今から6年前の2012年2月にマツダから発売された小型 SUV の CX-5 は初のフルスカイアクティブを採用したモデルとしてその年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、このサイトでも試乗したがその出来の良さに驚き「本当にこれがマツダのクルマかぁ?」という気持だった。
⇒ Mazda CX-5 XD SKYACTIV-D 簡易試乗記 (2012年3月)
その CX-5 は 2016年12月に早々と FMC を実施している。と言う事は既に1年以上が経過してしまったが、まあ色々な事情が重なって延び延びになっていたが、今回遅ればせながら2代目 CX-5 を取り上げる事にした。
先ずは新型のバリエーションと、参考として同一カテゴリーの BMW X1も並べての主要諸元を比較しておく。
上の表を見ると CX-5 のエンジンバリエーションはガソリンエンジンが 2.0L と 2.5L で何れも4気筒自然吸気で、これに 2.2L ターボディーゼルの XD を加えて3種類がラインナップされている。そしてアウターサイズを見れば BMW X1 同サイズな事が判るが、パワーは比較に使用した xDrive 18i では CX-5 のベーシックモデルである 20S でさえ勝っているという具合で、スペックだけでしか判断できないユーザーには、これで価格が 20S よりも5割以上高いのは詐欺だ! 見栄張って外車なんか買うやつは馬っ鹿じゃねぇ、何ていうお馴染みの状況になる。えっ、そんな底辺層には CX-5 だってマルで手が出ない、って? まあ確かにそうだわな。
それで先ずはエクステリアをザっと眺めてみると、フロントにはマツダのアイデンティがシッカリと表現されているが、全体的にはオーソドックスな最近の SUV という感じだ。
以上2018年2月26日掲載分
フロントビューを見るとグリルの下部に翼を広げたような形状のラインが両側がヘッドライトに繋がっているシグネチャーウイングという鼓動デザインに端を発するマツダのアイデンティティとも言えるデザインは一目で直ぐにマツダ車と判る。
リアビューは特別な特徴は見当たらないが、ヘッドライト同様にリアコンビネーションランプも小さく、特に高さ方向が薄い。
サイトビューはオーソドックスな SUV らしいものだが、リアクォーターウィンドウは小さく巨大なCピラーに明かり採りを付けたという感じだ。
リアラゲージエリアはコンパクト SUV としては充分なスペースを持っているが左右の張り出しは大きい。
テールゲートは "一丁前" に電動式で開閉出来る。
エンジンルームを開けてそれを保持するにはロッドを立てる必要がある。そしてその中身は‥‥
写真上の25S のエンジンは直4 2.5L ガソリン 自然吸気で 188ps/6,000rpm 188N-m/4,000rpm 、写真下はXD で 2.2L ターボ ディーゼルで 190ps/4,500rpm 450N-m/2,000rpm を発生する。排気量は 25S より少ないとはいえターボチャージャーとその補機類を積んでいる XD のエンジンルーム内はギッシリと詰まっているが、25S は隙間が見られる。この他にボトムレンジとして 2.0L ガソリン自然吸気の 20S もある。
標準装着タイヤ&ホイールのサイズは PROACTIVE 以上では 3つのエンジン共に 225/55R19 に 19×7J 切削加工、ガンメタ塗装アルミホイールと共通となっている。なお Standerd グレードでは 225/65R17 + 17×7J ダークシルバー塗装アルミホイールとなっている。低価格の Standerd グレードでもアルミホイールが標準なのは立派だ。尤も最近では生産数の激減しているスチールホイール何て、返って割高なのかもしれない。ただし、デミオ等で使われるサイズでは他車も含めて低グレード車はスチールホイール (+樹脂製キャップ) だから、サイズによってはマダマダ低コストなのだろう。
ブレーキユニットは前後にオーソドックスな鋳物の片押し (勿論シングルピストン) キャリーパーを使用しているが、ベンチレーテッドディスクはフロントのみで、リアはソリッドディスクとなっている。またリアにはパーキング用ドラムブレーキが見当たらないから、恐らくリアキャリパーにパーキング機構を組み込んだ通称P付きキャリパーであろう。なおキャリパーとホイールの間の隙間は広く、これは空気の流れを良くするために設計で‥‥と言いたい処だが、単に 17 インチホイールモデルと共通の為に 19 インチではスッカスカとなっているだけだと思う。
以上2018年2月27日掲載分
今回よりインテリアに目を移すが、特別サービスとして中間グレードの PROACTIVE と上位グレードの L Package の両グレードを比較する事にした。使用した車両は 25S L Packege 4WD (298.6万円) と XD PROACTIVE (329.9万円) で、実はオプションも結構付いているから、XD では三百数十万円に達し、もしもこれが XD L Package 4WD なら 352.6万円にオプションを追加して、総額 (乗り出し) は軽く 400万円を超えるだろう。いやはや、今や国産 SUV でも結構な高価格となってしまったようだ。
それでは何時ものように先ずはドアを開けたところから‥‥
両グレードの最大の違いはシート表皮およびその他の内装が PPRACTIVE はファブリックが基本で、L Package はレザーが基本と言う事になる。ただし写真のクルマはどちらもブラックのインテリアなので一見しての大きな違いは無いが、L Package では内装色にピュアホワイトも選択出来て、これだと明らかに雰囲気が違ってくる。ピュアホワイトのレザーインテリアといえば最近試乗したボルボ XC60 を思い出すが、CX-5 もホワイトの内装ならば両車の比較も出来るなど本当はこちらを取り上げたかったが、流石に試乗車は見付けられなかった。まあ不特定多数がドライバーズシートに座る試乗車でピュアホワイトのシートでは掃除が大変なのは判る。えっ? でもボルボの試乗車はピュアホワイトだったろう、って、いやねぇ、ボルボは仮にもプレミアムブランドだからそれこそ有象無象が訪れるマツダディーラーと一緒にしちゃあ困るというモノだ。
それでは PROACTIVE のシート表皮を拡大して見ると、欧州車のベースグレードによくあるようなオーソドックスなファブリック (マツダではスクエアメッシュクロスと呼んでいる) を使用している。
L Package のシート表皮はセンターが通気孔が開いたパーフォレーションレザーで、分厚い本革にダブルステッチと見た目にもベビーデューティーな感じがする。シート調整はメモリー付きパワーシート (運転席 10Way、助手席6Way) が標準だが、写真上の PROACTIVE はオプションでパワーシートを装着している為に見た目は同じだが、標準では運転席ラチェットレバー式シートリフター (要するにマニュアル調整) となる。
次にドアのインナートリムを比較してみると勿論両車共に基本は同じで、 PROACTIVE でも窓に近い上部はステッチが見えるが、全体的には地味な作りになっている。
L Package ではアームレストもレザー仕上げでステッチがハッキリと見える事と、ドアハンドルに繋がるトリムがインパネと同一のウッドという違いがある。
ドアトリムを拡大してみると‥‥
当然ながら L Package の方が手が込んでいるがそれ程大きな差では無く、特に比較しなければ PROACTIVE だって充分な気がする。
オーディオも BOSE 製が付いているが実は両グレード共にオプションで、今回は両車にオプション装着してあった。
以上2018年2月28日掲載分
一見したところ両グレードに大きな違いは見つからない。
センタークラスターを比べると‥‥う~ん、これも一見したたでけは違いは判らない。えっ、同じ写真並べたんじゃねえか、って?
実は更に拡大すると判るのだが、写真下ではエアアウトレットの右側に延びるトリムが PROACTIVE ではシルバー塗装、L Packege ではウッド+艶消しクロームという違いがある。それ意外では PROACTIVE でもパッドにステッチなど基本的に変わらない。
オートエアコンは両グレードに共通となっている。
インパネ右側のエアアウトレット付近を比べると、ここもセンタークラスターと同様に水平トリムの材質が異なっている。ただし余程良く見ないとその違いが判別し難い。
同じくインパネ右端で、下端には制御関係のスイッチが並んでいる。
こうして見ると、 PROACTIVE でも充分な装備を持っているのが判るし「じゃあ L Packege って何なのさ」と言う事になるが、L っていうのは Luxury かと思ったが、寧ろ Leather なのかもしれない。
以上2018年3月1日掲載分
コンソールは両グレード共に共通で AT セレクター、コマンドダイヤルとスイッチ類、パーキングブレーキスイッチ等が並んでいる。
コンソールの後部を拡大すると写真下では右上に見える SPROT モード切り替えスイッチが上の写真では L Package のみに付いているが、これはグレードが違うからでは無く、偶々 L Package がガソリン仕様だった事が原因で、要するにディーゼルにはモード切り替えスイッチが無いのだった。
コンソールの後端には定番のリア用エアアウトレットがあるが、両グレード共に共通でしかもシンプルで、それ以外には何も無い。
両グレード共にステアリングホイールは共通でパドルシフトはオプションとなっている。
メーター類も共通だが、エンジンにより回転計のフルスケールが異なるのは当然だ。写真下はディーゼルエンジンの為にフルスケールが 6,000rpm 、レッドゾーンが 5,000rpm だが、ガソリンエンジンの場合はフルスケールが 8,000rpm 、レッドゾーンが 6,500rpm となる。
ペダルについては標準的なウレタンパッドだが、マツダらしくアクセルべダルが自然に右足で踏めるように右に寄せて、更にはブレーキペダルとはフィーリングの違うオルガンペダルにより踏み間違いを防止している。これはマツダのポリシーであり、少し前まではカタログで大々的に謳っていた。
以上2018年3月2日掲載分