BMW のミドルクラス SUV である X3 が FMC され G01 となった。先代 F25 は2011年の発売だから 6年ぶりの新型と言う事になる。そこで先ずは F25 との諸元比較から始めるが、ガソリンの Xdrive 20i については未だ日本に車両が届いておらず型式認証も済んでない事から、認証に関する項目は不明となっている。
そのスペックでは全長は +55㎜ 、ホイールベースは +55㎜ と何れも新型の方が大きく (長く) なっている。エンジンは BMW の新型モジュラーエンジンであるB系列となったのはまあ当然だろう。価格的には先代よりも各10万円程のアップだが、ほぼ据え置きと考えても良い程度の差ではある。
それでは以下新型 X3 の内外装を写真で眺める事にするが、車種は xDrive 20d でデザインラインは M Sport だから価格は 710万円と決して安くは無い。ガソリンの 20i では無くディーゼルの 20d を選んだのは前述のように今現在ではガソリン車は日本に上陸していないために必然的にディーゼルとなる為だ。
エクステリアは如何にも最近の BMW の SUV という感じだが、先代までの X3 で気になった野暮ったさが完全に消えてやっとマトモなスタイルとなった。それにしても今までの X3 のカッコ悪さは一体何だったんだろう。
以上2017年12月7日掲載分
フロントビューはボンネット位置が高い SUV ということもあり、キドニーグリルが高さ方向に大きく、またセダンのようにライトがグリルに繋がっているという事も無い。この点では X5 はセダンと共通の面もあるが、X5 の開発コードが F15 と言う事を考えれば、G01 である新 X3 の方が今後の X シリーズのトレンドだと考えても良さそうだ。
リアのコンビネーションランプ形状は全く新しい形状で、5シリーズツーリング (G31) とも異なっているが強いて言えば先代 X3 (F25) に近いから、ここは踏襲しているとも言える。
X3 xDrive 20d のヘッドライトは最近流行りの LED では無くバイキセノンライトとなる。LED タイプは 28i でオプション、35i で標準となるが、フォグランプは全グレードで LED 方式が標準装備される。
リアのエンブレムは X シリーズの場合は慣例に従ってシリーズ名のみで、エンジン区分は無い。すなわち3シリーズならば 320d となるこが、こちらは X3 のみ。ではどこで判別するかと言えば‥‥
ボディーサイドのフロントドアに xDrive 20d のエンブレムがあるのは X シリーズに共通している。なおフロントフェンダーの後部には最近の BMW では定番となりつつあるエアアウトレットが付いている。また写真のクルマは M Sport だからMロゴも付いている。
"3”とはいえ X3 は全長が4,720㎜ もあるから、リアラゲージエリアは結構広い。
底板を持ち上げると多少のスペースが出現するが、大したものは置けない。
リアゲードは当然ながら電動式となっていて、写真下のボタンを押せば自動的に閉まるから手でバタンとやる必要は無い。
以上2017年12月8日掲載分
今現在新型 X3 では販売されている唯一のモデルである xDrive 20d は B47D20A 4気筒 2.0L 190ps 400N-m ターボディーゼルエンジンを搭載している。X3 も当然ながら直6 3.0L モデルが発売されるであろうからエンジンルームはその為のスペースがあり、4気筒ではスカスカとなる。まあ、これは1シリーズでも同様だから X3 なら当然だが。
ボンネットカバーの裏側にはインシュレーターや防音材の部類は一切無くて鉄板のままであり、写真ではエンジンのトップカバーが鏡のように映っている。
写真のクルマのタイヤは前後とも 245/50R19 と M Sport では珍しく前後同一サイズとなっている。なお標準モデルでは 225/60R18 とワンサイズ小さくなるが、ラグジュアリー系のxラインではサイズ自体は M Sport と同じでホイールのデザインが違っている。なお先代 X3 (F25) でも実は 35i にならないと前後でサイズが違うタイヤにはなっていなかった。要するに X3 は 4気筒モデルでは M Sport でも前後で同一サイズのタイヤとなっているのだった。
ブレーキは BMW らしく車両重量が約1.9トンもある SUV でもシングルピストンの片押しキャリパーを使用している (ただしシリンダーはアルミのようだが) 。BMW 等が使用している欧州系のブレーキパッドはハイμ (高摩擦係数) の材質 (ロースチール) の為にキャリパー自体を小さく出来る傾向があが、その見返りはホイールが汚れるしローターが摩耗する事だ。まあ普通の国産車で車検時にローター交換なんてなったら、それこそユーザーから欠陥車扱いされるのは間違いない。ただし国産車でもレクサスだけは BMW と同じ欧州メーカーのパッドを使用しているが、そこはレクサスだけあってオーナーの質が違う!と持ち上げておこう。
室内の雰囲気は極普通の BMW 車と言うか、最近の標準的な雰囲気だ。
M Sport と言えばクロスとレザーのコンビ (BMW 名称はクロス・レザー・コンビネーション) であり新型 X3 も勿論それに従っているが、写真のシートは M Sport にオプション (Xline では標準) のヴァーネスカ・レザーが装着されていた。
シルプレートはお馴染みの M ロゴの付いた M Sport 専用のモノが付いている。
ドアのインナートリムは結構高級そうだが、このクルマはオプションのレザーシート装着車だからドアのトリムもレザー系となっている筈で、これがベースグレードだと‥‥ハテ、どんなものだろうか?
という事でカタログ写真も右下に掲載して見たが、ちょっと写真が小さくて判り辛いとはいえ、やっぱり大分ショボくなる。因みに X3 xDrive 20d Standerd の価格は M Sport よりも 48万円安い 662万円也。
以上2017年12月11日掲載分
ダッシュボードを見ると、5シリーズ (G30) に良く似ていて、これは今後の BMW のスタンダードとなるのだろう。ということは、3シリーズも次期モデルではこれに近い、すなわち5シリーズにも近くなるのだろうか?
センタークラスターは5シリーズに限りなく似ている。
オーディオとエアコンのパネルは、ボタンがシルバーとブラックの違いこそあるが、ユニット自体は5シリーズと共通のようだ。
フロアコンソール上のコマンドダイヤルや AT セレクター、そしてその右にあるモード切り替え等のスイッチ類はサブパネルも含めて、これまた5シリーズと共通となっている。
そしてルーフ先端のオーバーヘッドコンソールはといえば、何とこれも5シリーズと共通!
しかしコンソール後端を利用したリア用エアアウトレットは流石に上位の5シリーズとは異なっている。
ここまで5シリーズとの共通部品が多いと、ダッシュボード右端のライトスイッチももしかして同じでは? と思うだろうか‥‥ハイ、同じです。ただし5シリーズではサブパネルの処理を高級にしたりと、見た目の差別化は図っている。
正面のメータークラスターの計器類も、これまた5シリーズと共通。
このメーターはリング自体は機構部品だが、メーター内はカラー液晶パネルとなっているから、モードによって全く異なるメーターデザインとなる。上のモードの場合、良く見ると回転計と速度計の指針のある付近の文字は大きく表示されている。これが下のモードでは0点から指針までの目盛が太く表示されるから、フル加速時では指針と共に太い目盛も広がって行く。
BMW は最近まで千数百万円の M モデルでさえもショボいウレタンパッドのペダルを使っていたが、最新の5シリーズでは方針を変えたのか、お洒落なスポーツパッドになっていた。X3 も写真の M Sport では5シリーズよりは地味だが、"光モノ” の入ったペダルとなっている。
新型 X3 の開発コードは G01 であり、これは5シリーズの G30 よりも開発開始が早かったとも推定できる。実際今回の結果では X3 は3シリーズの系統にも関わらず、インテリアでは5シリーズと共通点が多く、その分 X3 のランクが上がったかのようにさえ感じる。ここで疑問となるは、次期3シリーズでは X3 に準じて5シリーズとの共通が多いものになるのか、それとも X3 のような SUV (Xシリーズ) ではセダンよりワンランク上の扱いとなるのか? まあそのうち判ってくるだろうが、現行3シリーズ (F30) は2012年の発売だから、そろそろ次期モデルの噂やコンセプトカーが出てきても良い頃だ。
以上2017年12月11日掲載分