日産ノートがマイナーチェンジを実施し、新たにハイブリッドモデルが追加された。日産のハイブリッドって、もしかしてあのナンチャってハイブリッド?
いえいえ、今回は何と‥‥世 界 初 の‥‥“自ら発電する電気自動車”で、日産では e-POWER と呼んでいる。これは要するに電気自動車の電源を大型バッテリーではなく発電専用のエンジンとしたもので、鉄道の分野では既に実用化されている。駆動はモーターが行うから特性は電気自動車と同様に電気モーターの特徴である強大な低速トルクを発生するし、大型バッテリーと違い充電する手間がないなど、結構メリットも大きい。
その発電用エンジンは、何を隠そうノートの 1.2L で型式も HR-12DE と変わらない。出力も 76ps と同じだがトルクは多少特性が違うようだ。他社の B セグメントハイブリッドと比較すると、モーターだけを見ればノートが圧倒的に強力なのが判るが、ノートはエンジン駆動が無いからモーター出力=システム出力であり、これは109psとなるが、トルクは 254Nm と 2.5L エンジン並だ。
価格としてはライバル他車と同価格帯でベースグレードなら200万円でお釣りがくる。そして燃費もあのトヨタのベストセラーハイブリッド車のアクアよりも 0.2㎞/L (わざとらしいっ!) 勝っている。
なおノートには当然従来からのガソリン車もある訳で、こちらはマイナーチェンジで多少変更はあるとは言え、基本的には変わらないようだ。
⇒ NISSAN NOTE X & MEDALIST 簡易試乗記
ここでハイブリッド車、" e-POWER" のエクステリアを見ると、まあ外観的に特にハイブリッドらしきものは見当たらない。
以上2017年1月20日掲載分
最近のビッグマイナーチェンジではお約束となったフロントグリルとバンパーの変更は当然実施されていて、今回は最近の日産のアイデンティティ (とまでは行っていないが) である ”V” 型のライン (V モーショングリルというらしい)となった。
リアついては一見変更が無いかのように見えるが、良く見ればバンパー下端の形状が変更されているし、大型のリフレクターも追加された。
ハイブリッド車といっても大型バッテリーが無いのでリアラゲージルームはガソリン車と変わる事は無い。
床板を持ち上げるとそこは工具スペースとなっている。加えてバッテリー、と言ってもガソリン車と同容量のものが見える。
エンジンルームの中は車両左側3分の1は電気モーターの駆動・制御装置と思われる電気機器が居座っている。
ガソリン車と比べるとハイブリッド車はエンジン位置はそのままでバッテリーの位置に電気制御機器を設置したのが判るだろう。そのためにエンジンルームを追い出されたバッテリーはリアラゲージルームの床下に転居したのだった。
車両右側付近の隔壁部分を拡大してみると、そこにはこれまたガソリン車と同じマスターシリンダ&バキュームブースター (真空倍力装置) が見える。
モーター制御機器は如何にもそれらしくアルミダイキャストのカバーとオレンジ色のケーブルで雰囲気を盛り上げている。形状を見ればスペース一杯に詰め込んでいるのが判るだろう。
以上2017年1月22日掲載分
アルミホイールは MEDALIST に標準でSにオプション設定されている。タイヤサイズはXが 185/70R14 で MEDALIST とSは 185/65R15 となる。それにしても下の写真は 65扁平だが、最近の常識からすれば随分ハイトが高く見える。
ブレーキユニットはフロントがベンチレーテッドディスク、リアがドラムブレーキというのはBセグメント車としては標準的だ。
室内はシートの縁にある白いラインが妙に目に付くがこれはグレードがXの場合で、他のグレードでは少し異なる。
そのXグレードの目立つシートの表皮はトリコットを使用している。ポジション調整は全て手動で写真のラチェット式シートリフター (運転席のみ) はSには付いていない。
MEDALIST のシート表皮はセンターがジャガード織り (ファブリック) でサイドが人工皮革となる。またサイドは少しブラウン掛かっていてX程には目立たない。
ドアのインナートリムは車格の割には安っぽさは目立たない。なお当然ながら前期型のキャリーオーバーで大きな変化はない。
Xグレードでは一部パッドの部分がシートサイドと同様のホワイトとなっている。
MEDALIST ではパッド表皮はシートセンターと同じジャガード織りで、パワーウィンドウスイッチパネルはブロンズ色に表面処理されている。
なお価格はS:177.3万円、X:195.9万円、MEDALIST : 244.4万円で、MEDALIST の高いのには驚く。これはやっぱりXが売れ筋と思われるし、200万円を微妙に切る価格設定も買い得感を感じさせる戦略と見た。
以上2017年1月23日掲載分
ダッシュボードについては当然だが前期型と変わりはない。
センタークラスターに装着するナビはオプション扱いで市販のオーディオ一体型の流用というのも前期と変わらないし、元々このクラスは他社も同様だがマツダのだけはシステム化されている。詳細は
⇒ MAZDA AXELA HYBRID & 15S (2013/12) 簡易試乗記
エアコンの操作パネルも前期型と変わらないが、e-POWERではXグレードでも写真のフルオートエアコンが標準装着される。なおガソリン車のXではショボいマニュアルエアコンとなる。そしてSグレードでは、んっ、装備表のエアコンの欄が空白? 実は何とエアコンレスだったのだ! ということは、燃費 (JC08) でアクア (37.0㎞/L) よりも 0.2㎞/L 勝っているのは、エアコン取っ払ったグレードだからだった。
ダッシュボード右端にはスイッチ類が並ぶのも従来どおりだが、写真右下を見れば判るが質感は実にプラスチッキーだ。
前期型と大きく違うのはコンソールで、ハイブリッドらしく極めて短いレバーを使った電子式のセレクターが付いているが、勿論ガソリン車は従来どおりだ。このセレクターを見るとパーキングブレーキは当然電動式と思いきや、コンソール後方のレバー式だった。まあハイブリッド専用車ではなくあくまでノートだから仕方無いが。
メーターもハイブリッドということでガソリン車とは大いに異なっているが、中央が大径速度計という構成は変わりない。
ペダル配置については、アクセルとブレーキの踏み間違い事故の報道が多発している今日この頃としては、もう少し右に寄せても良さそうだが。
さて日産が起死回生で放った独自のハイブリッド車だが売れ行きは可成り良さそうで、日産の営業マンいわく「(本格的な) ハイブリッドがこんなに売りやすいなんて知らなかった。これじゃトヨタさんの営業マンは楽なわけだ」だって。
以上2017年1月24日掲載分
⇒ NISSAN NOTE e-POWER 試乗記 (2017/2)