HONDA Fit Hybrid 前編  ⇒後編
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新型インサイトで本格的にハイブリッド(以下Hyb.)車市場に参入したホンダは、Hyb.第二弾としてスポーツクーペのCR−Zを発売した。そして、今回の第三弾はコンパクトカーのベストセラーであるフィットにHyb.を載せたことにより、ベースグレードでは159万円という低価格を実現した。 先ずは、これら3車種の諸元を比較してみる。

 
    @ A B
      HONDA HONDA HONDA
      Fit Hybrid Insight 1.3G CR-Z α
 

車両型式

  DAA-GP1 DAA-ZE2 DAA-ZF1

寸法重量乗車定員

全長(m)

3.900 4.390 4.080

全幅(m)

1.695 1.695 1.740

全高(m)

1.525 1.425 1.395

ホイールベース(m)

2.500 2.550 2.435

駆動方式

FF
 

最小回転半径(m)

  4.9 5.0 5.0

車両重量(kg)

  1,130 1,190 1,160

乗車定員(

  5 4

エンジン・モーター

エンジン型式

  LDA LDA LEA
 

エンジン方式

   I4 SOHC

総排気量(cm3)

1,339 1,496
 

最高出力(ps/rpm)

88/5,800 113/6,000

最大トルク(kg・m/rpm)

12.3/4,500 14.7/4,800
 

トランスミッション

CVT CVT/(6MT)
 

モーター型式

MF6
 

モーター最高出力(ps)

14/1,500
 

モーター最大トルク(kg・m)

8.0/1,000
 

燃料消費率(km/L)
(10/15モード走行)

30.0 30.0 25.0

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

ストラット

車軸式

タイヤ寸法

  175/60R15 215/55R17 215/45R18

ブレーキ方式

前/後

Vディスク/ドラム ディスク/ドラム Vディスク/ディスク

価格

車両価格

159.0万円 189.0万円 249.8万円

備考

    データはCVT仕様

こうして見ると、3車種全てに同一のモーターが使用されていて、エンジンもフィットHyb.はインサイトと全く同じで、要するにHyb.システム自体も同一であることが判る。そして、CR−Zの場合はガソリンエンジンこそ他の2車より少し大きいが基本的には、こちらも同一のシステムである。

今回の試乗車はベースグレードに対して、ディスチャージヘッドライト、スマートキーシステム他が付いたスマートセレクション(172万円)にオプションのナビが付いて198.5万円というクルマだった。エクステリアは基本的にはガソリン車と同一だが、フロントライト の反射鏡がブルーで、テールランプ(写真右下)もクリアレンズがブルー系になっている。
 

  

リアのハッチゲートを開けてみるとHyb.でありがちな高い床面ということはなく、狭いなりにも最小限のラッゲージスペースは確保されているし、リアシートを畳めばバンのような使い方もできるから、実用性は充分にある。 フィットは元々燃料タンクをフロントシートの下に設置してあることから、Hyb.用バッテリーを他社の燃料タンク位置に置けることが、スペース確保に効いている。

  

ボンネットを開けてみると、一見ではこれがHyb.車であることが判らないくらいにコンパクトにフィットのボンネット内にフィットしている(ツマラナイおやじギャグにて失礼)。そこで中を覗いてみると、成る程、モーターらしきものがエンジンとミッションの中間に見える (写真右上)。

 

フィットで改めて驚いたのはリアスペースの広さで、とに角足元のスペースが充分にあるし、フロントシートの下部の空間にリアパッセンジャーの足を入れることで更に広く感じ られる。 しかも、リアシートはリクライニングが可能で、バックレストを多少寝かせる事が出来る。Bセグメントのコンパクトカーでこれ程までにリアの居住性を考えているクルマは 他に思い当たらない。 伊達にベストセラーになっている訳ではないようだ。

室内は基本的にはフィットその物だが、シート表皮はHyb.専用として網目のようなデザインのスエード調となっていた(写真右下)。ガソリン車に対して高級感を持たせたとの事だが、もっとシンプルで丈夫な欧州車的平織りの方が好ましいのだが、その手の生地を使うとチャチだと批判がでるらしい。

 

エアコンやオーディオの操作は、ガソリン車と同様にフィット独特の逆L字型に配置されたスイッチを使用する。なお、下の写真のパネル類がシャンペンゴールド塗装となっているのは、スマートセレクションというグレードの装備の一つで、ベースグレードではもっと質素になる。と、いっても、試乗車が豪華とは言えないが。

 

元来フィットのシートは国産コンパクトカーとしては最も出来の良い部類だったが、Hyb.も同様に座り心地は良い。各部の調整代も充分あるから、長身のドライバーでも良好なポジションが取れる。まあ、最近の国産車では当たり前 になったが、少し前のクルマは175cm級以上のドライバーだと、シックリするポジションが見つからず、結局は股を浮かせての運転など、とてもではないが長時間の運転はやりたくないようなクルマが殆どだったものだ。
 

基本的にフィットその物の室内で、イグニッションをオンにするが、この続きは後編にて。

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