LEXUS HS250h Version I (2009/7/25) 前編 ⇒後編

     
プリウスと異なりオーソドックスな4ドアセダンであるHS250h。フロントスタイルはグリルのクロームメッキと
ブルー地のレスサスマークがハイブリッドであることをイメージしている。フロントサイドウィンドウ先端は三角窓
となっていてドアとは別なのもプリウス譲りでレクサスとしては珍しい。

レクサスといえば4年前の2005年に鳴り物入りで新規展開されたが、欧米などの海外では今やベンツ・ビーエム以上の人気ブランドがいよいよ日本でも展開される、と当時はマスコミなどが大騒ぎをしたものだ。 まあ、実際にレクサスが伸びているのは北米で、それもSUVとデッカいドンガラのウィンダムだったりしたのは今では説明するまでも無い事実として、皆さん認識されていると思うが、当時は マスコミや個人ブログで「日本ではレクサスの価値がわからないブランド好きが多いから、レクサスが伸びない」なんて書いてい たものだった。
さて、当時の B_Otaku はといえば、米国でのレクサスの実情をバラしたり、GSやISをボロクソ評価したりと、傍から見ればアンチLexusと思われたであろうが、別にそんな意図は無く、とにかく世間が間違った認識を持って安易に持ち上げて、後になってこんな筈ではなかったと言うのが目に見えていたから警告しただけだったのだが。そして今、当時あれだけ レクサスを賛美礼賛したマスコミも今では失敗の烙印を押してボロクソ言っていたりする。だからぁ、あの時言ったでしょうに!
と、この話はこれくらいにして、このレクサスから全く新しい車種、しかもハイブリッド専用車が発売になった。今までレスサスブランドのHVはあったが、今回のHSのように専用モデルはトヨタではプリウスに継いで2車種目となる。
エクステリアは写真でも判るようにプリウスがハッチバックを持つ5ドアであるのに対して、HSは真っ当な4ドアセダンとなっている。ただし、Aピラーの付け根がかなり前方にあったり、そのスペースに三角窓を 配し、しかもドアは三角窓の後方に位置するなど、プリウスやミニバンの手法も取り入れているから、ISなどに比べて何となく先進的に感じる。
リアからみるとプリウスとは全く異なり、むしろ同じレクサスのISにメージが似ている。特に横長のテールランプはISソックリだがHSの場合はなぜかクリアレンズが使われている。この手のレンズはどうも高級車には似合わないような気がするが、HSの場合はHVである先進性を表しているのかもしれない(写真1)。
ドアを開ければ、そこに見られる光景は如何にもレクサスで、カローラ級の内装を持つプリウスとは全く異なる豪華さがある。まあ、これを豪華と見るのか、トヨタ丸出し ・田舎の成金趣味と見るかは個人の感性よるだろうが、決して悪くは無いと思う。
 


写真1
リアスタイルはISに通じるレクサスセダンらしいデザインで、プリウスとは全く異なる。
 

 


写真2
車体に大きな電池を搭載するハイブリッド車としてはトランクスペースは許せる広さを持ってはいる。

 


写真3
如何にもレスサスという豪華な室内はプリウスと最も異なる点で、本格的なハイブリッドは欲しいが
プリウスのカローラ級内装が我慢できないユーザーには良いだろう。
 


写真4
8ウェイ調整パワーシートは前グレードに標準装備されているから、HSには手動調整シートは存在しない。

 


写真5
試乗車は高級版のバージョンLのためにレクサスお得意のセミアニリン本革シートが装着されている。
 

 

試乗車は上から2番目のバージョンI(453万円)のためにシートはレクサスお得意のセミアニリン本革シートが装着されている。このタイプの表皮は薄くなめした革の為に当たりは柔らかいが何かひ弱な感じもする。 これはBMWでお馴染みの厚くてシボのハッキリと見える表皮とは正反対で、レクサスのレザーではシボは殆ど認識できない。まあ、この辺も好みの問題なので特にこれ以上のコメントはしない 。
シートに座ってみると柔らかめだが決してフワフワはしないし、国産車としては充分に良いシートとも思える。因みに約40分程度連続で走ったが、体が沈んだり、 腰が痛くなったりすることは全くなかったから、2時間程度の連続走行でも問題は無さそうだ。ブレーキペダルを踏みながらスタートスイッチを押すと、 エンジンが始動するわけではなく、正面のメーター類が点灯し他車で言うところのイグニッションONの状態となる。 まあ、この感覚も既にプリウスで体験しているから驚くことはない。ここで、シートとステアリング位置(上下と前後)を合せて(何れもフルパワー)改めて回りを見回せば、内装は如何にもレクサスだから少なくともプリウスとは比べ物にならないくらいに豪華ではある。もう今更何も言いたくない足踏みオン/オフのパーキングブレーキ (写真8)を解除して、プリウスから外してきたようなセレクターレバー(写真9)でDを選択する。 そして、このレバーの動作もプリウスと同様で、Dに入れた手を離すとレバーはピョンと元 の位置に戻ってしまうから、セレクトされたポジションを確認するのはメーター上のディスプレイを見るしかない。 それにしても、このレバーの質感はもう少しレクサスらしくというか、高級感みなぎるものにならないのか。
 


写真6
これまたプリウスとは比較にならないくらいに豪華なHSのダッシュボード。センターコンソールは
宙に浮いているように見えるがしっかりと支柱が支えてはいる。
 


写真7
メーターは当然ながら自光式で、回転計の変わりにチャージメーターとでも言うのか、充電具合を示すメーターが付いている。

 


写真8
左の小さいペダルがパーキンググレーキで、踏む度にオン/オフを繰り返すタイプ。まあ、今更何も言わないが、プレミアムねぇ〜??
ところでフロアマットは別売で8.6万円もする。フロアマットの保護に安いゴムマットを買って敷こう・・・ナンテ言いたくなるが。
 

 


写真9
セレクターはプリウスから外して付けたような代物で、もう少し高級感を考えろよ、と笑ってしまう。
 

 


写真10
12ボルト電源とUSB端子が付いている。その手前はシートヒーターの温度調整。
 

 


写真11
RXと同じくマウスのように使う「リモートタッチ」。

 


写真12
オーディオ&エアコンのパネルもレクサス基準だからプリウスとは大いに異なる。
 

 


写真13
プリウスと異なりリアの視界は並みのセダンと変わらない。試乗車には電動のサンシェードが装備されていた。

 

写真14
パワーウィンドウのスイッチ部分。写真は最上級のバージョン”L”のためにパネルはウッドが使われている。

この続きは後編にて。

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