レジェンドといえばホンダのラインナップのトップに君臨する高級セダン‥‥だった筈だが、さて今はどうなっているのだろうか?
実は2015年2月に5代目として FMC されているから既にマル1年以上が経過していた。御存知と思うがレジェンドは米国ではホンダの高級車ブランドであるアキュラチャンネルで "RLX" として販売されていて、まあこれがあるからモデルとして継続出来ている訳で、国内市場だけでは全く成り立たないだろう。
その現行レジェンドは全てハイブリッド、しかもワングレード販売となっている。そこで国産の最高級セダン比較と言うことでライバルとしては当然ながらレクサス車から選ぶことになる。それでレクサスの最上級セダンは "LS" であるが、特にハイブリッドモデルなんて安くても一千万円超えだから、680 万円のレジェンドとは違うカテゴリーのクルマだ。という事は、その下の "GS" がライバルだろうか?確かに価格的にはレジェンドに近いが、GS はサイズ的にはEセグメント、すなわち米国市場ではメルセデス・ベンツEクラスや BMW 5シリーズと同じカテゴリーとなるが、まあとりあえず比較相手としておこう。
そしてもう一車種は日本名ではシーマだが、これは米国ではニッサンのプレミアムブランドであるインフィニティチャンネルで販売される M35hL であり、 M35 (日本ではフーガ) のハイブリッド & ロングホイールベースモデルだ。そういう意味ではレジェンドに近いかもしれないが、要するに国産車の中で米国市場でメルセデス Sクラス と張り合えるのはレクサス LS のみと言う事になる。
実車を目の前にすると、まあ結構大きいセダンなので高級車なのだろうとは思うが、何やら国籍不明的なところもあり、グリルにあるホンダの ”H" マークがコヨに曲がっていても違和感がない、と言ったらホンダオタク (ホンヲタ) が怒り狂うだろうが‥‥。
おっと、そう言えば一覧表にスバル車が入っていなかった。こりゃまた、スバヲタから何でスバルが無いんだ、っていう怒りのメールが来るかもしれないなぁ。
ところで Legend (Aqura RLX) の米国での販売価格は$54,450~60,450 であり、対するレクサス LS は、ハイブリッド & ロングホイールベースの LS 600h L が何と$120,440 と RLX の倍だった。
因みに GS 450h は$63,080 で、Infiinty は‥‥車名体系が代わって M ではなく Q になったはずだが Q70h $55,900 (要するにフーガのハイブリッド) はあるが、70h L は見つからなかった。なおガソリン車でロングホイールベースの Q70L は$51,350 で販売されている。
以上2016年3月28日掲載分
今回はレジェンドのエクステリアから‥‥
フロントビューは "H" マークがなければ何処のクルマか判らない、何て書くとホンダファンからは五角形のグリルがホンダのアイデンティティーだぞっ!って怒られそうだが、マツダだって五角形だぞっ! と言い返せば、ハテ、どんな反論が来るだろうか。まあホンダファンは概ねスバルヲタ程には過激ではない。だからホンダヲタというよりもホンダファン程度の表現で十分だ。
とはいえ、前回NSX が発売された時なども即座にバックオーダーの山となったように結構金持ちもいる。スバヲタの場合は精々400万円代の STi ‥‥あれっ、ここは特別編じゃなかった。
サイドビューは流石に全長5m もあるから如何にも高級車らしく見える。が、これもホンダとしての特徴は何もない。というよりも、BMW 7シリーズ辺りと似ているようにも思えるが‥‥。
フロントでさえ特徴がないのだから、リアにアイデンティティーがあるわけがない。それでも左右のテールランプをつなぐクロームのラインが特徴的だが‥‥これも何処かで見た覚えが。
ヘッドライトは小さ目のランプユニットらしきものが5個くらい見えるのは如何にもLED っぽいが、実際には‥‥いや、やっぱりハイ/ローともオートレベライザー付きの LED ランプだった。
リアのエンブレムには SH-AWD のロゴがある。
レジェンドのエンジンはV6 3.5L 314ps 371N-m という自然吸気としては実に立派な数値だが、でハイブリッド方式だからこれにフロント48ps、リアは左右に各37ps の電気モーターがサポートする。元々ホンダは V8 エンジンを持たないためにレジェンドは V6 で勝負するという苦しい台所事情があったが、新型はダウンサイジングやハイブリッド化の並に助けられたようだ。
下の写真を見れば、このエンジンはどう見ても横置きに見えるが、まあホンダには縦置きのRWD に使うエンジンやトランスミッションが無いから当然だが、ハイブリッド化の恩恵でリアに単独のモーターを使うことで事実上の FF 車がAWD車に変身した。
エンジンのトップカバーには "HONDA" と "EARTH DREAMS" と書かれた立派なエンブレムがある。
標準装着のタイヤサイズは 245/40R19 だが、ホイールは随分と大人しいデザインを採用している。
ブレーキはフロントに2ピストンキャリパーが使用されているが、680万円ではオポーズド (対向ピストン) キャリパーを採用するのはムリだったようだ。えっ? ニッサンはもっと安いフーガに前後オポーズドキャリパーを使っている、って。あっ、それは聞かなかった事にする。
以上2016年3月31日掲載分
今回からインテリアに目を移すツもろだったが、その前に大事な項目を忘れていた。そう、トランクスペースの件で、何故コレが大事かといえばハイブリッド車の多くはリアシートバックレスト後方に大型バッテリーを積載するケースが大く、この場合はトランクスペースにしわ寄せがくるからだ。
それで実際はといえば、やはり奥行き方向に可成り狭い。全長5m のクルマとしては情けないスペースだが、それでもゴルフケース2個は積めそうだ。あれっ? クルマのトランクって、普通はゴルフバック4個のスペースが要求されるんじゃあないか、なんて言っている一般社員のキミっ。このクルマはホンダ系列とかホンダに納品しいる企業等の役員車だから、多くの場合はショーファードリブンであり、その辺の下っ端のように4人が乗ってのゴルフ特急便的な用途は無いのだよ。
ドアを開けてみると室内の雰囲気も世界の標準的な高級セダンのもので、考えてみればレジェントとして国内で販売する台数は極少ない訳で、その殆どは米国でアキュラブラントとして販売されるのだから、世界基準なのは当然だろう。
フロントシートの形状もセミバケットで、まあこれもまた欧州車と比べても違和感はない。
前述のようにレジェンドは国内ではホンダ関連企業の役員車としての用途が多いだろうから、当然ショーファードリブンの確率も高いであろう。その為にリアのバックレストに組み込まれたセンターアームレストにはリア用としてオーディオ、エアコンそしてサンシェードのコントロールスイッチが仕込まれている。と言っても意外にシンプルで、Lexus LS の上級モデルのようなコレでもか、というものではない。
シート表皮は当然ながら本皮で、ベンチレーション機構とシートヒーターも組み込まれている。
シートの調整も言うまでもなく電動式で左右とも8ウェイパワーシートを装備している。
以上2016年4月4日掲載分
ドアのインナートリムは流石にホンダとしては最高級セダンのポジションにあるクルマらしく、一目見ただけでも高級そうに見える。
アームレスト付近を拡大してみると、磨き上げられたウッドトリムやシッカリしたステッチの入ったレザーで追われたパッドなど質感は高い。そしてスピーカーのフレームには ”KRELL” のエンブレムがあるが、その KRELL (クレル) って一体何かといえば‥‥はて? そこで調べてみたら最高級オーディオのブランドに一つであり、格としてはマークレビンソン (1973年~) 並という (本当かよ?) 。まあマークレビンソン自体がどちらかと言えば新興メーカーだが、このクレルは更に新しくて1979年の創立という。そのマークレビンソンはレクサスのカーオーディオに採用されているが、ぶっちゃけブランドだけで中身は日本の大手音響メーカー製という。
それでクレルブランド高級オーディオの日本での販売価格を調べてみたらば、例えば KRELL S-550i というプリメインアンプが79万円也!。えっ、プリメインアンプって? 普通高級オーディオってプリアンプとメインアンプは別でしょうに‥‥。プリメインアンプ、別名インテグレーテッドアンプといえば家庭用安物アンプの代名詞なのだが?
この KRELL 製品の日本での輸入代理店は何と有限会社○○というところで、あっ、いや別に有限会社では駄目とは言わないが、まあ大手が手を出さないということは殆ど売れていないのだろう。それでもホンダが自社の最高級セダンのカーオーディオに採用しているところをみると、米国では有名なのだろうか?
なおマークレビンソンの輸入元はハーマンインターナショナルで、ここは他にも JBL、AKG、Harman Kardon' などの輸入を行っているし、本社は米国にある上場企業の Harman International、要するにハーマンカードンそのものであり、上記の JBL やAKG も今ではこの会社の所有するブランドということらしい。
考えてみたらばマークレビンソンのオーディオアンプが如何に高級かという説明をしてなかった。そこで下の写真をご覧いただければ解ると思うが、プリアンプが 390万円でパワーアンプはモノラルで170万円なのでステレオでは2台使って340万円であり、プリとメイン合わせるとオーディオアンプへの投資は730万円也!
ところで男の趣味として王道的三種の神器はクルマ、カメラ、オーディオという事らしい。確かにどれもメカモノで上級モデルは一般向けと比べて恐ろしく高価なところなど共通点も多そうだが、そうは言っても価格的にはクルマがダントツに高価な事に変わりはない。例えば100万円のカメラといえばプロが使っているようなモデルだが、100万円のクルマは最低価格帯となるというくらいの差がある。
更に考えてみるとクルマとカメラは使いこなし次第では高級品の良さが全く発揮されないし、逆に低価格品でもテクニック次第では価格が何倍もするものに太刀打ち出来るという点では共通点がある。取り分けカメラの場合は最終目的はカメラ自体ではなく出来上がった作品だから、場合によっては2万円のコンデジでも100万円のプロ機に勝るほどの作品が出来ることも有り得るわけだ。
それではオーディオはといえばカメラのように作品を作るわけでもなく、クルマのように運転テクニックが必要なわけでもなく、まあ勿論コテコテのマニアになるには特殊な知識は必要だが、ハッキリ言って CD かなんかを再生するだけだから、これで700万円のアンプの真価をどうやって出すのか知りたいものだ。
ただし、世の中が CD になる前の主たる音源であったアナログレコード、つまり黒いビニールの丸い板状で直径は30㎝ の例のヤツだが、実は CD と違い相当な広帯域で情報が入っていたから、高級オーディオの真価は結構発揮できたものだった。
ところで話が前後してしまったがプロ用のオーディオ機器、たとえば業務用の大出力アンプっていくらくらいするのだろうか。マークレビンソンとか使うのか?
実は業務用音響機器というか俗にプロオーディオといわれている機器は、家庭用とは全く別の専門メーカーがあったりして、これがピュアオーディオと言われる家庭用の高級オーディオに比べて驚くほど価格が安い。なにせプロ相手だから電子機器の値段なんて判っているわけで、ボッタクリなんて通用しない世界だから、実に良心的な価格となっている。勿論スタジオ用機器の一部には一千万円級のものもあるが、それはそれだけの内容だからであり、素人相手に原価より一桁以上も吹っ掛けるのとはわけが違う。
という訳で、このプロオーディオを家庭用として使うというのは中々合理的であり、勿論一部では結構ブームとなってもいる。これについては機会を新たに紹介してみたいと思っている。
以上2016年4月5日掲載分