Subaru Forester 2.0 Hybrid (2018/9) 前編 その2

  

ドアを開けての室内比較は、一見すると新旧の差は判らない程にキープコンセプト、というか進歩が無いというか‥‥良く見ればシートというかクッションの形状自体も殆ど同じだ (写真21) 。そこでシート表皮を拡大して見ると、サイドが人工皮革でセンターがファブリック (しかも織目模様も殆ど同じ) のシート表皮とシルバーのステッチに至るまで同じに見える (写真22) 。まあ FMC だからといって無暗に変更すれば良いというモノでも無いが、これ程に徹底してキャリーオーバーしてくる根性はある面大したものだ。えっ、これはポルシェとも共通するポリシーだっ、って‥‥そういうあなたは‥‥やっぱりスバオタさんだっ。

シート調整は両車共に電動式で、そのスイッチユニットも当然使い回しているが、シートベースの形状自体は異なるから、これは新たに金型を起こしたのだろう (写真23) 。

写真21
一見すると新旧の差は判らない程にキープコンセプトとなっている。



写真22
シート表皮はレザーの材質もファブリックの織目も同じで、更にはレザー部分のステッチすら似ている。


写真23
シートのポジション調整は同じスイッチユニットを使っているが、シートベースは別物だ。

ドアトリムに関しては新旧で全くデザインが異なっている (写真24) 。実は旧型を始めて見た時には車格の割に随分と質感の良い事に感心したのだが、新型はそれに比べるとその高級感がチョイと落ちてしまったようにも感じ、特にグリップ付近の旧型の雰囲気は非常に良かったのに‥‥(写真25) 。まあこの辺は個人の好みの範囲としておこう。


写真24
ドアインナートリムは全くデザインを異にしている。


写真25
質感自体はどうも旧型の方が上だったようにも感じる。

ダッシュボード付近も新旧の差は少ない。勿論金型は一新されているのだが基本的なデザイン、特にセンタークラスターの構成などもスバルらしいものだ (写真26) 。

そのセンタークラスターに注目すると、最上部に小さなディスプレイを置き、ナビ等はその下となるレイアウトはスバルお馴染みのモノだが、旧型では2つのディスプレイの中間にはエアアウトレットが居座っていたが、新型にはそれが無い? じゃあ何処に行ったかと言えば大型ディスプレイの両側にお引っ越ししていた。これって何処かで見た覚えがあると思ったらばクラウンがこのタイプで、これによりセンタークラスターの機器が幅広に見えて高級感を出していたが、フォレスターはというとクラウンのように豪華に見えないのは何故だろうか?

ナビは実はディーラーオプションで、フォレスターは全グレードでオーディオレスだった。ただし新型の場合、このスペースが2DIN + 1DIN であり、後付けとはいえ一番高価なオプション品ではディスプレイの下にDVD 等のディスクの挿入口やオーディオ操作スイッチ類が並んでいる。旧型の場合はスペース的に2DIN タイプのオーディオ一体型ナビ、すなわちディスク挿入等の時にはディスプレイ自体がビヨーっ持ちあがって中からスロット等が出てくるタイプで、まあ決して美しくは無い (写真27) 。

そしてコンソールの後端を見ると新型にはやっと定番のリア用エアアウトレットが装備された。また新旧共ここにシートヒーターのスイッチがあるが、新型では加えて2つの USB コネクタが蓋付きで装備されているのが時代の違いを感じさせる。といってもホンの6年の違いだが、最近の進歩の速さを物語っている。

写真26
ダッシュボードに基本的なデザインに変わりは無い。


写真27
新型はエアアウトレットをディスプレイ両端に移動してオーディオスペースを3DINとしている。


写真28
新型ではリア用エアアウトレットが装備され、更にUSBコネクタも追加されている。

さて新旧フォレスターだが、特にエクステリアは全くのキープコンセプトで、スバルに興味の無い人間には差が判らないくらいだ。そしてインテリアは特にドアトリム等が大きく変わっているが、まあどちらが良いかは個人の感性によって評価は異なりそうだ。

とはいえクルマは走ってナンボだし、取り分け走りの良い (筈の) スバル車だからここは後編の試乗まで評価を待つ事にしよう。

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