ブレーキペダルは初期の遊びストロークは大きめだが、それを過ぎてからは適度の踏力と、これまた適度の効き味で、決して高級ではないこのクラスの、しかもミニバンとしては充分合格点が与えられる。
さて、ここで同じクラスのミニバンであるニッサンセレナとホンダステップワゴンの諸元を比較してみることにしよう。
なお、セレナは11月末に発売されたばかりの新型車である。
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TOYOTA |
TOYOTA |
TOYOTA |
NISSAN |
HONDA |
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NOAH S |
NOAH X |
WISH 20G |
Serena 20X |
Step wagon
2.0L |
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車両型式 |
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DBA-ZRR70W |
DBA-ZRR70G |
DBA-ZGE21G |
DBA-C26 |
DBA-RK1 |
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寸法・重量・乗車定員 |
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全長(m) |
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4.635 |
4.595 |
4.590 |
4.730 |
4.690 |
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全幅(m) |
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1.720 |
1.695 |
1.695 |
1.795 |
1.695 |
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全高(m) |
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1.850 |
← |
1.590 |
1.840 |
1.815 |
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ホイールベース(m) |
2.825 |
← |
2.750 |
2.850 |
2.855 |
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駆動方式 |
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FF |
← |
← |
← |
← |
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最小回転半径(m) |
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5.5 |
← |
5.3 |
5.2 |
5.3 |
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車両重量(kg) |
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1,590 |
1,580 |
1,380 |
1,510 |
1,600 |
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乗車定員(名) |
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8 |
← |
7 |
8 |
← |
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エンジン・トランスミッション |
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エンジン型式 |
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3ZR-FAE |
← |
← |
MR20DD |
R20A |
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エンジン種類 |
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I4 DOHC |
← |
← |
← |
I4 SOHC |
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総排気量(cm3) |
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1,986 |
← |
← |
1,997 |
1,997 |
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最高出力(ps/rpm) |
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158/6,200 |
← |
← |
147/5,600 |
150/6,200 |
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最大トルク(kg・m/rpm) |
20.0/4,400 |
← |
← |
21.4/4,400 |
19.7/4,200 |
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トランスミッション |
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CVT |
← |
← |
← |
← |
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燃料消費率(km/L)
(10/15モード走行) |
14.4 |
14.4 |
15.2 |
15.4 |
14.2 |
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パワーウェイトレシオ(kg/ps) |
10.1 |
10.0 |
8.7 |
10.3 |
10.7 |
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サスペンション・タイヤ |
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サスペンション方式 |
前 |
ストラット |
← |
← |
← |
← |
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後 |
トーションビーム |
← |
← |
← |
← |
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タイヤ寸法 |
前/後 |
205/60R16 |
195/65R15 |
195/65R15 |
← |
← |
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ブレーキ方式 |
前/後 |
Vディスク/ディスク |
Vディスク/ドラム |
Vディスク/ディスク |
← |
← |
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価格 |
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車両価格 |
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230.0万円 |
209.0万円 |
226.0万円 |
233.1万円 |
240.8万円 |
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備考 |
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11月新発売 |
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今回試乗した”S”というグレードは、アルミホイールと16インチタイヤ(205/60R16)や4輪ディスクブレーキ、そしてシート表皮は欧州調の平織りというモデルだった。それに対して旧来のトヨタ的なグレードである”X”を初めとして
、その他のグレードの場合はリアがドラムブレーキであり、シートは如何にもトヨタ臭いトリコットだった。
と、言う事はSの安定感などはそれなりの味付けをしているからであり、平織りファブリックが安っぽいと感じるユーザーにはリアブレーキなんてドラムで充分だというトヨタの思想ではないか。となると、他のモデルの走りはウィッシュ並ということも有り得るかもしれない。
そういう事を考えると、今回のノアは意外にもマトモな走りをしていたのは、Sというグレードだからである可能性も出てきた。
流石はトヨタ!日本のB層のバカさ加減を良く知っているし、また一部には走りを重視するが家庭の事情で仕方なくミニバンを買う層がいることもお見通しで、そういうユーザーの為にSというグレードを用意している、という想像も強ち間違いでは無さそうだ。
ミニバンを買うなら、目的とするグレードに試乗して、目的にあったグレードを確定しないと、ただノアということで選ぶと酷い目にあることは間違いない。ご用心!
そういう意味では1.8Lのアリオンに試乗して結果が良かったので少しパワーの少ない1.5Lで充分と思って、1.5には試乗せずに買ってみたら、あっと驚くグニャグニャステアリングで泣く泣く速攻で売却したという話もある。
という訳で前回のウィッシュのボロクソ結果から、今回は更に惨憺たる結果を期待していたセレブの皆様のご期待に沿えずに誠に申し訳ない気持ちで一杯だが、でも、まあ感の良い常連さんならば、試乗編に突入する前に特に警告も無かった事から、ボロクソ評価ではない事を察していただろう。
ところで、今回の評価が結構良かったからといって、庶民のミニバンが
同じく背の高いカイエンやX5のような安定感と高速性能を持っている訳ではなく、あくまでファミリーミニバンということを考えた割にはマトモに走ると言う事なので、
この点は誤解なきように。
注記:この試乗記は2010年11月現在の内容です。
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