BMW G29 Z4 M40i (2019/6) 前編 その2


  

オープンカーというのはその名の通りルーフを下してフルオープンにした状態が正規であり、ルーフを上げている状態は雨を避けるなど特殊な状況‥‥というのが本来なのだが、今の時代は何時もオープンという訳にもいかず、結果的にクローズド状態が通常となっている。まあこれは幌の質が向上した事で、ソフトトップと言えどもクローズド時の室内の状況はハードトップと変わらないくらいに向上しているという事もある。ただし室内からは区別がつかないくらいの現代のソフトトップだが、外から見た時のスタイルは幌の制約からどうしてもイマイチとなるのだが、Z4 のソフトトップはクローズド時にはクーペのようなラインを描いていて、これなら文句の付けようがないくらいだ (写真5) 。実はこのルーフラインはボクスターが現行 981 になった時に、先代 987よりも圧倒的にスタイルが向上したのだが、Z4 のルーフラインは正しく現行ボクスターとそっくりだった。


写真5
Z4 のソフトトップはクローズド時にはクーペのようなラインを描いている。

フロントを比較した時、ルーフは殆ど見えないので違いは判らないのは当然だが、それ以外で両車を比較すると M40i のキドニーグリルはブラックアウトされていて、それだけの事でも随分と雰囲気が異なり精悍さが増している (写真6) 。というか 20i クロームのボチボチはどうも好きになれない。

リアについての最大の違いはその排気管で、M40i は左右其々に横長で一見ダブルに見えるマフラーカッタ―を左右から出ていて高性能車の雰囲気が出ている。対する 20i では左右から太めの丸い排気管であり、一応差別化されている (写真7) 。最近はこの横長のマフラーカッタ―が流行っているようだが、やはりこれはオーソドックスに丸の2本の方が自然だと思うのだが、まあ好みの問題だろうか。

そのリアでグレードを確認するもう一つの方法はエンブレムであり、M40i は "Mロゴ"+ "M40i" で、 20i は " s Drive" と "20i" で Mロゴは無い (写真8) 。これは以前から BMW に共通していた方式で、通常モデルの M Sport では室内やフェンダーサイドにはMロゴを平気でサービスするが、リアのエンブレムにMロゴが付くのはMパフォーマンス以上のモデルのみだ。まあ、補修部品でエンブレムを買って貼れば良いだけの話だが‥‥。

と思って写真8 を再度見たらば 20i のエンブレムは小さい為に、この隣に" s Drive" を剥がして "Mロゴ"を貼ってもバランスが取れないですぐバレるのだった。あっそうか、20i も剥がしてMのみにすれば良いのだった。そう言えばMのみを貼った BMW って結構見かけるよね。


写真6
フロントの大きな違いは M40i のグリルがブラックアウトされている事だ。


写真7
排気管は両車で形状が異なり、これが後方からの大きな識別点となる。


写真8
リアトランクリッド後端には其々のエンブレムがある。

前述のルーフラインについてはサイドビューでは更に判り易い (写真9) 。また意外にウエストラインが高い事でルーフの面積を減少させているなど、ソフトトップの格納とのギリギリのところで成り立っているのが判る。なお M40i には特別なブリスターフェンダー等は無く、標準の Z4 と変わらないのは本物のMモデルとは違うという事の証明だ。

なおフロントフェンダー後端にはMロゴが付いているが、これは両グレード共に全く同じモノが付いている (写真10) 。

写真9
ウエストラインが高い事でルーフの面積を減少させているなど、ソフトトップの格納とのギリギリのところで成り立っているのが判る 。

 



写真10
フロントフェンダー後端には全く同じMロゴが付いている。

さて最も興味のある走りについては後編にて。

⇒後編へ