今回の試乗とともに試聴、いやDVDだから視聴か、なにやら混乱しそうだが、とにかく評価に使用したソースを紹介しておく。先ずは若ぶって最近の若者に人気のあるポップス系が多く入っている物はと思い選んだのが、"Bank Band Witi Graat Artists"という、毎年夏につま恋で行われる野外コンサートのライブDVDで、ラップもあれば新進アーティスト、はたまたオジサンでも知っている小田和正や桑田佳祐など実に幅が広い出演者だから、息子や娘と一緒に見ても充分にOKだし、親子の会話のきっかけになるかもしれない。
そしてもうひとつはS.E.N.SのライブDVDを使ってみた。このグループはNHKの海のシルクロードやその他数多く番組の挿入曲を手がけていて、ライブでもグランドピアノとシンセサイザー、ヴァイオリンとドラムという構成だから生楽器と電子楽器の両方の鳴り具合が判るという点で選んでみた。この2つのライブの特徴はap bankの観客が平均20歳くらいと思えるのに対して、S.E.N.Sは50歳は超えているように見えるから、その面では全く正反対となっている。
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ひと通り聴いてみたが、最初の第一印象は低音が少し出過ぎという感じで、これはカーオーディオ以外でもBOSEのシステムでは一般的に言える傾向だが、それにしてもチョッとボコボコいう傾向で、これじゃあイカれたアンちゃんの車みたいだ。そして高音はといえば意外に伸びが無い感じで、その割には少しキンキンしているようだ。そこで、ディスプレイをいじりながら調整画面を出して見たらば、何やら低音と高音を上げてあり、特に低音が大きくプラスとなっていた(写真29)。こういう特性を昔からドンシャリ音といって、素人を騙すのに良く使われているものだが、これをフラットにしたら随分まともな音になった。全く、一体誰が弄ったんだろうか。
音質調整を直してからはナビ一体型としては結構良い音になってきたが、例えばBMW5シリーズの標準オーディオと比べた場合、どうしても高音の伸びというか抜けというか、一歩譲るようだ。ただし、5シリーズは多少高音がキンキンする傾向がある。高音を伸ばすとキンキンするというのは、本当は特性がイマイチなのであり、特性の良いシステムで本当に高音が伸びていれば、決して耳に付くことはない。とか何とか言ってみたが所詮はカーオーディオであり、多くを期待するのが間違っている訳だが、結局このBOSEサラウンドシステムに25万円を投資する価値があるかといえば、中々微妙なところであり、個人的にはポルシェのサウンドで最も魅力のあるのはエンジンのメカ音と排気音だから、ボーズよりもスポーツマフラーでも付けたほうが良いような気もする。ただし、4WDのカレラ4を選ぶユーザーならばBOSEを聞きながらクルージング、というのも有りだろう。
ところで、DVDを最初に掛けた時にディスプレイに画層が写っていたが、これは走りだすと消えるのだろう、と思って気にしなかったが、走りだしてみるとヤッパリ映っている。そうか、DVDは走行中でも映るのか、とか思ったのだが、後程テレビを試したみたらばやはり走行中でも映っていた。なんと、国産車の純正装着品のように走行中は映らないという事がなく、というか、この点でも市販品そのままだということだ。勿論スイッチで消せるし、911を買うくらいのユーザーならば、テレビを見ながら運転して事故を起こす、なんていう低レベルなことなあり得ないから、問題ないのかもしれない。
そして最後に、その25万円のBOSEシステムのスピーカー構成だが、カタログの中を必死で探したがスピーカーの数すら書いていなかった。そこで、目で確認したらば、先ずはドアには標準オーディオに比べてはるかに大きなスピーカーエリアがあり、恐らく低音と中音の2スピーカー(もしかすると3個)構成となっているようだ(写真28)。そして、インパネ天部の両端には小さいスピーカーがあり、これは恐らく高音用(ツイータ)だろうか(写真30)。そして後席に目をやると左右の壁面に付いているのが判る(写真31)。
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