B_Otaku のクルマ写真館
 BMW 330e (F30後期)


現行3シリーズである F30 後期型について BMW 330e を例として内外装の写真を掲載する。この 330e は3シリーズでは最もメジャーな 320i のガソリンエンジンに電気モーターを加えたハイブリッドシステムで、モーター系が無ければ 320i と同じ思って良い。先ずはエクステリアから。

一見すると見慣れた3シリーズであり、BMW の中でも最も売れているシリーズだから今や街中に溢れていて希少性は全く無いが、それだけに安定したデザインは如何にも BMW らしいと共に、世界のファミリーサルーンのベンチマークになっているのも納得だ。

正面から見ればお馴染みのキドニーグリルが真っ先に目に入り、これはもう誰が見ても BMW だ。と言っては見たが、世間の下半分の階層ってBMW っていう名前でもいいから知っているのか否かには興味がある。そもそも全然知らなければキドニーグリルもヘチマも無い訳で‥‥。

リアはキドニーグリル程のアイデンティティは無いが、それでも BMW らしいものだ。なお320i とガソリンエンジン自体は同じ筈だが、何故か排気管は立派なダブルマフラーなのは、このクルマが ”330” だから其れ成りの格式を持たせたということか?

サイドビューは決して余裕のあるサイズではないにも関わらず、この手のサルーンとしては長いボンネットを持っている事が判るだろう。

ハイブリッドである事のアピールはCピラーの ”e Drive" とリア後端の ”330e” のエンブレムくらいだ。

プラグインハイブリッドだから当然ながら充電用のコネクターがあるが、これは普通充電用で急速充電は出来ない (たぶん) 。

ハイブリッドにしてはトランクは広いし、リアシートのバックレストも倒すことが出来る。

そのトランクの左端には小さなバッグが収納されていて、これは何かというと充電用のケーブル&コネクターだった。このクルマは普通充電だから高価な充電設備を必要とせずに 200V 電源があれば充電出来る。ただし時間は半日位かかるので自宅のカーポートで夜間に充電するという使い方だ。えっ、俺は夜の商売だ、って? いやそれなら昼間に充電すれば良いだけじゃねぇ?

トランクルームの床下は最後部に狭いスペースがあるのみで、ここにはファーストエイドキットが格納されているのはドイツ車らしいところだ。要するに床下にはスペアータイヤの代わりにバッテリーが居座っているのだろう。

以上2017年6月1日掲載分


エンジンルーム内を見ると如何にもハイブリッド車らしくオレンジ色の高圧ケーブルや銀色に輝く電力制御ユニットなどが目に入る‥‥事は全く無くて、見ただけではこれがハイブリッド車とは判らない。

エンジンルームを見たついでにサスタワーの部分に注視すると、板金プレス製で何となくプレス加工自体もショボクレて見える、というと解り辛いだろうから言い換えると表面は波を打っていて、まあ強度には関係ないがイマイチ手抜きに見えるし、普通のクルマという感じだ。そこで参考のために5シリーズの同じ部分 (ただし左右は逆) を比べると、こちらはアルミの精密鋳造による美しい表面と薄くて軽量化されているが強度的には効果絶大のリブがあり、3シリーズとは大分違うのが判ってしまう。

今回のクルマは M Sport だからタイヤはフロント:225/45R18 、リア:255/40R18 という太いモノが付いている。

 

ブレーキキャリパーは例によって鋳物の片押しシングルピストンで、静的前後配分が 50:50 の BMW 車らしくフロント負荷が少ない分だけ他社より小さいのも何時も通り。

以上2017年6月2日掲載分


ドアを開けて先ずは最初に目に入るシートに注目すると、写真のクルマは M Sport なので当然ながらスポーティーに装っている。

BMW の場合中位のセグメントまでなら M Sport に共通しているのはサイドと先端にアルカンターラの表皮を使ったシートで、これが中々良い質感を出している。ポルシェではアルカンターラ=人工皮革という事で何とベースグレードの標準シートにしていたりするが、BMW では結構プレミアム感の高いグレードである M Sport の標準にするという全く違う使い方をしている。因みに 330e ではベースグレードの 579 万円に対して M Sport は 624万円だからその差は 45万円となる。

今度は角度を変えてシート形状を見ると、M Sprot という事でサイドサポートは結構張り出しているが、乗り降りをある程度考慮しているのかバックレスト側に比べると座面側の張り出しは少し大人しくなっている。たしかに一部の国産高性能モデルのように座面サイドが引っかかるくらい高いと乗り降りし辛く、特に年寄りにはシンドい、って、年寄りはこの手のクルマは乗らないかも知れなかった。

ドアのインナートリムは既述のように今回のクルマが M Sport ということもあり、特に肘掛け回りの実際にドライバーが触れる機会の多い部分についてはシート座面と共通のファブリックを貼ったパットを使ったり、アームレストのパッドもステッチの入ったレザー (多分フェイク) を使ったりと、結構見掛けは良い。

とはいえ5シリーズ (G30) と比べると‥‥う~ん、まあ、やっぱり、違うわなぁ。

それではリアードアのインナートリムはといえばこれはフロントに準じたもので、リアが虐げられているということは無い。いやねぇ、国産のミニバンなんて下手するとリアはブラスチック丸出しの一枚成形だったりするものもあって、まあファミリーミニバンのリアシートの住人なんて子供か古女房だからこれで充分か? しっかしねぇ、結婚前は大切に助手席の乗せていた大人しい乙女も、今では口うるさいおバンになっちまったが、一体いつ頃から変身したのだろう。まさかある日朝起きたら行き成りおバンになっていた訳でも無いと思うが。

それでも、500万円のクルマとしては、まあまあかな。ただしこの手のクルマはオプションで大分イメージが変化するから何とも言えず、例えば2シリーズだってラグジュアリー系のモデルを選べば結構高級感に溢れる内装にはなる。下の写真はどちらも2シリーズアクティブツアラーだが左のスタンダートに対して右のようにラグジュアリーを元に更にオプションを追加すると充分に高級になる。だだし、そうすると価格も上級カテゴリー並になってしまうが。

以上2017年6月5日掲載分


ダッシュボードは勿論見慣れた最近の BMW そのもので、例えば国産車から乗り換えたユーザーは「おおっ、これぞBMW だーっ!」と歓喜の声を上げる‥‥かどうかは判らないが、兎に角それっぽくて、やっぱりこの本物感は国産車には無いモノが有る。と、思うかどうかは個人の感性の問題で、別に高いだけで国産と変わらないじゃんかぁ、というならそれもまた幸せというものだ。

センタークラスターはこれまた BMW らしくディスプレイをダッシュボードから飛び出した形で運転中でも最小限の視線移動で確認できる。と言っても、今時はこのレイアウトが特に珍しいのもでも無く、他社でもよくあるものだ。エアアウトレットを挟んでその下のオーディオ及びエアコンのパネルも高さ方向を最小限にして極力上方にまとめているのも最上部のディスプレイと同じ思想だが、これまた最近では他社も採用している方式だ。

そのオーディオおよびエアコンのパネルは、ぶっちゃけ1シリーズと共通で、これが5シリーズ以上では違うユニットが付いている。

10年以上前の5シリーズ (E60) から続いている横長のディスプレイは国産車ユーザーからはこんなに細長くては使いづらいと批判されていたが、勿論この連中はオーナーでは無く、実際にオーナーとなって使いこなせばパソコンのマルチウィンドウと同じで、例えば地図ならば広域と詳細を並べれば特に問題無く使える。

センターコンソールにはこれまた BMW でお馴染の AT セレクターやコマンドダイヤルが並んでいる。その手前のパーキングブレーキレバーについては最近としては珍しいコンベンショナルな方式だが、恐らく次回の FMC で廃止されるだろう。

コンソール後部のアームレストの天部を持ち上げると、そこには小物入れが出現するのは想定通りだが、最近のクルマらしく USB 端子とオーディオ入力プラグがある。 このオーディオ端子はステレオミニプラグだからハッキリ言ってそれ程音質重視という訳でも無さそうだが、まあ所詮カーオーディだからコレで充分ということか。

コンソール上のコマンドダイヤルとATセレクター周辺を拡大すると、いや、まあ、お馴染過ぎて写真を出すのが恥ずかしいくらいだが、初めての読者もいると思うので拡大してみた。

オーバーヘッドコンソールは最近の傾向に沿って結構質素で実用本位だ。またフロアコンソール後端にはリア用のエアアウトレットが有るのも定番だが、3シリーズではそれ以外のスイッチなどは一切ない。それじゃあショーファードリブンの時に困らないか、って、まさか3シリーズに運転手付きで乗ることは無いだろう。

それにしても今時のクルマの内装のベンチマークとも言えそうなインテリアデザインだが、そろそろ見飽きてきたというのも正直なところで、恐らく時期 FMC では大幅に雰囲気が変わるような気もするが、ハテ? 予測としては最近発表された 8シリーズコンセプトのインテリアがそれを暗示しているような気もする。

以上2017年6月8日掲載分


今回のクルマは M Sport という事もあり、ステアリングホイールには立派なパドルスイッチが装着されている。なお M Sport の価格は 330e の場合、ベースグレード (正式には i Performance 579万円) に対して (正式には i Performance M Sport 624万円) 45万円高い。

ダッシュボード右端には BMW に共通の、というよりもドイツ車に共通の回転式ライトスイッチが配置されて、その下にはドライブアシスト関連のスイッチがある。

メーターについてはこれも既に見飽きた (?) 感のあるお馴染のものだ。しかしこのクルマはプラグインハイブリッド (PHV) なのだが、こうしてみるとメーターには如何にも PHV らしい雰囲気は見当たらない。

ただし、右側メーター (回転計) の下端には、よーく見るとバッテリー残量表示や、燃費計はチャージメーターになっているのが判る。

サイドミラーに仕込まれたインジケーターは側面に他車が近づくと黄色い▲マークを表示して警告する。ただし視線を多少ミラーに向けないと確認できないから、サイドミラーなんて全く見ないようなヘボいドライバーには無意味かもしれない。まあ、幾ら最近は BMW が大衆化してきたとはいえ、流石にそんなスキルの低いドライバーが買うか? と思うだろうが、いやいや、そうでも無さそうですよ。

ペダルは例によって M Sport のクセにショボいウレタンパッドだが、新型5シリーズではお洒落なデザインのシルバーメッキになったから、これも次期 FMC では変更されるかもしれない。

現行3シリーズ (F30) が FMC されたのは 2012 だから既に5年が経過しているので、そろそろ次期モデルの噂も出ることだろうし、最近の BMW のモデルサイクルから言っても来年中には新型が発売されるであろう。ということで、今回は末期モデルとなった 3シリーズ の中でも一番コンセプトの新しいハイブリッドモデルを取り上げてみた。

以上2017年6月9日掲載分

⇒ BMW 330e 試乗記 (2017/5)