BMW G29 Z4 sDrive 20i (2019/4) 前編 その2 |
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サイトビューに関しては全長 4,335o ホイールバース 2,470o で先代よも其々+ 80oおよび−25oで、要するに全長が伸びたがホイールベースは逆に短くなった。また全高は 25o 高く、写真で見ると新型の方がウエストラインからボンネットにかけての位置が高くなっているようで、その割にはグラスエリアは変わらず、結局全高が 25o 高いのはウエストラインがその分高かったのが原因だろう (写真11) 。 旧型との大きな違いはリトラクタブルハードトップからソフトトップに戻った事で、ルーフを上げてクローズド状態にした時のスタイルは折りたたむ為に制約があるハードトップよりも美しいラインとなっている。また新型のルーフラインはロードスタータイプとしてはリアウィンドウがなだらかでクーペ的なスタイルが自然に形成されている (写真12) 。そしてこの辺りはライバルであろうボクスターとも共通したものがある。 ソフトトップに変更した御利益はトランクスペースの拡大にも貢献している。とはいっても決して広くは無いラゲージスペースだが、旧型のように嵩張るハードトップを収納するために殆ど荷物スペースが無く、要するにトランクはルーフの格納場所だった事に比べれば大幅に改善されている (写真13) 。 |
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写真11
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写真12
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室内を見ると、基本的には旧型と大きな違いは無いが、考えれみれば狭い2シータースポーツの室内配置は、まあこれっきゃ無いが。シートは新旧共ヘッドレストと一体のハイバックスポーツシートだが、写真のクルマは両車共にオプションのレザーシートを装着していた (写真14)。従って標準とは材質が違うが、それ以上に色が異なり、写真のクルマのシートカラーはコニャックと呼ばれるオレンジに近い派手は色だった。 またレザーの材質はヴォーネスカ レザーという表面の平らな良くなめした革で、旧型がシボのハッキリした分厚いダコタレザーとは質感がマルで違う (写真15) 。なお M Sport の標準シートはヴォーネスカ レザー/アルカンターラ・コンビで色はブラックとなる。 パワーシートの調整スイッチは‥‥写真では見えないが試乗した時は一般的なシート形状をしたスイッチだった (写真16) 。サイドスカットルはドアの形状に合せて湾曲しているのが珍しく、その上に貼ってあるプレートも当然湾曲している。なおプレートの表示はどちらも M マークが付いているのは、BMW の M Sport の定番だ。 |
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写真14 |
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ドアトリムの質感は可也良くデザインも凝っていて10年前の E89 とは時代の違いを感じさせる (写真18) 。取り分けドアグリップがアームレストと分離された事で雰囲気が随分違っているし、ドアノブも全く形状が変っているが、これらは何と無くポルシェっぽい (写真19) 。ここはボクスターを大いに意識しているのだろうか。なお新型はパワーシートのメモリースイッチがドア側に移動している。 |
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ダッシュボードも当然ながら時代の移り変わりを感じるモノで、新型 (G29) は最近の BMW すなわち 3シリーズ (G20) や X5 (G05) 等と共通点が多いが、E89 は見事に2世代前の初期のナビ装着モデル丸出しで、ディスプレイが折りたたみ式となっていて不要な時には畳まれている (写真20) 。この時代はディスプレイをダッシュボードから飛び出しているのは後付けの車外品みたいでカッコ悪かったのを思い出した。 センタークラスターも流石に 10年間のギャップを感じ、E89 のエアコンパネルはアナログ的だ (写真21) 。なお G29 のセンタークラスターは新3シリーズと共通となっている (写真21) 。 コンソール上には其々最新と少し前の BMW の代表的な機器が配置されている (写真22) 。という事は E89 は当時の最新式の AT セレクターや iDrive などを備えていた事になるのと共に、この電子式の AT セレクターも既に 10年以上の歴史があった事になる。そしてダッシュボード右端のライトスイッチも G29 は G20 と共通の最新の押しボタン式であり、E89 はそれ以前の回転式が使用されている (写真23) 。 Z4 は2シーターだから後部隔壁にオーディオスピーカーを装備しているが、新型は2ウェイにグレードアップされているようだ。しかしこの位置はドライバー (とパッセンジャー) の直後であり音響空間という面では決して良く無さそうだ (写真24) 。まあその前にこの狭い空間で良い音を聞きたいと言うのが間違っているのだが。 |
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写真20 |
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写真24 |
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さて以上内装を見比べた結果としては、流石に10年の歳月を感じさせるモノがあった。それでは走りも10年分の進化があるか、という期待が湧いてくるが、これについては後編にて。 |