B_Otaku のクルマ日記


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2021/7/25 (Sun)  中共の新規起業EV ウェイマー(威馬)汽車

中共の IT 大手、バイドゥ、アリババ、テンセントの3社は米国の GAFA と同様に BAT と呼ばれている。そしてこの BAT が次の商売として力を入れているのが EV であり、アリババはシャオペン汽車、テンセントは蔚来汽車(NIO)に出資している。

そして残るバイドゥが出資しているのが今回取り上げる「ウェイマー威馬、WM )汽車」だ。

ウェイマー汽車の製品には W6 および EX5-Z の2モデルがあり、何れも SUVタイプの EV というのも、他の新興メーカーと同様の定番というところか。

W6
今年の4月に発表された最新モデルで、ボディサイズは全長 4,620 x 全幅 1,847 x 全高 1,730 ㎜ 、ホイールベース 2,715 ㎜ 、サイズとしてはシャオペン汽車の G3 SUV よりも少し大きいが、このミドルレンジ SUV とうのは実は激戦区でもある。

デザインは‥‥まあ中華デザインというか、何やら無国籍風であり、グリル周りにしてもアイデンティティは全く無い。

ダッシュボードは最新の EV らしく、全て LED によるタッチパネルのようだ。

モーターは 160kW 225N-m と、BYD 元(70㎾ 180N-m)に比べて圧倒的に強力だが、まあハッタリもあるかもしれない。

W6 の最大の特徴は中国初となる自動運転レベル4(高度運転自動化)の量産モデルという事で、駐車場への自動入場、駐車位置の自動検索、自動入庫といった機能を備えた自動駐車システム「AVP(Apollo Valet Parking)」が実装されている。これは提携先である IT 大手バイドゥの自動運転プラットフォーム「Apollo」が共同開発したものだ。

またレベル5(完全自動運転)も 2022年には実現されると表明している。

補助金適用後の価格は 17万元(290万円)より。

EX5-Z
最初にウェイマー汽車が発売したのが EX5-Z で、そのサイズは全長 4,585 x 全幅 1,835 x 全高 1,672 ㎜ 、ホイールベース 2,703 ㎜ と、W6 よりも僅かに小さいが、ほぼ同サイズである。

EX5-Z のモーターは 160kW 225N-m で、W6 と同スペック、というよりも恐らく全く同じユニットだろう。

実はこのモデル、フォルクスワーゲン、BYD、広州汽車(GAC)、長城汽車(Great Wall Motor)などと競合していて、しかも2020年9月下旬から、わずか 40日で4回も発火事故を起こしている。そんな事もあり、2017年から 2020年9月までのウェイマー汽車の4年間の赤字の合計は 100億元(約 1,600億円)を超えているという。

そんな状況から、ウェイマー汽車としては起死回生を目指して発売したのが W6 という事になるのだろうが、まず成功は無いだろう。

尤も、中共では他の新興 EV メーカーも軒並み赤字で 2020年1~9月の実績では、赤字幅はそれぞれ、蔚来汽車(NIO)が 41.19億元(約660億円)、理想汽車が 1.07億元(約17億円)、小鵬(シャオペン)汽車が 11.49億元(約180億円)だった。

クルマというのは走ってなんぼだから、スペックだけでは解らない。とは言え、このところ取り上げて来た一連の中国製 EV はといえば、まあどれもマトモなモノは無さそうで、それでも何とか会社が存続しているのは共産党の強力な支援があるからであり、近い将来、いや遠い未来でも中国が世界の自動車界を席巻する事は無いだろう。




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