Subaru Forester 2.0 Hybrid (2018/9) 後編 その1


  

今回試乗する 2.0L ハイブリッドは Advance のみのワングレードで、装備類は 2.5L NA の上級モデルである Premium と同等だから内装は決して悪くない。しかも試乗車にはオプションのレザーシート (ブラウン) が装着されていたから、ドアを開けた瞬間に目の前には結構高級そうなインテリアが広がっている。座り心地は決して悪くは無く、10年前のように国産車の中でも最低のシートとお墨付きを出したくなるような悪名高きスバルのシートからすれば大いなる進化を遂げている。

エンジンの始動は旧型同様に "ENGINE START STOP" と表示された押しボタンを使用するが、んっ? このクルマはハイブリッド、という事は普通は "POWER" と表示されている筈だが、このクルマはガソリン車と同じ表示となっている。まあ 13.6ps のモーターでは EV 走行何て無理であり、このハイブリッドとは言えガソリン車にオマケのモーターが付いているという程度なのだろう (写真31) 。何だか走り出す前から期待感がマルで無くなってしまったが、これにメゲずにスイッチを押すと正面のメーターに灯が入る。

メーターは2眼式で流行りのフル液晶では無く、各メーター内の目盛に液晶を使う‥‥何て事も無く、基本的に旧型と同じ配置と形式になっている。とはいえ、2つの大径メーターの中間にある表示部分には流石に1枚のカラー液晶表示へと変更されていた。


写真31
エンジンの始動は新旧共に "ENGINE START STOP" と表示された押しボタンを使用する。

写真32
メーター配置等は新旧で同じ。盤面に液晶を使うことも無い。それでもセンタ−の表示は少し近代化している。

 

コンソール上にある AT セレクターのパターンは新旧と同じで、Dから右に押すとマニュアルモードになるいわゆるティプトロタイプとなっている。尤もスバル車の殆どは CVT だからマニュアルモードといっても大した御利益は無いが、降坂用と割り切れば邪魔にはならない。なお新型はセレクターの手前に4WD の制御モード切り替えダイヤルが付いている (写真33) 。

そのダイヤルの右側には電動式パーキングブレーキのスイッチがある事も旧型との大きな違いで、フォレスターも今回からパーキングブレーキが電動式となったのだった。そのスイッチと共に手前に "AVH" というスイッチが目に入るが、これはAuto Vehicle Holdの略で、要するに停止保持装置の事だ (写真34) 。この手のものは坂道発進補助のHSA (Hill Start Aid) が有名だが、停止保持装置というのは元を正せば街の発明家が特許取得したものをブレーキメーカーのA社が権利を買い取ったもので、勿論今では特許権も切れているから、カーメーカーも部品メーカーも続々と参入している。

セレクターをDに入れてパーキングブレーキを解除してユックリとアクセルを踏むとハイブリッドらしく音も無く発進する‥‥という事は無く、普通のガソリン車の感覚だった。公道に出てハーフスロットルで40q/h 位まで加速してみると、低域でのトルク感は流石にハイブリッドと言う程では無く、まあそうかなという程度で、明らかなモーターのトルクを感じる事は無い。考えてみればモーターのトルクは最大 65N-m だから殆ど軽自動車の NA エンジン並みで、重量 1.5tの SUV ではそんなモノだろう。


写真33
新型はATセレクターの手前に各種スイッチ類が追加されている。


写真34
セレクターのパターンは旧型同様にティプトロタイプとなっている。


写真35
新型のコンソール上にある4WDモードスイッチや電動パーキング関連スイッチ等。

次に少し広い県道に出て積極的にアクセルを踏んでみるが、その動力性能はお世辞にも強力とは言えず、SUV らしくないハイパワーというフォレスターのイメージには遠く及ばない。これゃあスバオタさんからすれば「こんなのスバルじゃ無い!俺の青春を返せ!」と言いたくなるかもしれないが、b-otaku は特にスバルに思い入れがある訳ではないから気にしないが、しかしこれは単なるオバちゃんの買い物クルマ程度のパワー感だ。

ここでふと思い出したのが、そうだ未だ走行モードを切り替えていなかった、という事で、早速モード切り替えを試して見る。その方法はスバルに共通のステアリングの右側スポークに組込まれた "S/I" というスイッチを押すとその度に交互にスポーツ (S) とインテリジェント (I) を繰り返すというモノだ (写真36) 。ところでスバルは昔からノーマルモードの事をインテリジェントモードと言っているが、流石にスバルだけあって他社のノーマルとは一味違う‥‥なんて事は感じられない。なお "S/I" スイッチの左には "ECO-C" と書かれたスイッチがあり、これは想像どおりにエコモードであり、一応これでも走ってみたがそのトロさは極限を極めていた。なお、先代XT ではターボらしく左側には “S#“ という他社で言うところのスポーツプラスに相当するモードがあり、これでこそスバルだと言いたくなるが、それと同じ位置に超トロいエコモードスイッチを配置するとうのも腑に落ちない点だ。

S モードに入れるとアクセルレスポンスは確かに向上するが、決して劇的では無い。そうは言っても折角だから何時ものように停止寸前からフルスロットルを踏んでみると、最初はモーターアシストによる多少のトルク感も感じるが、速度が上がるに従ってモワーっという感じで上がっていく。回転計の針はユックリと上がっていくのはこのクルマが CVT という事が大きいのだろうか、このメリハリの無さがより一層加速が遅く感じる原因となっている。そいういえばBMW X1 sDrive 18i だってターボとはいえ3気筒 140ps というショボいスペックだが、7AT による小まめなシフトによりフォレスターよりも明らかに活気のある動力性能を感じる。

もう一つフォレスターの加速フィーリングが良く無いのはエンジン排気量を小さくした分を補うために、回転数が上がる程にトルクは下がっていく電気モーターを使ってことから、回す程トルクが増してくる高性能ガソリンエンジン車とはマルで逆の特性となり、これがフィーリングの悪さを助長しているのだった。


写真36
走行モード切り替えスイッチはステアリングスポーク上にある点では変わらない。

つづきはその2にて。

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