NISSAN SKYLINE 250GT vs BMW 320i 特別編  ⇒試乗記へ戻る
特別企画「BMWとスカイラインのボディの違い

特別編へようこそ。何度も警告しているように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

試乗記の後編で乗り味について触れたが、スカイライン自体悪いクルマではないが、やはり剛性感という面では3シリーズには敵わない。と、いうよりも、これがBMWと国産車の大きな違いでもある。剛性ではなく剛性感と”感”を付けているのは、本当の剛性がどの位違うかのデーターが無いからだ。まあ、感じ方だから個人的な感性も含まれる訳で、国産と何処が違うのか全く判らないという人もいる。

そんな事を踏まえて、このコーナーでは両車の構造上の違い、それもバラしたり、リフトアップしたりという事をせずに確認できる部位ということで、@ リアのサイドメンバー、 A トランク開口部、 B エンジンルームのストラットタワー付近について、写真で比較してみよう。
 

@ リアのサイドメンバー



機械工学に明るい人なら一目で断面係数の違いが理解できるだろう。 いや、文科系の人だって、3シリーズのゴッツいフレームが見て取れると思う。なお、強度に関係のない部分は、見易さを考えて写真を暗く処理してある。

A  トランク開口部



スカイラインはリアクオーターパネルへの立ち上がりが浅く、工数の掛からない一発プレスに留めている。
対して、3シリーズは複雑な接合面と高度な溶接技術により、スカイラインの2倍以上の高さを稼ぎ、これまた大幅に断面係数を上げている。
  

B エンジンルームのストラットタワー付近



スカイラインのストラット取り付け面は平らで面積が広いが、これもプレス加工の工数削減が第一目標のようだ。しかも、バルクヘッドに平気で配線の穴なんかを開けて強度を落としている。
3シリーズはストラット取り付けに必要な最小限の平面を残し、プレス加工で深く絞っている。金型に金はかかるし、加工工数も増えるし、更には加工技術も設備も全てに金が掛かりそうだが、剛性命なのだろう。オマケに左右を繋ぐタワーバーまで付いている。
 

以上、簡単に確認できる3箇所について比較したが、それだけでも違いは歴然としている。これが、走行中の剛性感に繋がるということには、異論はないだろう。それでも、スカイラインなんて良いほうで、最近の簡易試乗記でボロクソの評価となったウィッシュなんて、同じ土俵で比べたらば、目を覆うことになると思う。
えっ、一つ比べてみろって? それじゃあ、 ここをクリックしてみてください。判断はお任せいたします。

しかし、ここで疑問に思うのは米国で3シリーズはインフィニティG(スカイライン)より少し高い程度で販売されているという事実だ。上で比べただけでも製造コストの違いは歴然としている。実は、これはあくまでも噂だが、さる日本の大手自動車メーカーが10年ほど前に当時話題の3シリーズ(E46)を購入して完全にバラして、もしも自社で同じものを作ったら幾らで販売できるかという事を検討したらしい。そして出た結果は4気筒、2ℓの318i(当時の名称)でも500万円で販売するとこは不可能だとう結論に達したとか。あっ、いや、噂ですから、真偽の程は責任を負えませんが・・・・・。

ネットでは各種の掲示板や個人のブログなどで、今やBMWなんて国産車と変わる処なんてないどころが、国産車の方が信頼性などでは上だという意見。なるほど、今回の比較では、少なくともオーディオとエアコン(それも年に30日あるか無いかの猛暑)では、確かにスカイラインが勝っていたが。しかし、自動車メーカーの、それも開発部門の社員で、自宅にBMWを隠し持っている多くの実例を知っている。更には、独立系の大手部品メーカーに至っては、開発拠点の社員駐車場にはBMW(1も3も5も)がずらり並び、何台かのメルセデス(CもEも)と複数のポルシェボクスターとケイマンすら見かけるという。本職の彼等が何故に高い金を出してまで、表向きのスペック上では国産以下のクルマを買うのか?
そういえば、掲示板などにはバイトとして雇われた工作員と言われる連中が、必死で国産車に有利な書き込みをしているという噂をよく聞くが、真偽の程は定かではないが、事実であってもおかしくはない。

日本人としては何とも情けないことだが、これが実態だということだろう。
と、まあ、暗い気持ちで、今回はこれにて御免!