B_Otaku のクルマ写真館
 BMW 118i


BMW のボトムレンジを受け持つ1シリーズの現行モデルは 2011年に発売された F20 で、4年後の2015年にマイナーチェンジ (MC) が実施された。当サイトでは発売当時に 116i および 120i を試乗記として取り上げている。
BMW 116i Sport 試乗記 (2011/11)
BMW 120i Style & Sport 試乗記 (2011/10)

ところがMC 後のモデルは試乗どころか日記での写真紹介も実施していない状態で2年が過ぎていた。それで今頃これに気が付いて、遅ればせながら後期モデルを取り上げる事にした。

1シリーズのラインナップは MC を機にエンジンに変更があり、従来の N○○ から B○○ と新世代になった。と表現するとあたかも MC とエンジンの改装が同時に行われたように思ってしまうが、実は最初はボディのみで半年から1年遅れでエンジンが変更となっている。したがって、 MC 直後のモデルを購入した場合は旧タイプの N○○ エンジン搭載のモデルであり、知らないで買ったユーザーは後ほど大いに怒る事になる‥‥と思ったが、意外にそのまま知らないで過ごしているかもしれない。考えてみればエンジン型式が Nだの B だのと言っているユーザー何て少数派も良いことろで、そんな変態マニアは無視しても商売は成り立つ‥‥とか?

それで現行ラインナップを下表に纏めておく。

それで今回の写真は 118i M Sport で、118i を選んだのは BMW としてはボトムとなるモデルである為で、ということは本当は 317万円のスタンダードモデルを取り上げたかったが、どこのディーラーにも試乗車どころか展示車も無く、結局試乗用として用意されていた 118i M Sport という事になった。まあ BMW に限らず欧州車のディーラー試乗車というのは上位グレードを用意しているのが一般的で、間違っても一番ショボいエントリーグレードという事は無いのは、一番良いのを見せて少しでも高級イメージを植え付ける‥‥なんて想像してしまう。

と、余計な能書きはこのくらいにして、先ずはイントロとして2つのアングルから眺めてみる。

1シリーズは BMW のラインナップ中で唯一の5ドアハッチバックであり、言ってみればフォルクスワーゲン ゴルフなどと同じカテゴリーだから、その面では特にリアビューが BMW らしくない。

以上2017年9月24日掲載分


写真のクルマは前回述べたように 116i M Sport で価格は 384万円と決して安くは無い。

フロントフェイスはもう誰が見ても BMW であり、この角度ではハッチバックかどうか判らないから、安っぽさは無い。

サイドビューを見ると、思いの外ボンネットが長いのに気が付く。またリアドアの幅も広く、リアのオーバーハングも一杯に切り詰めた訳では無いから、リアシートとバックゲードの距離は意外に長い。

それならリアドアをもう少し狭めてリアクォーターウィンドウでも付けれはステーションワゴンっぽくなって、高級感も増すってもんだが‥‥。そう、丁度アウティ A3 がハッチバックからスポーツバックとした事で大いに人気が出たのと同じように‥‥。尤も、そうなると2シリーズアクティブツアラーとの住み分けが難しくなるかもしれない。なお、中国向けには昨年末に1シリーズセダンが発表されている。
⇒ https://www.netcarshow.com/bmw/2017-1-series_sedan/

リアもフロント同様に BMW として標準的なスタイルで、特にリアコンビネーションランプの形状は上位シリーズと共通のデザインとなっている。全幅が 1,765㎜ と狭いために狭い道の取り回しは実に良い。

ハッチバックというボディー形状からはリアラゲージスペースが狭そうに感じるが、1シリーズはセダン並に広いのは前述のようにリアオーバーハングが意外に長い事による。

前後のライトについては MC により大幅にデザインが変更されている。

118i のエンジンは B38B15A 直列3気筒ターボ 1498㏄ で 136ps/4,400rpm 220Nm/1,250-4,300rpm と控えめだが、トルク自体をみれば自然吸気の 2.2L 並みだから決して非力という訳ではない。

M Sport という事で装着されているタイヤはフロント:225/45R17 , リア:245/40R17 で、幾らターボ過給とはいえ 1.5L エンジンにはオーバースペック気味だ。なおホイールは当然ながら M Sport 専用のモノで、この美味しい商売を見たメルセデスも最近では AMG スポ-ツなんていうのを出している。

BMW はブレーキに金を掛けないので有名だが、3シリーズとほぼ共通の4輪ベンチレーテッドディスクブレーキは1シリーズ、すなわちCセグハッチとして見れば十分過ぎる。

以上2017年9月26日掲載分


インテリアは M Sprot 用の専用スポーツシートが目立っていて、これが印象を大きく変えている。その雰囲気は3シリーズの M Sport にかなり近い。

シート表皮はサイドと前端にアルカンターラと中央には専用のファブリックという M Sport 定番のモノで、ブルーのステッチも手伝ってこれが1シリーズとは思えない高級感を醸し出している。

ポジション調整は手動式で、表皮に金を掛け過ぎてパワーシートに予算が回らなかった‥‥という事もあるかもしれないが、最大の理由は M Sport は座面が低いためにパワー機構が組み込めない‥‥と聞いたことがある。

ドアトリムは基本が1シリーズの為に決して高級感は無いが‥‥

M Sprot ということでドアノブやグリップ、アームレスト付近には専用の内装材が使われているから、ドアトリム全体のプラスチック感を上手く隠している。これがスタンダードグレードになると結構安っぽい‥‥だから試乗車や展示車にはしない?

ダッシュボードも BMW 定番の雰囲気で、これまた専用のアルミエンボス ( BMW ではアルミ・ヘキサゴン・トリムというアルミにボツボツを付けたモノ) のトリムが M Sprot らしさを醸し出している。

センタークラスターはこれまた現行 BMW での定番的な、ダッシュボード天板から突き出した横長のディスプレイや3シリーズとも共通のオーディオやエアコンの操作パネルなどが配置されれている。

センターコンソールもまた多少の配置は異なるが3シリーズと共通の電子式 AT セレクター、モード切り替えスイッチ、コマンドダイヤルが並び、BMW オーナーなら全く違和感が無い。

 

メーターも如何にも BMW らしいもので2つの大径メーターのメカ自体は3シリーズと共有しているが、3シリーズでは燃料および水温計が別の小径メーターとなっている点が異なる。まあ今時水温計なんて殆ど必要性を感じ無いが、これは差別化ということだろう。

という事で久々に1シリーズの内外装を眺めてみたが、特にインテリアについては前期モデルと殆ど変更が無いように見える。まあこれは世界的に MC の定番、すなわちフロントのフェイスリフトが主体で、内装自体、取り分け大物の金型を必要とするダッシュボードやドアトリム類には手を付けない、という点では実にオーソドックスな MC だとも言えるし、最大の変更はむしろ新型エンジンの搭載であろう。

以上2017年9月27日掲載分

⇒ BMW 118i 試乗記 (2017/9)