TOYOTA Corolla Sport 1.2 MT
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試乗車は1.2L ターボ でグレードは G "Z" 6MT 、価格は238.7万円と決して安くは無い。乗り込むためにドアを開けると、ツートーンのスポーツシートが目に入るが、これはオプションの本革+ウルトラスエード (センシャルレッド) (175,500円) が装着されているという事だ。

ドライバーズシートに座るとセンターのウルトラスエードの適度に柔らかくて滑りが殆ど無い事と、柔らか目の座面のクッション、そしてシートバック両端の峰の高目なスポーティーな形状と共に、この座り心地は結構高評価が与えられる。

エンジンのスタートはブレーキを踏んで丸いボタンを押すと言う極普通の動作でエンジンが始動する。正面のメーターに明かりが灯り、ブルーを基調とした LED 表示は視認性は良いが中央のディスプレイ部分は字が細かくて年寄りには辛いが、まあこのクルマの出で立ちを見ればジジババ向きで無いのは間違いない。

発進の為にクラッチを踏むとその踏力は軽く、ミッションを1速に入れてユックリとクラッチをミートさせると、クルマはスムースに前進したので前車の手前で停止する。やがて前車が発進して、こちらは一時停止の停止線まで前進するが、相変わらず軽いクラッチはミートも容易で、このような寸動でもストレスは無い。やがて発進して本線に入り、ここで少し速度を上げてみると、スムースなエンジンと共にトルクのピークも感じられず、この程度の加速なら特に問題は無い。

しかし、ここのコースは直線が短いから例え最高速度が 40km/h とはいえモタモタと加速していると直ぐに直角のコーナーがやって来るから、早くもここでフルスロットルを踏んでみる。すると今までは充分なトルク感と思っていたエンジンは思いの外回転計の針の上がりが遅く、要するに加速が悪い。結構スポーティーなシート等の雰囲気からある程度の加速を期待すると裏切られる事になる。そう言えばこのクルマのエンジンは C-HR の1.2ターボと同じだったのを思い出す。その C-HR よりは90kg軽い車両重量からもっと活発に走るかとも思ったが結局、 P/W レシオで言えば12.0 が11.3kg/ps に向上した程度では遅い事に変わりはないのだった。

急旋回の石畳をユックリと走ってからまた直線に至る直前までは全て2速で走行したが、直線でフル加速する準備として1速にシフトダウンする。幾ら速度が落ちているとは言っても走行中で1速にシフトダウンとなると、そう簡単には入らないクルマも多いが、試乗車は大した力も必要無く簡単に1速に入れる事が出来た。また走行中のシフトは軽くスムースであり、この6速ミッションは中々良い。トヨタの MT はトヨタ系であるアイシングループのアイシン・エーアイ社にて生産しているが、ここはポルシェから 911用MT の生産委託を受けている事もあり、ポルシェのノウハウを吸収したと言われているが、確かに今回の6速もポルシェ用に近いスムースさだ。

さて直線に入って1速でのフル加速はやはりトロイ!右足は必死にベタ踏みしているのに、回転計の針の上がっていくのは苛々するくらいに遅いし、まあこれは如何にもならないが‥‥。直線でのフル加速でやっとの事で制限速度の40kg/h に達したと思ったら前方の信号機が赤になった。ここは前車との車間を大きく取るためにまず大抵の場合は赤になる。

短い信号待ちの後に青になり、また発進してフル加速をしながら、このコースの目玉であるジグサグのスラロームに突入する。そしてチョイと速目の速度で左から次に右にステアリングを切るが、ハッキリ言って FWD らしいアンダーステアはハッキリと感じる。同じ FWD でしかも遥かに大柄なカムリを同じ場所で試した時の予想外のニュートラル感で、トヨタは完全に方針を変えたかと思ったが、カローラスポーツはスポーツと言う名前には似つかわしく無く、やっぱりオヤジクルマのカローラそのものだった。なお操舵力自体は軽いが、中心付近からのレスポンスは決して良く無いのは、まあ想定通りだった。

試乗車には G "Z" の標準である 225/40R18 という扁平なタイヤが付いていたが、その割には乗り心地は悪く無かった。勿論波状路では硬いサスに揺すられるが不快感は無い。ブレーキは極普通の鋳物の片押しシングルピストンだが軽い踏力で良く効くのは最近の国産車の常だ。

結局試乗の結果はアンダーパワーのエンジンと、見掛けの割にはアンダーステアーが強くてスポーティーとは言えない操舵性等、それでも二百数十万円という価格では敢えてMT を選ぼうというユーザーにはとても薦められない。C-HR も含めて、トヨタの 1.2L ターボエンジンは明らかにパワー不足であり、このエンジンを改良してパワーアップするか、1.5L 位のターボを新たに開発する必要がありそうだ。ところで噂によるとカローラクーペに近い将来、新開発1.6L直噴直3ターボ 250psエンジンを搭載するスポーツモデルが登場するという。まあ 250ps も良いが、それ以前にその 1.6L ターボから 160ps 程度を発生するエンジンを標準とすべきではないだろうか。勿論価格は 1.2 から据え置きで!

なおカローラ スポーツの内外装の写真については 8月29日からの日記を参照されたい。

注記:この試乗記は2018年8月現在の内容です。