それではご自慢の 8速スポーツモードに切り替えるために前述のように欧州車みたいにドライバーから遠い左側にレバーを押して、発進からこのお〜っ!という気持ちでアクセルと踏むと、大トルク車独特のホイールスピンを伴って‥‥何て事がある訳でも無い。まあ 4WD だから大地を確実に捕えて加速して行く、なんてぇ程じゃあねぇが、まあこれも決して目を覆う程酷くも無い。そしてそのまま加速をしてレッドゾーンの 6,000rpm よりも 1,000rpm 程手前で右のパドルを引いて2速にシフトアップ‥‥したような感じに CVT が変速する。加速中のトルク感は特性図と同じように 4,000rpm くらいから落ち込んでいくのが判るが、パワーウェイトレシオ 9.7s/ps という数字成りの加速はする。
それでは同じ 1.5L ターボで 140ps/4,600rpm 220N-m/1,480-4,200rpm の BMW X1 sDrive 18i と比べての加速感は如何だろうか。エクリプスクロスのエンジン性能は 150ps/5,500rpm 240N-m/2,000-3,500rpm だからパワーでもトルクでも勝っている筈だが、実際に体感するフル加速では X1 のエンジンは明らかに伸びがあり、ドライバーの官能に訴えるという面では明らかに上だ。とはいえ、まあエクリプスクロスだって決して悪い訳では無く、言い換えればヤッパリ BMW は伊達に高くは無いという事だ。
なお下の図で BMW X1 sDrive 18i に搭載されている B38A15A エンジンとエクリプスクロスの 4B40 エンジンとのトルクを比較してある。これを見れば特性上ではエクリプスの方が1枚上手なのだが‥‥?

エンジンルーム内を見ると左右のストラットタワーを結ぶ補強、所謂ストラットタワーバーが付いている。しかしその形状はまるでアフターマーケットのチューニング屋の仕事みたいで、大メーカーにしてはチョイと芸が無いようにも思えるが、ボディーの剛性アップを考えている事は評価できる。ただしこのバーがあると例えばボディの左側を事故で潰した場合に、このバーにより伝わった力で右側のフレームも変形してしまう‥‥というデメリットもあるようだ。
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