B_Otaku のクルマ写真館
 Mercedes-Benz B Class


Bクラスのベースグレードはメルセデスベンツの中でも最も安い 316万円よりという設定で、これは BMW 218i アクティブツアラーよりは安いが、実はこのベースグレードの上で恐らく主力であろう B180 スポーツは395万円となる。次にこの定番2社に加えて最近はどうも落ち目の三度笠というか中国で上手い商売をしているのでやる気が無いのか、まあ一応残る御三家の一つのアウティから A3を、そして以前から虫の息ではあるが取り敢えずまだ残っているアルファロメオからジュリエッタ、そしてプレミアムブランドと言えるかどうかは微妙だがこのクラスなら代表として加えても良さそうなボルボのエントリーモデルである V40 を一覧表で比べてみる。なおこれら3車の価格はジュリエッタが 218i と同等で、残る2車は本来輸入エントリー車のお約束であった200万円代を守っている。

サイズ的にはどれもほぼ同一で、スペックも似たり寄ったりだが、その中ではジュリエッタのエンジンが排気量は他車と同等とはいえハイチューンのために一クラス上の動力性能となっている。スタイルは下の写真のように其々フロントにはひと目で判る各社のアイデンティティを主張している。この辺がこれらの強みで、国産でこういうのは強いて言えばレクサスくらいだろだろうか。そのレクサスにもサイズや価格では今回の比較に入れても良さそうな CT があるが、これはハイブリッド専用車ということで今回の比較からは除外した。

なお以下の3車は既に試乗記で取り上げてあるのでそちらも参照願いたい。
BMW 218i Active Tourer 試乗記 (2014/12)
Alfa Romeo Giulietta 試乗記 (2015/11)
Volvo V40 T4 試乗記 (2013/2)

そして今回の主役である B180 のグレードは ”スポーツ” で価格は395万円とベースモデル (316万円) よりも約 80万円も高い。ユーザーからすればその中間で350万円くらいのグレードが欲しいところだ。まあベースモデルに多少のオプションを付けるという方法もあるかもしれないが、そういう買い方は一般に値引きも少ないし納期はかかるし、それでリセールはあくまでベースグレードととして不人気車種の扱いをうけたりと良いこと無しの可能性もある。

さてメルセデスとはいえリアからみると、ひと目でメルセデスと判るアイデンティは無い。

以上2017年4月13日掲載分


それでは3方向からそれぞれ眺めてみるが、先ずはフロントから見ると勿論メルセデスのスリーポインテッドスターがグリル中央に鎮座しているいわゆるクーペグリルという奴で、その昔は恐ろしく高価なスポーツモデル専用だったが、初代Aクラスに使用されて以来敷居が下がってしまい、今では殆どのモデルに標準となっている。しかしそのグリル以外にメルセデスらしさは感じられないのもまた事実で、エントリーモデルとはいえもう少し何とかならないのだろうか?

リアビューはフロントよりも遥かに小さいメルセデスのマークがある以外はこのクルマが天下のメルセデスだとは気が付かない。

サイドから見るとステーションワゴンよりも背が高く、まあこれも最近はスタイリッシュなクルマが多いメルセデスとして、どうも ”らしくない” デザインだ。

リアゲートを開けてそこに現れるラゲージスペースはCセグメントとしては意外に奥行きが深いようにも見える。プレミアムブランドのクルマでリアゲートを持つのものは多くが下端に電動クローザーのスイッチを配しているがこのクルマには無い。要するに手動でバタンと閉める事になる。

ボンネットフードのロックを外して上に持ち上げて開けようとすると何故か重さを感じる。何とダンパーは無く安物の国産車並のロッドを手動て立てる方式だった。更にはフードの内側には防音材は張って無くて補強フレームが丸出しとなっているのも国産低価格車並だった。

エンジンは直列4気筒 1.6L ターボで 122ps/5,000rpm、200N-m/1,250-4,000rpmを発生するが、メルセデスとしては珍しい横置き (すなわち FWD) となっている。

B180 の標準タイヤは 205/55R16 だが、写真のクルマは ”SPORT” のために 225/40R18 が装着されていた。

ブレーキは一般的な鋳物製の片押しキャリパーだが、フロントは ”スポーツ” ということでドリルドローターが奢られているが、それに引き換えリアはソリッドローターを使用している。なるほどフロント荷重の大きい FWD 方式だからこれで当然なのだが、メルセデスでこれというのも何となく違和感がある。

以上2017年4月14日掲載分


ドアを開けて見える室内は比較的高いルーフということもあり、何となく SUV とかクロスオーバーとかの部類に見える。勿論雰囲気はドイツ車らしいモノで、この位置から見れば十分にメルセデスしている。ただし、写真のクルマはベースグレードよりも約80万円も高い ”スポーツ” の為に内装に高級素材を使用している点は考慮が必要だ。

上記のようにベースグレードよりも80万円も高いだけあって、シートはフルレザーで座面には通気孔も開いているし赤い糸のステッチなど凝っているが、さてベースグレードはというと‥‥未だ見たことがないので何とも言えない。いやその前にベースグレードって売っている (在庫がある) のだろうか?

なおパワーシートのポジション調整用スイッチはシートフレーム側面に‥‥は無い。

ドアのインナートリムは一見すると結構高級そうに見えるが、よく見れば樹脂の一体成型の部分が多く、パッドとなっているのはアームレストとその周辺の肘が当たりそうな部分のみだ。それでもレッドステッチが少しは華を添えているが、まあこの程度は国産Cセグメント以上の上級グレードなら珍しくもないのが現状だが‥‥。

前述のシートのポジション調整スイッチはドアノブの隣にあり、3ポジションのメモリースイッチも見える。

ダッシュボード全景も最近のトレンドに沿ったものだが、何となく安っぽい気がする。

センタークラスターのオーディオやエアコンのパネルは如何にもプラスチッキーだし、更にコンソールも同様の質感だ。なお最近のメルセデスの流儀に従ってコンソール上に AT セレクターは無い。

AT セレクターは上級モデルと同様でステアリングコラムのレバーを使用する。ダッシュボード右端の回転式ライトスイッチはドイツ車でおなじみのタイプで、その左にはスタートスイッチが、そして下端にはパーキングブレーキのリリースレバーが配置されているが、全体の雰囲気はやはりチャチい。

まあ写真だから何とも言えないが、それでも安っぽい雰囲気は十分に感じられ、これがシートだけは高級な為に余計チグハグとなってしまっている‥‥ような。

以上2017年4月16日掲載分


ルーフ中央先端にあるオーバーヘッドコンソールは意外にも凝った作りで見た目は決して悪くない。そしてフロントコンソールの後端は例によってリア用のエアアウトレットとなっているのも定番だ。ここでも赤い糸のダブルステッチが高級感を醸し出す演出をしている。

ステアリングホイールも上級グレードだけあって中々立派なものが付いている。

最近のメルセデスは一部の車種ではメータークラスターのフル液晶ディスプレイ化を初めたが、このクルマはそこまでは至っていないが自光式が輝くという面では以前のメルセデスでは考えられなかった事だ。まあ確かにこのタイプはコントラストが高くて見やすいことは事実だが、欠点は‥‥国産車っぽい事か。

ペダルについても80万円高のご利益は立派なアルミスポーツペダルにも現れている。

さて今回のB180 をどう評価しようか? クルマは走ってナンボだから試乗をしていないクルマにどうのこうの言うのは間違っているのは承知の上だが、まあ展示車を見た状態で言えば‥‥う~ん、個人的にはこのクルマに 400万円近くを投資する気にはとてもじゃあないがなれないなぁ。Bクラスは本来米国向けとしてAクラスをベースに少しボディーを大きくしたモデルで、米国のメルセデスサイトで価格を調べたら何と 39,900ドルとなっていたから、一般に米国に比べてかなりの割高な設定をしている日本国内価格にしては実は割安なようだ‥‥と思ったが、なんか変だ? それで更に調べてみたらば B250e というハイブリッド車だった。因みに日本ではこのハイブリッドは販売されていなくて、ガソリンの B250 4マチックというモデルがあるが、これは 505万円もする。

話を日本国内販売に戻して、このBクラスの売れ行きはと言えばこれがまた結構好調らしく、EクラスやCクラスに迫る販売台数だという。う~ん、やっぱりスリーポインテッドスターの威力は絶大ということか。

以上2017年4月18日掲載分