうと思うだろうが、強いて言えば iDrive のコマンドダイヤルの直径が大きくなって、その上面がタッチスイッチの役目をするように変更されている。これは1シリーズに限らず全ての BMW 車で順次変更されたものだ。 |
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結局ここまでのところではエクステリア、特にフロントヘッドランプとリアコンビネーションランプの形状が明らかに変更された以外は大きな変更は無く、インテリアに至っては殆どそのままという結果だった。そうなると最大の違いは3気筒化されたエンジンという事になる。 そのエンジンを含めた走行性能については後編にて。 |