マツダ アクセラ 2.0 (2004/06/12) | ||
試乗車一覧
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試乗車はスポーツ(5ドアハッチバック)の23Sとセダン20Cが用意されていたが、売れ筋の20Cに乗りたかったのでセダンにした。本体(消費税別)価格は175万円。同じプラットフォームを使用している、2週間前に乗ったボルボS40 2.4i(370万円)との違いや如何に? 乗り込んでシートに座ると、国産車としては出来の良いシート形状と、密度の高そうなウレタンの弾力に、欧州で勝負するクルマである事を認識する。ペダル配置は中央に寄っており、アクセルとブレーキの段差がある点ではボルボと同じだが、こちらはフットレスが無いので更に足元が不安だ。
内装は、ハッキリ言ってチャチだ。ダッシュパネルやドアの内張りなど、如何にもプラスチック丸出しで質感が低い。この点ではボルボとはエライ違いだが、値段を考えれば結構頑張ったとも言える。それに、ランエボだって内装のチャチさじゃ似たような物だし。 走り出すと、マツダの2ℓ・4気筒エンジンは結構スムースでボルボの5気筒よりも滑らかだ。トルクも充分であり、普通に走るには何の不満もない。前が空いたところでキックダウンをしてみると、5000回転程度まではストレスなく、また特に不快な振動なども無く吹け上がったから、充分合格だ。この加速なら、普通の状況で困ることは無いだろう。しかし、特にパワフルでもないから、走りが好きな人は2.3ℓが良いだろうし、これより0.5ℓ小さい1.5ℓでは、チョット力不足かもしれない。 ステアリングは中心付近の反応も良く、この点ではボルボよりクイックに感じる。FF独特の真っ直ぐ走ろうとする感触も気のせいかボルボより少なく感じるが、人によってはボルボのほうが安定していると思うかもしれない。個人的にはアクセラを好むが・・・。途中、舗装の継ぎはぎだらけの道を通ったが、ステアリングを取られるようなこともなく、それでいて、サスはデコボコを上手く吸収し、結構乗り心地は良い。この乗り心地はボルボより上だが、ボルボはマッサラの新車だったので、この点の考慮は必要だろう。少なくとも370万のボルボと同等以上だったことは事実だ。同じような道をカローラで走ったら、道路の継ぎ目で右に左にステアリングを取られて、剛性が低く不正確な操舵特性も加えて、大幅に減速を余儀なくされる筈だ。 ブレーキは欧州車の標準的なフィーリングで、これもまた国産の175万クラスのクルマとしては郡を抜いている。路面の継ぎ目の吸収と良い、ブレーキフィーリングと良い、このクルマの剛性は、これまた欧州車の水準をクリアしているようだ。 アベンシスが少し昔の欧州車感覚なら、こちらは最新の欧州車と言う所か。 さて、このアクセラは、内装のチャチなのと、マツダというブランドのネガティブな点さえ気にならなければ、実に買い得なクルマで、現に欧州ではVWゴルフやプジョー307などと対等に勝負していると言う話も納得できる。内装とブランドが気になる向きにはボルボをと言うことかもしれないが、それにしては高すぎる。175万とは言わずに、あと50万程度高くて、内装も程ほど、しかもマツダ以外のブランドでのOEM供給なんかだったら売れないかな〜。 とに角、最近のマツダの躍進はスゴイ。このアクセラも走行性能では同価格帯の国産車の中でダントツだろう。しつこいようだけど、イザ買うとなるとマツダ地獄の言葉が脳裏を過るのは、アクセラに取って実に不幸だ。アクセラが売れずに、ボルボが結構売れたら、ブランドというものを此れほど端的に表す事実は無いだろう。 |