Mazda Roadstar AT & MT (2015/8) 前編 (1/2) |
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Mazda Roadster がフルモデルチェンジを実施したのが今年の4月だから、既に4ヶ月以上が経過してしまった。本来はもっと早く取り上げる積もりだったが、まあ色々事情もあって遅ればせながら今回試乗を実施したが、どうせならと MT および AT の双方に試乗してみた。 ところで、今日本でオープンスポーツカーを買おうとした時に Mazda Roadster 以外に何があるかと考えれみれば、同価格帯どころか輸入車を含めた同クラスでさえ見当たらない。以前は Fiat Barchetta が販売されていたが10年以上前に生産中止となっている。そこで思い浮かぶのは昨年発売の Daihatsu Copen と今年になってから発売された Honda S660 だが、これらは軽自動車規格のために悲しいかなエンジンは 64ps の自主規制に縛られてスポーツカーらしい動力性能は望めないことから Mazda Roadster との比較相手とはならない。 次に思い浮かんだのは Fairlady Z Roadster だが、何とこのクルマは昨年いっぱいで受注が終了していた。米国向けは継続生産されているようだが、日本向けが中止となったのは恐らく販売台数が極端に少ないのだろう。まあフェアレディZを買うならばクーペでしょう。そうなると価格の違いには目を瞑って BMW Z4 と Porsche Boxster となるが、確かに2シーターオープンのいわゆるロードスタータイプには違いないが、下の表を見ても判るように価格はもとよりサイズはパワーでも別物というのが実情となる。 しかしこれは言い換えれば Mazda Roadster が極めて貴重なクルマであり、2シーターオープンスポーツが欲しいとなった時にもしも Mazda Roadster が無ければ、500万円を軽く超える Z4 や実際に実用にするために必要なオプションを追加すれば事実上は 700万円となる Boxster を買うことになる訳で、性能やクラスはともかくも、実質 300万円でまともな2シーターオープンが買えるのは実に有り難いことだ。 |
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ここで新旧 Roadster と前出の輸入車2車を加えた主要諸元を一覧表にまとめておく。 ![]() 先代 Roadster と比べると今回の新型はより小さく軽く、そしてエンジンは 2.0L → 1.5L と小排気量になり、しかも自然吸気 (NA) のままでターボ化されていない。モデルチェンジの度に大型化や大排気化、もしくはターボによる高性能化が多い中で、 Roadster はコンパクトスポーツカーの基本に戻ったことは実に喜ばしいことだ。 次に Z4 と Boxster については Rosdster よりサイズ的に一回り大きく、乗用車でいえばCセグメントとDセグメントの違いということろだ。動力性能については Z4 が sDrive 20i でしかも車両重量が Roadster の5割増しということでパワーウェイト (P/W) レシオは Roadster よりも劣る結果となっている。Boxter についてはベースモデルでも P/Wレシオ は 5.0 s/ps に近いなど性能的には圧倒している。尤も Z4 でも sDrive 35i なら充分な性能を持っているが、それを言ったら Boxster は GTS を選べば P/W レシオは 4.2 s/ps という一昔前のスーパーカー並となる。 新型 Rosdster のグレード構成はベースとなる "S" (249.5万円) は 6MT のみの設定で、これは競技用のベースなどの用途だろう。中間グレードの "Special package" は270 (MT) / 280.8 (AT) 万円で、主にセンターディスプレイとコマンダーコントロールが追加される事実上のベースグレードで、上級モデルの "Leather Package" はその名の通りレザーシートを装備していて価格は303.5 (MT) / 314.3万円 (AT) となる。今回の試乗車では黒いボディが "Special package" (AT) で白いボディは "Leather Package" (AT) となっているが、エクステリアでは殆ど違いはない。 それではエクステリアから眺めてみる。一見すればキープコンセプトだが、前述のようにサイズ的には微妙に小さくなっていて、しかし全幅とトレッドは多少拡大されているから走りを考えればより良い方向だし、見た目にはよりスポーツカーらしい安定感を感じる。リアビューについては先代までは何となく安っぽく感じたものだが、新型は幌を上げた時などは Boxstger にも通じるソフトトップスポーツカー独特の格好良さを感じる点では歴代 No1 だ (写真5) 。 フロントグリルは最近のマツダらしいものだが、他のマツダ車に比べて意外に大人しく、もう少しアグレッシブにしても良いようにも思う。サイドビューをみるとフロントエンジンの2シータースポーツらしく長いボンネットと車両中央より後方に着座位置があるのが判るが、BMW Z4 のような極端に長いボンネットを持つ典型的 RWD スポーツカールックに比べれば幾分長さが足りないようにも見える。それでも普通車だけあってコペンのような寸詰まりでみっともないという事はない。 結局新型ロードスターのエクステリアは旧型に比べて明らかに安っぽさが消えたが、それでも大きさ的に無理がある部分もあり、コンパクトと見かけの良さのギリギリの妥協点という気がする。 |
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よく見ればウエストラインが多少高めということに気付くし、フロントオーバーハングも意外に短い。 |
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以降は後編 (2/2) に続く。 |