525i(E60) (2003/11/17)
 

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試乗車一覧




ディーラへ行って、525iの試乗車が有るそうなので来たと言うと、直ぐにキーを渡されて、あのクルマです、行ってらっしゃいとの事。渡されたキーで車に乗りこむ。試乗車は内装から見てハイラインパッケージのようなので、基本的な内装は2週間程前に乗った530iとほぼ同一。

キーを挿して、捻るが、ポーンという警告らしき音がするだけで、エンジンは掛からない。もしかしたらと思い、ブレーキを踏みながら、もう一度捻ると、多少のタイムラグ(なにやら、電子装置がセキュリティチェックをするような)の後に無事にエンジンは目覚めた。あとで、カタログ見たら、ブレーキを踏んで、一度キーを捻ったら直ぐに戻すと、自動的に掛かるらしい。要は7シリーズのスタートボタンではあまりにも判りづらいので、その代わりにキーにしただけで、そんならボタンでも良かった気がする。

積算計の数値は250km!これはマッサラの新車だ。本当は、数千キロ程度走ったほうが良いのだけど、まあ贅沢は言えない。

セレクタをDに入れて走り出す。前回の530が有り余るトルク感で、低速からグイグイと加速したのに比べると、大人しいが、クルマの流れに乗るには充分のトルクがある。以前乗った、525iツーリングに比べれば、遥かにトルク感がある。ツーリングはセダンと比べて100kg増し、おまけにE39はE60より70kg重いから、逆に言えば今回の試乗車は170kg軽い事になる。巡航中に回転計を見ると1500rpmあたりを指している。普通3シリーズは2000rpm程度で巡航するので、それだけでも、急に踏みこんだ際のレスポンスはトロくなるのは当然だ。そこで、セレクターをSにすると、回転は2000rpm程度となり、何時も乗っている320のDレンジと同じ回転数となった。この状態なら、スロットルをチョット踏 むだけで、鋭いレスポンスが得られ、動力性能は320iと同等と感じた。すなわち、メチャ速くはないが、決して遅くはないレベルだ。現行のBMWエンジンはアクセルバイワイヤのため、ユーザーの走り方によって、その特性が変わるので、この525も、結構踏み込むユーザーが1ヶ月も乗れば、かなりレスポンスの良いクルマになるだろう。(逆にオバチャンが買い物に使った場合は、クラウンなみのトロさになる)

前回の530は、225/50R17ランフラットタイヤ(530の標準)が装着されていたが、今回は525iの標準タイヤである225/55R16で、このサイズのみランフラットではない。走り初めて気がつくのは、ランフラットが常にヒューという高周波音が聞こえたのに対して、今回はそれがない分、かなり静かに聞こえる。それに、気のせいかATのシフトアップ時の独特の音が、かなり小さい。音に対しては、530iより明らかに静かで乗り心地も良い。高級オーナーカーとして使うには、むしろこちらの方が良いかもしれない。

アクティブステアリングによる操舵感は530iと基本的には同じだが、タイヤがマイルドな分だけ、クイック感は多少劣るが、気にしなければ判らない程度で、一般のクルマに比べれば、異常に軽く、クイックだ。このクルマを買うユーザーが運転好きで、若い頃は峠を攻めたなんていう人ばかりでは無い筈で、クラウンから乗りかえるオヤジユーザーなんかに、この特性は危険は無いのか疑問になる。それとも、クラウンオヤジは試乗した瞬間に拒否するというか、車が最初からこれらのユーザーを想定していない(無視している)のか?

結論から言って、心配していた動力性能は525iで充分だった。アルミを多用したボディによる軽量化のお陰で、旧(E39)525iに比べ、性能的な魅力が増したことは、良い意味での進化だと思う。525iなら530iに比べて100万円安い。530iのトルク感を得るのに、100万円也を投資するのかは、本人の収入と相談か?

試乗を終えて自分の320iで家に向かうと、新5シリーズに比べてエンジン音が大きく運転席も狭いが、言いかえれば官能的なエンジン音を聞きながらタイトな運転席で、クルマ好きには、なんかホットするものが有るのも事実。それに、操舵感も遥かに自然で面白い。この辺がBMW選びの難しいところか?軽快さでは318が一番で、高級感なら7シリーズと、値段が高ければ全て良いわけではなく、ユーザーが何を求めるかで車種が決まるのが凄いところ。でも、ウジャウジャいる3シリーズ、オバサンがやたら乗っている3シリーズ。5シリーズなら格は上だし、流石にオバチャンはそんなには居ない。でも、軽快さでは・・・・・。しかも、高い!