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![]() 11月20日、東銀座の日産本社ギャラリーにて。 |
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11月20日に発表された12代目スカイライン(V36)に早速試乗してきたので、一先ず速報版として発表することにする。 日記をご覧のかたは既にご存知と思うが、今回はプレス発表に加えて同日の夜にブロガー向け発表会と題して、昼間のプレス向けと同等の発表会が開催された。 B_Otaku にもお誘いが来たので、勿論出席してきた。今回は初の企画との事で、あらゆる手段を使ってスカイラインの販路を広げようという姿勢を感じたので、これは早速試乗して見なくてはと近所のディーラーで試乗車にナンバーが付いた日の夜の試乗となった。 |
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V36のスタイルに関して多くの人たちが指摘しているのが、写真写りの悪さだ。正式発表前に各種メディアで公開された写真を見て小さなフーガ、もしくは大きなシルフィー と誰もが感じたようだ。 ところが、実際に現車を見てみれば、写真に比べてはるかに見栄えが良い。正面から見ると低くワイドな雰囲気は先代V35のクーペに近い雰囲気だから、背の高いフーガとは全くイメージが異なる。 欲を言えばフロントビューが何となくノメっとしていてナマズっぽいのが多少気にかかるが、それも一瞬だった。これに比べてリアビューはもっと良い。 複雑な曲線で相当に凝ったデザインで独特の雰囲気がある。ところが真横から見ると、決して悪くはないのだが個性が感じられず、最近の4ドアサルーンの主流ではあるが、 もう少しスカイラインとしてのアイデンティティがあっても良かったように思う 。 |
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今回の試乗車は350GT typeSP(380.1万円)に4輪アクティブステア(4WAS、13.85万円)、ナビゲーションシステム(41.895万円)、BOSEサラウンドシステム(12.075万円)その他のオプション満載で車両金額は約450万円、総額500万円という結構な価格となる。 |
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最上級グレードであるTypeSPは標準でレザーシートを装着している。このシートの座り心地は国産車としては良い部類だが、レザーの表皮はグリップという面ではイマイチで衣服によっては多少滑り易い。
既にエンジンは掛かっていたが、アイドリングが静かで振動も感じられないのは流石に最近の日本車で、スポーティというよりも高級車という雰囲気だ。
ブレーキペダルに右足を載せて、さて、パーキングブレーキのリリースレバーは何処かとダッシュボードを見渡しても見当たらず、もしやと思い左端のペダルを踏んだ
らばメーター内の警告が消灯した。
やはりプッシュ/プッシュ式だったのか。スカイラインというからには、足踏み式ならレバーでリリースかセンターコンソール上のハンドレバーにして欲しい。
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今回の試乗車にはオプションの4輪アクティブステア(4WAS、13.85万円)が装着されていた。これは350GTのみにオプション設定されていて、250GTには
オプション設定がない。この4WASの効果は十分で、軽い操舵力とクイックな挙動が感じられる。この感覚を本家BMW5シリーズ(E60)のアクティブステアリングと比較すると、初期の5シリーズのように危険な程クイックではないが、国産車として異例に軽くて反応も良い。違和感も少ないが、本家BMWはその後毎年の改良により、現在では十分な手ごたえをも手に入れている点から比べ
れば、スカイラインも今後は更に改良する余地はある。スカイラインがBMWと異なるのは4輪ステアを採用している点にある。
この効果は絶大で、コーナーリング特性はニュートラルなことで有名なBMWサルーンと比較しても十分に対抗できそうなくらいだ。ただし、よ〜く神経を集中してみると多少の違和感はある。
これは慣れれば問題ないだろうが、4WSという言わばゲテモノ的なフィーリングの違いが無いといえばウソになるから、これは世間での評価を待つしかないだろう。
4WSの驚異は2車線の国道で急激なレーンチェンジをしたときだった。何やらクルマが真横に移動するような不思議な感覚を味わえる。当然ながらサルーンとして異例に安定しているが、
これまた独特な感覚でもある。
このように多少の違和感はあるが、350GTを買うなら4WASを選択するのは必須と感じる。値段も約14万円だから、付けない手は無いし、
BMWのように標準装着(ただし、日本仕様の場合)にしないのが不思議なくらいだ。そうすれば標準車の価格が上がるから、ある面ステータスも上がるし、リセールだって有利になる。
日本では幾らオプションをつけても売却の際にはベース価格で決まってしまう。BMWがMスポーツというパッケージオプションを付けたモデルを一つのグレードとしているのは、
やはりバリエーションとして確立することで、中古車市場で「Mスポならプラス50万円」等の相場が形成されるからだろう。ベース価格を低く抑えて必要なオプションのみ選択できるのは、一見良心的なようだが日本の中古車業者とユーザーの成熟度が足りない現状では有りがた迷惑に成りかねない。
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今回の結果が非常に良かった事から、記憶がまだ新しい状態で比較用にと思い、急遽BMW335iサルーンに試乗した。
いくら輸入車は割高とはいっても、車両価格670万円もするクルマと比較するのは反則ではないかとの声もあるが、このクラスでは相変わらずトップ街道をひた走る3シリーズの最新にして最上級のグレードという、
正に世界チャンピオンに挑戦する心意気で試乗してみた。詳細な試乗記は後日別途まとめるが、一言で言えば、新開発のツインターボエンジンは数値的にはスカイラインの新VQエンジンと同等に見えるが、
乗ってみればアイドリングから意識的に聞かせるエンジン音が4000rpm回転過ぎてからのマニアがウットリするようなサウンドと共に、回転が上がれば上がるほ
どに凄まじい加速感と、一気にレッドゾーンまで駆け上がる様は、
アレほど出来の良さに感心したスカイラインが一瞬で色あせる程の違いがある。おそらく、ニッサンの開発陣は330i辺りで比較して、スカイラインだって価格を考えれば十分なところまで追いついたと思ったに違いない。
しかし、皮肉にもスカイライン発表と同時期に国内でも走り始めた335iは、他社を更に大きく引き離していた。 |