Volvo XC60 T5 (2018/2) 前編 その2

  

ここからは何時ものとおりに内外装写真から始めるが、例によって既に日記でよりサイズの大きい写真を掲載しているのでこちらでは趣向を変えてみるのも何時も通りだ。
⇒ Volvo XC60 (2018年2月11日からの日記)

それで以下の写真については先代 XC60 の比較により新型がフォード時代からどの程度進化したかを確認してみる事にした。

それでは最初に斜め前後からの比較を行うと、実は一見しただけでは一目で新旧が区別できるというものでも無い。まあそれ以前にボルボの SUV の事を知っているのはオーナー位のもので、幾らクルマが、それも輸入車が好きとはいえボルボの詳細は判らないだろう。


写真21
エクステリアは一見しただけでは一目で新旧が区別出来ないくらいにキープコンセプトとなっている。


写真22
リアについても一般人には同じに見えるだろう。

次に真正面 (写真23) から比較すると新型は全幅 1,900 x 全高 1,650o で旧型は全幅 1,890 x 全高 1,715o と幅ほ殆ど変更が無いが、全高は 65o も低くなっている。しかしこの手のクルマはルーフレールを標準装備している事から単純に全高で比較出来ないという辛さがある。なお、今回比較した旧モデルは初期のモデルであり、例えばフロントのヘッドライトとグリルの間に小さなライトがあるが、MC を経た後期型ではフェイスリフトによりこのライトが無くなっている。

サイドビュー (写真24) では新型が全長 4,690o x 全高 1,660o ホイールベース 2,865o 、旧型は全長4 ,645o x 全高 1,890o ホイールベース 2,775o と全長は新型が 45o 長く、ホイールベース も新型が 90o 長い。前述のように新型の全高はデーター上では 65o 低いが写真で比べてもそれ程の違いとは思えない。また新型のドアは下 1/3 くらいのエリアに強いプレスのアクセントラインを持っている。

真後ろからの比較 (写真25) ではボルボのステーションワゴンでもお馴染みのリアコンビネーションランプがDピラーのルーフ近くまで伸びるところは新旧とも同じだが、新型は一部がリアゲードまで延びていて、これによって旧型の商用車っぽさが消えている。


写真23
細かい点では、旧型にはフロントのヘッドライトとグリルの間に小さなライトがある。ただし後期型ではこのライトが無くなっている。

写真24
新型が全長 4,690o x 全高 1,660o ホイールベース 2,865o
旧型は全長4 ,645o x 全高 1,715o ホイールベース 2,775o と全長は新型が 45o 長く、ホイールベース も新型が 90o 長い。

 



写真25
リアコンビネーションランプがDピラーのルーフ近くまで伸びるところは新旧とも同じだが、新型は一部がリアゲードまで延びている。

今度はドアを開けると新型がホワイト系の内装ということもあり明るくモダーンに見えるが、いや色の違いもさることながら、シートデザインも同様にモダーン路線で統一されている。シート表皮は旧型ではオーソドックスで重厚な雰囲気の本革だが、新型は同じく本革といってもよりなめした革でセンターには通気孔が開いているなどこれでも雰囲気は大分違う 。ただし旧型のセンターに使われている皺の入った革も中々良い雰囲気があり捨て難く、旧型の前期型と言えば欧州では 2008年の発売であり未だフォードの傘下の時代だったが、そこは北欧家具で有名なスエーデンの企業の面目飛躍というところだ。

写真26
新型はシートデザインも同様にモダーン路線で統一されている。


写真27
新型は同じく本革といっておもよりなめした革でセンターには通気孔が開いているなど雰囲気は大分違う。
ただし旧型の皺の寄ったセンターの表皮も趣がある。

シートポジションの調整は新旧ともフルパワーであり、その調整もシートベース側面のシートの形をしたスイッチというオーソドックスなものだが、旧型がその付近にポジションメモリーのスイッチを配しているのに対して新型はドアトリム側に移動している。通常シートベース側面に配置したメモリースイッチはドライバーから位置を確認し辛いのだが、XC60 ではこのスイッチのみ上面に出して確認し易くなっているのは人にやさしいボルボの哲学に合っている (写真28) 。

ドアトリムは旧型では独特のデザインで「これが北欧テイストか」何て思うようなものだが、新型はその面ではオーソドックスになってしまった (写真29) 。ただし新型の質感は極めて高い事と、ここもモダーンテイスト溢れる雰囲気なので満足感は高いだろう。


写真28
シート調整はどちらもフルパワ−でポジションメモリースイッチは新型ではドア側に移動してている。
旧型のメモリースイッチはドライバーから見易い位置にある。


写真29
ドアトリムは新旧で全く異なるが、旧型の独特なデザインも中々良い。

インパネについては新旧で雰囲気もデザインも全く異なっている (写真30)。これはインテリアカラー云々を超えて、全くデザインポリシーが変更されたという感じだ。何よりも大きく異なるのがセンタークラスターであり、旧型はボルボ独特の人の形をしたエアコンスイッチなどある面ボルボらしいモノだったし、そのパネル自体が極薄くてその裏側にスペースがあるなど独特の構造だった (写真30右) が、新型は打って変わって大きな縦長のディスプレイを使って、このタッチパネルにより操作するというテスラーのような最新の考えに基づいている。写真31 を見ればディスプレイの大きさの違いは一目瞭然だろう。

実は新型を始めて見た時に最初にリアドアを開けてリアシートに乗り込んだのだが、その時目に入ったフロントのインパネ周りのモダンな雰囲気にアッと驚いた事を付け加えておく。これを見た瞬間に、もしかしたら走りも従来のボルボと一線を画しているかも、との予感が走ったのだった。

写真30
新型のインパネ周りは、見た瞬間にアッと驚く程のモダーンな雰囲気だった。

旧型のセンタークラスターは極薄いパネルが使われていた (写真下)。


写真31
新型は大きな縦長のディスプレイを使って、このタッチパネルにより操作するというテスラーのような最新の考えに基づいている。


写真32
リア用エアアウトレットは調整ダイヤルとディスプレイがあり、このデザインがまた実に良い。


写真33
両端のBピラーにはエアアウトレットが仕込まれている。

そのリアシートに座って見えるフロントの眺めに感動した後に、ふとセンターコンソール後端のエアアウトレットを見ると、そのパネル上にはディスプレイが仕込まれていて下段のスイッチと共に調整が出来るのだが、そのデザインがこれまた実に良い (写真32) 。しかも左右のBピラーにもエアアウトレットが仕込まれている (写真33) 。

では一番気になる走りはどうだろうか? 続きは後編にて。

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