BMW G05 X5 xDrive 35d (2019/4) 前編 その2

  

室内を見ると、写真のクルマのシートカラーはオレンジに近い派手は色で、これは Z4 でも使っていたコニャックと呼ばれる色であり、どうも最近はこの色が BMW のテーマカラーらしく、試乗車も展示車もこの塗装色が多い (写真11) 。そしてシート表皮はヴォーネスカ・レザーという表面の平らな良くなめした革というのも Z4 と同様だ。なお X5 M Sport の標準シートはヴォーネスカ・レザーではあるが色はブラックとなる。Z4 ではヴォーネスカ・レザ/アルカンターラ・コンビだったが、X5 ではフルレザーであるところが異なっている。

これに対して先代 F15 では表皮はレザーとはいえダコタ・レザーで、このタイプのレザーは BMW の定番的なモノだったが、最近の G系列ではヴォーネスカ・レザーに変更したのだろう。また写真のシートカラーはキャンベラ・ベージュという白に近いベージュで、同色は G05 でも選択できるが、F15 にはコニャックの設定は無く、これも G系列からの設定だ (写真12)。しかし今やBMWのシート表皮は殆どがレザーとなり、ファブリックシートは X5 や 5シリーズセダンなどでは殆ど見掛けなくなってしまった。まあ折角 BMW を買うのならレザーシートを選ぶというのも解かる気はするが、ファブリックの良さだってあるし、レザーが嫌いなユーザーもいると思うが‥‥。

パワーシートの調整スイッチは相変わらずシートベース側面のシート形状をしたスイッチを使用する (写真13) 。しかし G05 ではポジションメモリーのスイッチはここには無く、ドア側に移動していて、これも G29 (Z4) や G20 (3シリーズセダン) と同じだ。

写真11
新型の展示車にはZ4でお馴染みとなったコニャックという室内カラーが装着されていた。


写真12
シート表皮のレザーも3シリーズやZ4と同様に今までのナッパ・レザーからヴォーネスカ・レザーに変更となった。


写真13
パワーシートの調整方法とスイッチの位置に変わりは無いが、ポジションメモリースイッチは移動している。

ドアトリムのデザインも当然一新されている。そしてドアノブの形状が従来の "―" 形から "□” 形となったが、これも G20 等と同じような気がする (写真14) 。そこで比べて見たらば何と、G20 も G29 もドアノブは勿論の事その両端のポジションメモリースイッチとドアロックスイッチ、そしてそれらが装着されているベース迄同じで、要するにこれらを共通のアッセンブリ―としていたのだった (写真14) 。

BMW の新シリーズは徹底した部品の共通化によりコストダウンを狙っているのだろうが、今のところでも3と5のインテリアの多くが共通とうのもチョイとねぇ。まさか7シリーズまで同じという事はないだろうが‥‥と思って恐る恐る調べて見たらば‥‥やれやれ、全く違ってホッとした。


写真14
ドアトリムのデザインも当然一新されている。


写真14-1
ドアノブの形状が従来の "―" 形から "□” 形となった。


写真14-2
ドアノブとポジションメモリースイッチ、そしてドアロックスイッチをユニット化して3車種に共通としているのはコンソールと同じ考えだ。

ダッシュボードも言うまでも無く G05 は最新のデザインとなっている (写真15) 。そしてもうみなさん想定していると思うが、センタークラスターのエアコンやオーディオのユニットは G20 および G29 と共通となっている (写真16) 。ただしトップの横長のディスプレイについてはユニットは同じだがフレームは其々異なっている。

またコンソール上の機器類も3車種とも同じ機器がユニット化されていて、左手前には其々に必要なスイッチ類をが追加するスペースがあり、G05 は SUV だから車高調整、G29 はオープンだからルーフの開閉スイッチ、そしてG20 はブランクパネルという具合だ (写真17) 。

写真15
ダッシュボードも G05 は最新のデザインとなっている。



写真16-1
センタークラスターのデザインも全て一新されている。


写真16-2
実はこの部分も新型ではユニットの共通化が実施されている。


写真17-1
コンソールも新旧で完全に変更された部分だ。


写真17-2
そしてこれまた3車共に同じユニットが使用されているが、左下は其々追加のスイッチを付ける事が出来る。

ダッシュボード右端のライトスイッチもG系3車種は同一のユニットが使用されている (写真18) 。しかし流石にオーバーヘッドコンソールとセンターコンソール後端のリア用エアアウトレットは別のモノが使用されている (写真19) 。と思ったら、オーバーヘッドコンソールは G30 (新5シリーズ) と同じだったが、リア用エアアウトレットは異なっていた (写真20) 。

G30 は G系としては一足先に発売されていたために、X5 のように殆ど全てが3シリーズと同じという訳でも無く、コンソール上の機器類は単品では同じでもこれらを一つのユニット化にする迄には至っていなかった。


写真18-1
ライトスイッチも長年続いた回転式からボタン式となった。


写真18-2
そしてこれまた3車種とも共通ユニットとして統一化されている。

写真19
オーバーヘッドコンソールもデザインが変わったが、この部分は新型同士でも共通化されていない。と、思ったら新5シリーズサルーン(G30)と共通だった。

写真20
勿論新旧でデザインは変っているリア用エアアウトレットだが、これについては新型同士でも其々違うものを使用している。

ここまで見た限りでは徹底した G系の新型車の共通化を目の当りにした訳で、まあ3シリーズや Z4 ユーザーなら気にならないとしても、X5 ユーザーからすればチョイとおもしろく無いモノもあるだろう。

では一番気になる走りはというと、これは後編にて。

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