LEXUS IS250 F Sport (& Version F)  (2010/12) 前編


10月のある日、ふと立ち寄ったレクサスディーラーの駐車場にクルマを置いて横を見ると、大径のガンメタホイールが眩しいIS−Fらしき車があった。街中では滅多に見ないIS−Fのオーナーが来ているとは、流石はレクサスディーラーだと感心したのだが、ショールームの中にも同じようなクルマが展示してある。 あれっ?そして、よくよく見れば、これは今年の8月にMCされた際にISに新たに設定されたFスポーツというグレードだった。Fスポーツって、何やらBMWのMスポーツのような響きではないか、と思ったアナタは流石にビーエム ・ファンだけのことはある。 そう、3シリーズのフラッグシップモデルであるM3の雰囲気を320iなどの普通の3シリーズで味わえる人気のグレード、Mスポーツの商品戦略に対して、IS−Fの雰囲気を持った”普通のIS”がFスポーツだった。 IS−Fといえば、2.5〜3.5リッターのボディに5リッターV8を乗せたハイパフォーマンスモデルで、前出のBMW M3やメルセデスC63AMGなどと同じコンセプトのモデルだから、これらと同じ”なんちゃって○○”がFスポーツということになる。

さて、そのFスポーツだが、IS−Fを髣髴させる外観と共に、サスペンションなどもコンフォートモデルのISに比べて強化されている。そして、実は1年前の年改で追加された”バージョンF”が外観の一部を除いた基本的なスポーツチューニングがFスポーツと 同等だった。 このモデルが今回、エクステリアをよりIS−F的に装って新しいグレード名での販売と相成った。レクサスを決して好きではないB_Otaku が珍しく気に入ったFスポーツだが、何故か何処のディーラーにも試乗車は無い。それどころか展示車さえも貴重なくらいで、一体本気でFスポーツを売る気があるのか 、と疑いたくなってしまう。 そこで今回はIS−Fとの写真比較としてはFスポーツを、そして試乗については前年モデルのバージョンF(ページのトップ写真)を使用した。予告では試乗車もFパッケージのような表現になっているが、外観以外は事実上同じということで、このようになった。そのバージョンFの試乗車すら極めて貴重で、これまた殆どのディーラーに置い ていないのだから、全く呆れてしまう。 なお、今回の比較写真に使ったIS−Fは今年8月のMC以前のモデルのために、今後発売されるものとは微妙に異なるところがある点を了承いただきたい。

それでは早速IS−FとIS250 Fスポーツの各部の比較を行ってみよう。なお、FスポーツはIS350にも設定されていて、内外装の基本は同一のようだ。まずはフロントエクステリアから比べると、一見ソクッリとはいえバンパーのエアーインテイクは全く別物だ。この手法はBMWのMスポーツなどでも同様で、見る人が見れば識別できるようになっている。 そして、よ〜く見るとボンネットのラインも多少違う。IS−Fは先代マークXのようにデコッパチというがおでこが出っ張っている (写真3)。これは恐らく巨大なV8エンジンを収納するための対策だろう。それでも一見両車がそっくりに見えるのは、ガンメタの大径ホイールの存在が大きいようだ。そして、ある面ではエクテリア上の最大の相違点は、IS−Fはフロントフェンダー後部にサイドエアアウトレットを持つ事だ(写真4)。 このタイプのアウトレットは、インプレッサSTIやランサーエボリューション]などでも使用されているから、セダンベースのスペシャルスポーツバージョンとしては今や定番になっている。
なお、サイドフェンダーにはどちらも”F”をモチーフにしたエンブレムが付いているが、これも良く見ると少し違う(写真6)。そして、後方から見た最大の相違は、IS−Fには特徴的な上下2本の排気管が左右から出ていて合計では4本出しとなることで、F SPORTは左右各1本出しなので直ぐに識別できる(写真5)。
 


写真1
一見そっくりの両車だが、こうして並べてみると実はエアインレット形状が違うのが判る。
 


写真2
ガンメタに塗装された大径jホイールが両車に共通のイメージを与えている。
 


写真3
IS-Fのボンネットは大きなV8を入れるためにより水平でデコッパチなラインとなっている。
 

 


写真4
IS-Fのサイドエアアウトレットは大きな特徴となっている。
 

 


写真5
特徴的な上下2本出しの楕円排気管を左右に持つ合計4本出しがIS-Fの大きな特徴となっている。
 

 


写真6
フェンダーサイドの”F”のエンブレムも比べてみると少し違う。
 

 


写真7
トランクリッド上の小さいスポイラーは同一部品で、後部からみると排気管以外はそっくりな両車。
 

ドアを開けた瞬間の室内の印象というのは、内装色およびシートの表皮と形状によることろが大きいが、IS−Fのシートはセミアニリン表皮の専用スポーツシートを装着し ている。そしてF SPORTはといえば、何とIS−Fと同じシートが装着されていた。写真ではIS−Fのシートとは革の継ぎ目が微妙に異なるが、8月のMC後はF SPORTのタイプに 統一されたようだ。要するにインテリアに関するF SPORTの最大の売りは、IS−Fと同じシートを採用しているということだ。なお、IS−Fはフロントシート側面にFマークのワッペンが縫い付 けられていたが、だからドウシタという程度のモノだ(写真9-1)。

ドアのインナートリムも両車は殆ど共通で、アームレスト先端のパワーウィンドースイッチパネルの材質が異なるくらいだ。このパネルはIS−Fがアルミ風にメッキされた表面がボツボツとしたスターリングファイバーという例のパチンコ屋の壁材みたいたのが付いている(写真10-1)。 これに対してFスポーツはブルーメタリックの塗装パネルとなる(写真10-2)。ところで、ISのドアインナートリムは、全面が樹脂製で、最近のこのクラス では部分的にフェイクレザーとはいえ、ステッチまで入ったソフトパッドなどを使っているのに対して、ISは設計の古さが目立って しまう。これは次期モデルに期待するしかないようだ。
 

写真 8-1
セミアニリンレザーのスポーツシートをメインとしたIS-Fの室内はスポーティーで高級感がある。まあ、800万円に迫る価格だから当然でもあるが。
写真はMC前のモデルのため、シートのレザーの繋ぎ位置がFスポーツと微妙に違うが、MC後は変更されている。

写真 8-2
IS-Fとほぼ同一のシートを装着しているFスポーツのインテリア。450万円で800万円と同等な室内!


写真9-1
ブルーのステッチとFをモチーフとしたワッペンが特徴のIS−Fのセミアニリン本皮シート。写真では見辛いが座面には細かい通気穴が開いている。
 

 


写真9-2
殆どIS−Fと同じFスポーツのシート表皮。勿論シート形状も同じ。

 


写真10-1
IS-Fのスターリングファイバーというパネルは、はっきり言って下品だ。

 


写真10-2
パネルの材質以外は殆ど同じFスポーツのパワーウィンドウスイッチ類。

 

ダッシュボードの眺めも両車は殆ど変わらないから、Fスポーツを購入したユーザーは見た目ではIS−Fの気分を充分に堪能できる。エアコンやオーディオのコントロールパネルも標準装備のナビが組み込まれたディスプレイ周りも全く同じ。なお、写真では中央上部のエアコン噴出し口の配置が多少 異なるが、これはMCの前後での違いで、今後のモデルなら同一となる。

シートに座ってみると左右のサポートもシッカリしているし、固めの座面ながら体全体にも良くフィットして、国産車のシートとしては最良の一つと言える。欲を言えば、レザー表皮の座面は多少滑りやすくグリップがイマイチだが、これはポルシェカレラとて同じだから充分に許せる範囲だが、出来ればオプションでアルカンターラ表皮の座面が選択できれば有難い。 ステアリングホイールも殆ど同じで、写真ではIS−Fのスポークにあるスイッチ部分のベースがシルバーになっているが、これもMCによって現行車はFスポーツと同様になっている。
 


写真11-1
基本的にISそのモノのIS-Fのフロントダッシュボードの眺め。
 


写真11-2
ステアリングホイールが多少色違いなのはMC後の為。


写真12
ナビのディスプレイとスイッチ類は両車待った同一となっている。

 


写真13
オーディオおよびエアコンの操作パネルも両車で全く同一品を使っている。
 

 

室内も充分に見回したので、いよいよ走り出すことにするが、この先は後編にて。  

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