AUDI A4 1.8TFSI
(2008/8/12) 前編 ⇒後編
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全長4.705m×全幅1.825mという寸法は少し前のA6並の大きさだ。Dセグメントのライバルと比べても一番大きい。 |
アウディA4といえば、BMW3シリーズやメルセデスCクラスと並んで、Dセグメントの御三家ではあるが、どうも日本においては他の2車に比べてイマイチ。そのアウ
ディとしては幾分知名度のあるA4がフルモデルチェンジ(FMC)され
2008年3月より発売されている。欧州車の場合、マニアの間では歴代の各モデルを区別するのに開発コードで表現することが多い。例えば、先代BMW3シリーズならE46、現行5シリーズはE60とか、現行CクラスはW204など。では、新型A4はといえば・・・・・直ぐに答えられるユーザーは余程のアウディ好きか?何を隠そう
B_Otaku
も即答はできなかった。そこで調べてみれば、B8というらしい。ということは先代A4はB7で、そのまた前はB6という、随分判り易い体系となっていた。そのB7のFMCは2004年だったが、実はこれはビッグマイナーともいえるもので、FMCというのには無理があった。それに比べれば、今回のB8への変身は正真正銘のFMC
といってもよさそうだ。
そこで新型とライバルをスペック上で比較してみれば
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アウディA4とライバル比較 |
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AUDI A4
1.8TFSI |
BMW
320i |
Mercede Benz
C200 |
Lexus
IS250 |
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寸法・重量・乗車定員 |
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全長(m) |
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4.705 |
4,525 |
4.585 |
4,575 |
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全幅(m) |
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1.825 |
1,815 |
1.770 |
1.795 |
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全高(m) |
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1.440 |
1.425 |
1.445 |
1.430 |
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ホイールベース(m) |
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2.810 |
2.760 |
2.760 |
2.730 |
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最小回転半径(m) |
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5.5 |
5.3 |
5.1 |
5.1 |
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車両重量(kg) |
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1,510 |
1,460 |
1,490 |
1,570 |
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乗車定員(名) |
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5 |
5 |
5 |
5 |
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エンジン・トランスミッション |
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エンジン種類 |
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直4 DOHC ターボ |
直4 DOHC |
直4 DOHC SC |
V6 DOHC |
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総排気量(cm3) |
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1,798 |
1,995 |
1,795 |
2,499 |
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最高出力(ps/rpm) |
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160/4,500-6,200 |
150/6,200 |
184/5,500 |
215/6,400 |
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最大トルク(kg・m/rpm) |
25.5/1,500-4,500 |
20.4/3,600 |
25.5/5,000 |
26.5/3,800 |
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トランスミッション |
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CVT |
6AT |
5AT |
6AT |
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駆動方式 |
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FWD(FF) |
RWD(FR) |
RWD(FR) |
RWD(FR) |
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サスペンション・タイヤ |
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サスペンション方式 |
前 |
5リンク |
ストラット |
3リンク |
ダブルウィシュボーン |
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後 |
トラペゾイダル |
5リンク |
マルチリンク |
マルチリンク |
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タイヤ寸法 |
前 |
225/55R16 |
205/55R16 |
205/55R16 |
225/45R17 |
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後 |
225/55R16 |
205/55R16 |
205/55R16 |
225/45R17 |
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価格他 |
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車両価格 |
4,190,000 |
4,110,000 |
4,370,000 |
3,900,000 |
ナビゲーションシステム |
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標準装備 |
オプション |
標準装備 |
標準装備 |
一目で判るのは新A4の外形寸法の大きさだ。先代A4(B7)に比べて全幅55mm(1,770⇒1,825)、全長120mm(4,585⇒4,705)という拡大により、少し前のEセグメント並の大きさとなり、勿論ライバルと比べても一際大きいのが気にかかる。1.8ℓターボエンジンによる性能は、同じ1.8ℓでもスーパーチャジャー
による過給を採用しているC200に対して、数値上では最大出力で一歩を譲るようだ。トルクとしてはC200と同じであり、2ℓとはいえ自然吸気のBMW320
iは、これらに対してトルクでは大きく水を開けられている。3シリーズで25kg・m程度のトルクを発生するには、6気筒の325iが必要となる点では、ライバルに対してハンディがあるのだが、売れ行きからすればトルクなんて必要では無いユーザーが多いのか、それとも”BMW”が欲しくて買う、一点指名買いなのだろうか。
新A4のバリエーションは大きく分けてFFの1.8 TFSI(419万円)と4WDの3.2 FSI quattro(645万円)の2つであり、1.8はオプションパッケージとしてレザーシートなどの豪華装備を装着したSEパッケージ(バイキセノンと同時装着で50万円)および
3.2も含めた両モデルにスポーツ装備のSportバッケージ(1.8の場合はバイキセノンと同時装着で45万円)がある。SEパッケージというのは言ってみればBMWのハイライン相当で、スポーツパッケージはMスポーツというところか。
今回試乗したのは1.8 TFSIのベースグレードだから、価格は419万円。上級モデルに対してはシートがファブリックであることと、7.5J×16&225/55R16という大人しいホイールとタイヤが装着されていることが大きな
違いとなる。
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写真1
独特の6ライトはアウディらしさがあるが、他にはこれといって特徴の無いリアスタイル。 |
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写真2
トランクは奥行きがあり、伊達にFF方式ではないことが判る。 |
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写真3
新型A4の特徴であるLED式のポジションライト。今後国産車でも流行るに違いない。 |
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写真4
こちらは、一足遅れで最近発売されたワゴンモデル(アウディではアバントと呼ばれる) |
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写真5
この写真は豪華版オプションのSEパッケージ装着車のために、レザーシートやウッドパネルが標準となっている。
Eセグメントに近い大柄なボディのメリットは、広い室内を提供していることだ。
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写真6-1
こちらは試乗車の内装で、ベースグレードのためにファブリックシートが装着されている。 |
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写真6-2
そしてSportバッケージのシートは、その名のとおりにスポーツシートが装着されている。 |
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シートに座った瞬間に、どうも着座位置が低めのように感じたので、シート側面の操作スイッチで持ち上げてみたが、頭上の空間は意外に少なかったから、A4の着座位置自体がサルーンとしては低めなのか、とも思ったが其れだけでは無さそうだ。すなわちA4のダッシュボートが少し高めな
ことから相対的に着座位置が低く感じるような気もする。まあ、この件は10分ほど運転したら気にならなかったから、慣れの問題かもしれないが、購入の候補にしているユーザーはジックリと試乗するといいだろう。
シートの座り心地はアウディ&VW系でお馴染みの硬めの座面で、如何にもドイツ車という感じだから、レカロが最高と信じているようなユーザーには評判が良いだろう
(実際にVW&アウディグループのシートはレカロ社のOEM供給が多い)。逆にBMWの少し柔らかめのシートが好きなユーザーは最初はチョット違和感があるが、硬いとはいっても長時間の運転で尻が痛くなる等ということは無いし、個人的にはBMWの中級以下のシートに比べれば、こちらの方が好ましく思っている。
標準シートのファブリック表皮(写真8-1)は欧州車としては一般的な少し粗めに織ったもので、最近は一部の国産車でも徐々に採用しているようだ。この手の表皮は決して見かけは良くないが、耐久性も良いし実用性
というい面では好ましい。
欧州車に高級感を求めるのならレザーシートということになるが、新A4の場合はレザーの内装が欲しければSEパッケージを選ぶ事になる。このレザーシートの表皮(写真8-2)はといえば、BMWのような厚くてシボの深いタイプを使用している。そして、Sportパッケージの場合はサイドと座面で表皮を変えているが何れもファブリック
(写真8-3)で、流行のアルカンターラなどは使っていない。
ところが、後日3.2のSportパッケージ装着車のシートを見たらば、1.8とは異なって座面がアルカンターラでサイドがレザーとなっていた(写真8-4)。
更に3.2では標準仕様でもレザーシートとなり、ファブリックシートの設定はない。考えてみれば、1.8Tと3.2では車両価格が200万円も違うのだから、内装に差があっても当たり前でもあるが。
これらのパッケージオプションを選択するかは、オーナーの好みの問題だが、結果は数十万円の追加となる。1千万円級のクルマならばともかく、400万円級のクルマに数十万円のエクストラコストは、流石に躊躇しそうだ。ディーラーで聞いたところによると、売れ筋は圧倒的に1.8で、しかもパッケージオプション
無しが多いとか。3シリーズではMスポーツやハイラインを結構見かけるのとは対照的だが、考えてみると3シリーズオーナーはM3的なカッコ良さを求めてMスポーツを選んだり、豪華なレザーインテリアに高級ブランドであるBMWを買う満足感を求めたりする傾向
を耳にするが、アウディユーザーは少し嗜好が異なるのだろうか。 |
写真7-1
1.8T Sportパッケージのダッシュボード。基本的にはベースグレードも殆ど変わらないが、
シルバーのトリムが実はアルミエンボスとなっている。 |
写真7-2
SEパッケージのダッシュボード。大きな違いはトリムがウッドとなることくらいだ。
ウッド自体の面積も少なく控えめなため、これでもかの豪華さを求めると期待外れとなる。
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写真8-1
1.8Tのベースグレードはファブリックシートとなる。この手の表皮は見た目は悪いが耐久性は十分にある。 |
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写真8-2
1.8TはSEパッケージ装着でレザーシートとなる。レザーは厚くてシボも深い。なお、3.2ではレザーシートが標準で装着される。 |
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写真8-3
1.8TのSportパッケージに採用されるのは座面とサイドがそれぞれ材質の異なるファブリック。 |
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写真8-4
3.2のSportパッケージに採用されるのは座面がアルカンターラでサイドがレザーのコンビ。 |
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試乗車はベースグレードであったが、シートを除けば内装でSEパッケージとの違いは、トリム
がウッドからシルバー(アルミ?)となる程度のようだ。以前からアウディのダッシュボード等のインテリアの質感は、メルセデスやBMWに比べて出来が良いといわれていたし、確かに先代のオールロードクワトロなどは高級感とセンスの良さ
は抜群で、見た瞬間に欲しくなる程だった。それに対して、最近のアウディは何故か安っぽくなってきたような気がするが、それでもライバル
と比べれば内装の質感や仕上げでは未だに一歩勝っているようだ。ところが、アウディと同一グループで本来は大衆路線の筈のVWも、最近は高級感のアップを目指しているようで、特にVWとしては上級のパサートのV6等はアウディも真っ青のウッドパネル使いまくりだから、むしろ新A4のほうが地味に見えたりする。
以後は後編につづく。
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