国産 EV としては最も量産実績のある日産 リーフが初の FMC を実施して2代目 (ZE1) となった。初代リーフ (ZE0) は2010年発売だから7年での FMC となった事になる。このところ欧州の主要国でのゼロエミッション化の方針発表など EV が世界的に注目されているこの時点での FMC はなかなか良いタイミングだ。
そこで先ずは各部の写真を紹介しよう。
先代は一見して "特殊なクルマ” という感じで、まあ EV らしいと言えなくもないが、そのスタイルが何やら安っぽいデザインで、これが 300万円以上するとは思えなくて、下手すれば200万以下の雰囲気だったが、新型は‥‥チョイと普通っぽくはなったが違和感の無いスタイルで、何とか 250万円くらいの雰囲気にはなったかな?
フロントは日産が Vモーショングリルと呼ぶもので、最近の日産のアイデンティティ (のよう) だ。
リアコンビネーションランプはブーメラン形というこれまた最近の日産車が採用しているものだ。
サイドビューを見ると結構ウエストラインが高く、またBピラー以降が大きくキックアップしていて、リアのサイドウィンドウは面積が小さいのも最近の流行どおりだ。
HV や EV というとバッテリーに占領されてリアラゲージスペースの床が高かったりして容積が少ない印象があるが、リーフは深さも十分で下手なガソリン車よりも深いくらいだ。
リアのサイドには普通充電用のケーブルが保管されるのも EV や PHV では常識となりつつある。
以上2017年10月20日掲載分
フロントのボンネット先端にはボンネットカバーとは別の蓋があり、これを車内のスイッチでロックを外して開けてみると EV は勿論 PHV でもお馴染みの充電用コネクターが現れる。写真下の右が普通充電用で左が急速充電用。
リアゲートのエンブレム類は左に "LEAF" 右に "Zero Emisson" で、右のエンブレムが EV であることを表している。
フロントのボンネットカバーを開けると、そこにはエンジン? ではなくモーターや制御機器が現れる。しかし上部にカバーが付いていて、これが何やらエンジンみたいに見える。この発想はやっぱり自動車屋丸出しで、知らない人が見たらば本当にエンジンに見えてしまう。
トップカバーは樹脂製丸出しで、唯一 "NISSAN" のロゴが樹脂に鋳出されているが良く見えない。ここは立派な金属製の EV ロゴくらい奢れば良いのにねぇ。それとも、エコなクルマだから余計なモノには金を掛けないのか、ハタマタ、生産台数が少ない赤字覚悟の車種で予算が無いのか?まあ一生ここを開けないユーザーも多いだろうから、これで十分かもしれない。
タイヤは下位グレードの S および X ではスチールホイールと 205/55R16 タイヤの組み合わせで、写真のアルミホイールと 215/50R17 タイヤは最上位の G に標準、X にオプションとなる。
EV とは言ってもブレーキは普通の片押しシングルピストンキャリパーが採用されている。
ドアを開けたついでにフロントドアヒンジを見ると、これは国産車では一般的な鉄板をプレスした構造のモノが使用されている。
以上2017年10月22日掲載分
室内は一見すると特に EV だからと変わった処は見当たらない。
写真のシート表皮はオプションの本革で G と Xに設定されている。なお標準は G とXがバイオ PET というハイテクファブリックでベースグレードのSではメッシュフラット・トリコットという、まあ多少安っぽいファブリックだ。ただしこの本革シートは滑り易く決して質の良いモノでは無いが、オプション価格はサラウンドシステムと抱き合せで 21.6 万円と世の中の常識よりも安く、まあ安かろう何てらの部類だ。
ドアのインナートリムについては、なにか何処かで見た事があるような気がする? 実はどうも先代と共通のように見えるが、これについては試乗記で詳しく新旧比較する予定だ。あっ、いや、試乗記のネタもとっておかないと‥‥ねっ。
ダッシュボードも特に EV らしく未来志向の部分は見当たらない。テスラのようにセンタークラスタの操作は全てパソコンのようにカラー LED ディスプレイ何て事もない。要するにテスラは少量生産で極特殊なユーザー向けだが、リーフは量産車だから極々普通で良いのだろう。普通という意味ではリーフはプリウスよりも "普通" だ。
センタークラスターは最近のトレンドであるダッシュパネルトップより飛び出したディスプレイが目を引く‥‥事は無く、その位置は多少低めで運転中の視線移動は大きい。なおナビについてはGおよびXグレードでは EV 専用 Nissan Connect ナビゲーションシステムというDVD や CD と一体化して、iPod にも対応する USB 接続対応とか、まあ最近のシステムが標準装備される。
ところで一体何が EV 専用 なのかと言えば、EV らしく充電スポットの検索機能が充実している事だ。なおベースグレードのSではオーディレスとなっている。
ダッシュボード右端には制御系のスイッチ等が並んでいて、ECO スイッチもここにある。
エアコンの操作はディスプレイの更に下でコンソールに近い位置だから、運転中の操作の安全性はチョイと疑問だし、ナビとエアコンが一体化という事も無い。最下端のパワースイッチは、まあ停車状態で操作するものだから、これで良いだろう。
オーバーヘッドコンソールも特に EV らしいモノでは無く、普通にルームライト関係のスイッチが並んでいる。
以上2017年10月23日掲載分
センターコンソールにはガソリン車同様にシフトレバー的なものはあるが、ミッションもクラッチも無い EV だから AT セレクターでも無く、選べるのは前進/後退/パーキングのみで、言ってみれば単なるセレクターで機能は前後切り替えスイッチだ。その前方中央には e-PEDAL という強力な回生ブレーキにより殆どアクセルペダルだけで運転できるシステムのスイッチ、その右には AUTO P と表示された自動パーキング装置のスイッチがある。
コンソール手前には電動式パーキングブレーキスイッチがあるのは当然で、ここにレバー式のパーキングがあったらズッコケるところだ。えっ、でもアクアはレバー式のパーキングブレーキだし、セレクターもメカ式だぞっ、って? あっ、いや、アクアの場合はガソリンモデルとの共通化で‥‥(汗
あれっ、アクアって HV 専用車だったっかな? まあ硬い事は言わないようにしよう、ねっ!
ステアリングホイールの形状は如何にも EV らしい奇抜なもの、例えば5角形とかではなく極オーソドックスだが、スポークには多くのスイッチ類が配置されている。
メータークラスタ内は右にメカ式の速度計と左にはカラー液晶パネルで切り替えにより各種表示となるのは EV や HV では常識だ。
ペダル類の配置は左に寄っているし、アクセルペダルは吊下げ式とイマイチではある。ここはマツダを見習って欲しい処だ。
ということで新型リーフはエクステリアでは極力ガソリン車とのイメージを共通化しているし、インテリアでも未来的なデザインは一切無くてガソリン車との違い感じられないのは、このクルマのコンセプトとして極力 EV らしさを出さないという事なのだろうか。
以上2017年10月26日掲載分